中東と言えば、9.11やアラブの春をはじめ、「情勢が危ない地域」という文脈でニュースに取り上げられることが多いように思われます。
最近も、ガザの情勢は悪化中、さらにシリアで日本人が拘束されたというニュース(こちらは実際どうなのかまだ筆者は未確認ですが)も入ってきました。
そんな中東で話されている言語、アラビア語。
いったいどんな言語なのでしょう?
アラビア語と言えば、「あ〜!あのミミズが這ったような字ね!」とお思いになる方が多いと思われます。
正直言って、その認識は間違いありません。えへへ。
でも実際は、ミミズが這ったような字や右から書かねばならないことすらどうでもよく思えてくるほど難解な文法構造、かつシンプルな表記、そして何よりも学習者を惑わせる言語状況を持つ、非常に興味深い言語なのです。
この記事ではシンプルな表記に照準を合わせ、アラビア文字の仕組みについてなるべく簡単に解説しようと思います。
- アラビア文字にもアルファベットはあります!
- あります。以下の画像をご覧ください。
こちらがアラビア語のアルファベットです。(普通に打ち込んでスクショを撮っただけです)
ここには30個の文字が載っていますが、厳密に「文字」と言えるかどうか専門家でも議論が分かれる文字も含まれるため、アラビア文字はだいたい30個と認識しておくのが良いでしょう。大事なことを言い忘れそうになりました。アラビア文字は右から左へ表記します。
(勉強していたら慣れるのでよく言い忘れます)記事トップの画像はアラビア語で「私の名前はハルナです どうぞよろしく!」と書かれています。
無理矢理カタカナ表記すれば、イスミーハルナ アフランワサフランと読みます。アラビア語は1語の中で文字をつなげて書くのです。
なので上記の画像の文字の他に、1文字につき、語頭形(単語の最初にくるときの文字)・語中形(単語の途中にくるときの文字)・語末形(単語の末尾にくるときの文字)の3種類を覚えることになります。
大変そうですが、3種類はかなり似ているのでそこまで苦労せずとも覚えられるでしょう。
むしろ、書く練習の方が大変です。アラビア語を勉強しようと思っている方は、アラビア文字が上手にかけるようがんばりましょう。
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- アラビア語は子音しか書かない?
- 先程、アラビア語のアルファベットをお見せしましたが、これ、ほとんどの文字が子音しか表しません。
つまり、母音は書きません。母音を補いながら読みます。こちらの画像をご覧ください。
超基本単語、「書く」という動詞です。kataba(カタバ)と読みます。
が、これも子音しか表記していません。ローマ字でイメージすると、ただKTBと書いている状態です。それでは、これをきちんとカタバと読めるように表記してみよう!と思うと、こうなります。
先程の文字になにか点々がつきました。
この点々のことをシャクルといい、母音を表す母音記号です。
あまりカタカナ言葉が出てくると読みにくいので、母音記号と表現しますね。アラビア語の母音はア・イ・ウの3種類+α。母音記号は……こちらも厳密に何種類というのは難しいですが(文字と結合して存在する記号もあるため)、筆者の認識だと最低6種類は存在します。それでは、この単語に母音記号がついていないとき、ほかにどんな読み方ができるのでしょうか。 こちらはkutiba(クティバ)と読みます。「書く」の受け身の意味「書かれた」となります。こちらはkutubun(クトゥブン)と読みます。これは「本」の複数形です。
表記は同じでも、母音次第で動詞か名詞かすら変わってくるのです。
これが、アラビア語のややこしいところ。ちなみに、アラビア文字そのものにも点々がついていますが、昔はこの点々すらも表記しなかったのだそう。
なので昔のアラビア語の文献を読むときは、これはどの文字なのかということをも考えながら読まねばならないのだそうです。(うわぁ
- パソコンでアラビア語を入力してみる
- どうやって入力してるの?」と尋ねられることがよくありますが、実は簡単です。
ローマ字と同じように、アラビア文字1文字につき、キーひとつが対応しています。 - で、これが1語の中でどうつながっていくのかということですが、実はこれ、連続して入力すれば勝手につながってくれます。
- 単語と単語の間にスペースを入れれば、つながっていた文字がちゃんと切れてくれます。
便利な時代になったものです。ただアラビア語入力で非常に悩みどころなのは、右から左へ書くために左から右へ書く言語(英語、日本語など)と一緒の文書にアラビア語を入力するのが難しいということ。
日本語・アラビア語まじりの文章を書くので一番苦労するのはこの点。なので、今回はアラビア語部分に関しては全て画像にしました。
アラビア語の話、しばらく続けます!
ご要望などあればぜひお寄せください。