ドラマ ブラック・プレジデントが始まりました が、残業代不払いについて一言

  by 元ダンダリン社労士  Tags :  

どうも。

元ダンダリン社労士です。

昨日から、新しいドラマ、ブラック・プレジデントが始まりました。

ブラック企業の社長をテーマにした話なので、見ないわけにはいかないということで・・・・


実は、放送日をすっかり忘れており、録画もしていませんでした。

そのため、動画サイトでCM抜きの放送を見てしまいました。

サイトは、著作権法上問題がありありなのですが・・・・・<(_ _)>

 

ダンダリン同様、この手の話は視聴率が取りにくいようで、

チーム・バチスタの後番組としては8.3%と、少し残念な結果になりました。

フジテレビ系ですから、これからテコ入れはあると思いますが、もう少し伸びるとうれしいです。

 

番組ツイッターに問い合わせて確認していたところ、

沢村一樹さん演じるブラック企業の社長 三田村幸雄 は、

  経営者が熱すぎるあまり社員がついていけない企業

の社長の設定ということでした。

 

どこかの居酒屋チェーン店さんの会長さんも、そういうキャラでした。

彼の場合には、偶像化されて一種の宗教のようになっており、

社員も信仰心厚いものが集まる傾向にあり、弱音を吐くのは信仰心の弱さだということから、

皆が無理をした結果、大きな問題になってしまったようでした。

ただ、信者である社員に向けた目は、その後の対応等見る限り、非常に冷めているような印象を受けます。

 

さて、このドラマの話ですが、そういうブラック企業の社長が社会人入試に受かり、

大学で経営学を学びながらキャンパスライフを満喫するという設定で、

会社と大学という二つの舞台を交互に行き交いながら進んでいくようです。

 

ブラック企業うんぬん言わず、ドラマとしては分かりやすい展開のようです。

重くならずに楽しく見れそうな内容でした。

 

今回のドラマの中で、1つだけ調査不足で残念というのが、

サービス残業に悩んだ社員が、東京地裁に訴えを起こしたというニュースが流れるのですが、

「残業代不払いや不当労働行為などに対する慰謝料を求める訴えを・・・・・・・・」

というリポーターの報告がありました。

 

残業代不払いは、本来支払うべき賃金を払わないということで、債務不履行ということになります。

債務不履行に対する訴えは、通常損害賠償請求となります。

また、不当労働行為は、労働組合法上の問題であり、不当に組合活動などを妨げられたことを指す用語です。

今回の場合は、交渉すら行われていないので、用語の使用誤りのようです。

あまり法律的なサポートがついていない可能性もあります。

 

さて、この残業代不払いは、対外的に企業イメージを低下させることになります。

ドラマでもありましたが、ネット上では「ブラック企業」の烙印を押されることになり

優秀な人材が入りにくくなる弊害があります。

また、労働基準監督署に対して「申告」という権利救済を求めずに、

「告訴」という刑事訴訟法に基づく処罰を求めることを行った場合には、

必ず捜査の上送検されることになります。

残業代不払いということの法違反が明らかな場合には、

「検審バック」と言われる検察審査会からの「起訴相当」等の捜査のやり直しを命じられるのを嫌がる傾向にあるため、

略式ですが起訴されて、有罪となり、企業と責任者に前科がついてしまいます。

許認可事業を行うものにとっては、極めて厳しい状況に追い込まれます。

このあたりは、筆者が日本法令の「月刊ビジネスガイド」という雑誌の中で解説しておりますので、

是非ご覧ください。(雑誌のない方は筆者のHPに)

 

今後、ドラマも注目してみていただけると幸いです。

元労働基準監督官の社会保険労務士です。 19年間労働行政に従事し、ワークライフバランスの崩壊により辞職しました。 現在福岡の地で社会保険労務士として仕事をしています。 労働関係の実務なら、他の社労士には負けません。

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