【俺説!】「ニワカWEBデザイナー」にご注意を!

 

ここ数年、こんな声を多く聞く。
「最近は稼げなくなった!」
「いいWEBデザイナーがいない!」
仕事を受けるWEBデザイナーと、仕事を依頼する企業が全く逆の事を言うのだ。

では、このような”ねじれ”はなぜ起きているのだろうか?
そして、失敗しないWEBデザイナーの選び方とは一体なんなのだろうか?

この業界全体の”ねじれ”の背景を、僕個人の独断と偏見で解説したいと思う。

 

増え続けるWEBデザイナー人口

日本中がホリエモンブームに沸いたITバブル期、WEBデザイナーの人口はまだまだ少なかった。
その需要を満たすため、WEBデザイナー人口は年々増えていった。
しかし、日本のITバブルの終焉と共に業界全体の案件数が減少したのにも関わらず、現在もその人口は増え続けている。
その背景にはセミナーやスクールの増加の要因が大きいだろう。
グラフィックソフトの簡単な使い方と、コーディングという、比較的敷居の低い技術力で”デザイナー”というカッコイイ肩書を手に入れられる、この職業は爆発的に普及していく。
制作に伴うツールなどの高機能化や、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の普及も相まって、WEBデザイナーが必要とする技術力はさらに少なくなった。
この敷居の低さが、”ニッチな職業”だったWEBデザイナーを”メジャーな職業”に押し上げた。
メジャーな職業になった、WEBデザイナーはさらに人口を増し、「2時間でWEBデザイナーの基礎を学べる!」など、短時間で技術を学べるセミナー商売も横行しはじめる。
しかし、その頃には企業の需要を上回る数のWEBデザイナーが生まれてしまっていたのだ。
業界の需要を上回ったWEBデザイナーは、もちろん就職という枠からあぶれていくことになる。
せっかく金を払って学んでも、就職に付けず、飯が食えない状況が発生しだした。
この時から、フリーランスやノマドという、WEBデザイナーとして、新しいスタイルのワークスタイルが増えだした。
しかし、このワークスタイルの確率が、たった2時間勉強しただけで「WEBデザイナーです!」と言ってしまう”ニワカWEBデザイナー”を多く生むことになった。
猫も杓子もWEBデザイナーの時代がやってきたのだ。

 

日本のWEBデザイナーの技術力は「素人同然」

日本のWEBデザイナーは「ある程度のデザインとHTML、CSSでのコーディングができる人材」の事を指す事が多い。
それゆえ、たった数時間の勉強で”WEBデザイナー”という肩書を手に入れることができるのだが、これはあくまでも”日本基準”に過ぎない。
では、そもそも海外におけるWEBデザイナーとは一体どういった人材の事を指すのかご存知だろうか?
(1)「デザインは一級品で当たり前」
(2)「コーディングはレスポンシブはもちろん、HTML5ぐらい出来て当たり前」
(3)「JavaScriptぐらい書けて当たり前」
(4)「PHPぐらい書けて当たり前」
(5)「CMSのプラグインぐらい作れて当たり前」
(6)「データベース操作ぐらい出来て当たり前」
これが、WEBデザイナーの”世界基準”なのだ。
もちろん、世界基準で仕事をしている人もいる。
ただ、日本のWEBデザイナーの多くは”世界基準”の一つすら、満足にできないのが現状だ。
“世界基準”からすると、日本の技術力は「素人同然」としか言えない。

 

 

失敗しないフリーランスWEBデザイナーの選び方

WEBデザイナーの普及は、業界に大きなメリットをもたらしたと言える。
しかし、その強制的な普及が、日本の企業にとって、大きな課題を残すことにもなった。
素人同然のWEBデザイナーが、あまりに多く、世界基準である本物のWEBデザイナーが見つけられないのだ。
では、世界基準のWEBデザイナーはどうやって探したらいいのだろうか?

1)クラウドソーシングは使わない

確かに「なんでもいいから、とりあえず作って!」という状況であれば、クラウドソーシングほど便利なものはない。
しかし、仕事のできる本物のWEBデザイナーはクラウドソーシングに頼らずとも、口コミで捌き切れないほどの仕事が舞い込んでくる。
仕事のできる人間に、仕事が集中するのは至極当然のことだ。
裏を返せば「クラウドソーシングを使わなければ使わなければ食っていけない技術レベル」であると私は考える。

2)「PHP書けますか?」と聞いてみる

もしくはPerlでもいいだろう。
とにかくWEB系プログラミング言語の一つも書けないようでは話にならない。
IF文での分岐すら書けないWEBデザイナーは「素人同然」なのだ。

3)実務経験を聞く

当たり前の事だが、どこかの企業に就職した経験がある方がいい。
サラリーマンやOLの経験をしている人の方が、プロジェクト管理やコミュニケーション能力も高い。
ただ、初めからフリーランスとして長年やっている本物のWEBデザイナーもいるため、一概には言えない。

4)ハイクオリティな案件は意外と言えない

実は某大手広告代理店がバックにいる案件は「うちが作りました!」と言えない事が多い。
詳しく言うことができないのだが、そういう契約になっているのだ。
もし、ハイクオリティな案件がWEBデザイナーから出てこない場合は「それは契約的に言えないのですか?」と聞いて欲しい。

 

WEBデザイナーで食っていくためには

このコラムは、あくまでも私個人の一つの見解であることを理解して欲しい。
数が多くなれば、自ずとピンとキリが発生するのは当然といえるだろう。
世界基準を満たした、日本人WEBデザイナーが少ないわけではない。
ただ、WEBデザイナーという人口が多すぎるのだ。
もし、これからもフリーランスのWEBデザイナーとして飯を食っていこうと考えてる人は、自分の技術レベルをもう一度見なおして欲しい。
あなたは”世界基準”になれているだろうか?

 

 

 

下世話なネタから、真面目なネタまで、バッサバッサと斬っていく「俺説!」

10代からフロントエンジニアとして活動。その後、独立しWEB系ベンチャー企業を設立。シングルファーザーでもあり、男性の育児に対し独自の見解を持つ。現在はITコンサルタント活動し、ネットニュースなどのメディアにてコラムなども執筆。その他、企業の外部取締役や飲食店のプロデュース、運営など活動は多岐にわたる。

Twitter: @KawaseTW