ここのところ連日 日本でも漢族とウイグル人との
対立のニュースが伝えられていますが、ひとつ気になるのは
ほとんどのマスコミが「ウイグルでテロ事件」と表現している点です。
テロとは元々ドイツ語のTerrorテロルからきた言葉で
本来は恐怖によって行われる政治を指します。
しかし、テロという言葉は間違っています
ウイグル人のしていることは、祖国解放のための
レジスタンス(Resistance)運動です。
その点について、この記事で述べていきたいと思います。
現在のウイグルの状態は中国政府の入植政策により
漢族が50%近くなっおり、これに駐留する中国軍が合わさると
その総数はウイグル人の人口より多いと言われてます。
みなさんは城管や馬労教養所という存在を知っているでしょうか?
城管(都市管理局職員)は日ごろ市中で無許可営業の露天などを
取り締まっていますがそのやり方はやくざ以下 暴行で死亡者すら
だすことが珍しくなく、また馬労教養所も中国共産党批判をする者を
強制収容し、苛烈な方法でいわば思想改造や洗脳をおこなう施設です。
同じ漢族の中国国民すら、数多くの人々を弾圧している中国共産党政府
が他民族のウイグルに遠慮会釈などするはずがありません!
このように逆らう者はすべて弾圧しているわけで
中国こそまさに「テロ」政治をしているわけです。
そうした中でウイグル人たちが共産政府の圧制支配に抵抗する
レジスタンス活動が盛り上がってきているのです。
では、ここでウイグル人と独立運動の歴史について
簡単に見ていくことにします。
ウイグル族の使うウイグル語はテュルク諸語であるため、
ウイグル人はトルコ系民族の一枝とされています
トルコ系民族は他に突厥、鉄勒、ウイグル、カルルク、バスミル、
沙陀族などを一括りにした呼称であり、当然 中国の支配種族で
ある漢民族とはまったく異なっています。
歴史的には元時代にはウイグル人は元王朝で重用されたが
清朝に敗れてから 被支配人種となっていきます。
中国政府は1950年ごろ、新疆ウイグル自治区に漢族を中心と
する新疆生産建設兵団を大量に入植させていきます。
その後、入植当初人口7パーセントだった漢族が1991年時点で
40パーセントになり、現在は更に増加しておりウイグル族に
匹敵する割合となっています。これに駐留する中国軍とあわせると
ウイグル人よりも中国人の数が上回る状態となってきています。
こうした中国政府のいわば民族浄化政策に対してウイグル人たちの
レジスタンス活動が強まっていきのす。
そして、現在は反漢族運動は主に東トルキスタン独立運動として
集約されここにきて活動も一段と活発化してきているのです。
これに対して中国側は「厳打」という強攻策で対抗しており
たとえば 1997年2月にイニン、伊寧で発生した大規模なデモで
鎮圧に出動した軍隊と衝突して、多くの死傷者を出したイニン事件
では1,000名以上が逮捕され、30名が処刑されたとされています。
そして、ここにきて、2014年4月30日に、一説では習近平主席の命を
狙ったものといわれる爆発事件がウルムチ駅で発生
更に2014年5月22日にもウルムチ市場で31人が死亡する大規模な
爆破事件などが立て続けに発生しています。
こうした無謀ともとれる行動にウイグル人たちを駆り立てているのは
祖国を 奪われた伝来の土地を侵略者の手から開放したいという
強い想いからに違いありません。
そうした意味でウイグル人の戦いは決して自己中心的なテロでは
なくレジスタンス(抵抗開放運動)の戦いであり ウイグル人たちは
レジスタンスを行う闘士といえるでしょう。
抵抗開放運動というと真っ先にWW2でナチスドイツから仏を
開放すべく戦ったフランスレジスタンスが思い浮かびますが
ウイグルで行われている戦いもそれらとまったく同様なのです。
まさかフランス人のレジスタンスたちは英雄で
ウイグル人のレジスタンスはテロだなどという「レイシスト」的な
矛盾はあり得ないことだと思います。
※レジスタンス運動とは – 外国による侵略や専制などに対し、
自由と解放を求める政治的抵抗運動の事。
ナチス・ドイツ占領下のフランスでの自由フランス、ベルギーでの
コメットラインによる抵抗運動が有名。