春は36協定届の季節です

  by 元ダンダリン社労士  Tags :  

どうも。

元ダンダリン社労士です。

 

労働基準監督署は、この時期異動の季節です。

半分近くの監督署職員が入れ替わることになります。

どうしても、権限を持っている役所は異動が多く、原則2年で異動,長くても3年で異動です。

1か所に長くいると癒着してしまう恐れがあるからだと言われています。

私には、実際に癒着するような話はありませんでしたが。

 

そして、4月は、以前は1年間で一番来客の多い季節でした。

労働保険の年度更新に、各種労働基準法関係の届出、退職に伴う労働相談。

年度更新はこの時期でしたが、労基法関係の届け出は、別に4月である必要はありません。

ただ、実際には分かりやすいこの時期を1年の起算日に設けるようであり、窓口はごった返します。

数年前より、年度更新の時期がずれ込んだため、労災課の窓口がごった返すことは減りました。

 

労基法関連の届出の中で、36協定の届け出は、特に多い提出書類です。

 

36(サブロク)協定、これは労働基準法第36条で定められた届出です。

正しくは、時間外労働・休日労働に関する協定届と言います。

日本の労働基準法上、猶予措置のある企業を除き、

 労働時間は 1日8時間、1週間40時間

の労働時間数を超過させることはできないことになっています。(労基法32条)

朝の8時から夕方5時まで、お昼の1時間を除いて働かせた場合、これを1分1秒超えることは許されません。

労基法32条に違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられることになっています。

 

じゃあ、残業って・・・・・

これを可能とするのが36協定なのです。

簡単に言うと、原則1日8時間、週40時間の労働時間を超過することは許されないけれど、

過半数を占める労働組合か、過半数以上の信任を得た労働者の代表が、残業していいよと言えば、残業が可能になるということです。

これを書面にまとめて、何時間まで残業できると示した上で、所轄の労働基準監督署に届け出れば、労基法32条の処罰は免れることになるわけです。

つまり、免責。

逆に、この36協定を出さずに残業させた場合、免責されない、つまり処罰の対象になるというわけです。

 

実際には、いきなり罰則を適用して処罰することはありませんが、

トラックやバスなどの車両での死亡事故、過労死事案など社会的に注目を受けるようになった場合、

いきなりこの違反で送検され、実際に処罰を受けることになってしまいます。

 

36協定の有効期間は通常1年間。

つまり毎年出す必要がある内容であるため、区切りのよい年度初め、あるいは年の初めなどに提出されることになります。

 

春は36協定の季節です。

有効な36協定を締結して、監督署に届け出ていますか?

元労働基準監督官の社会保険労務士です。 19年間労働行政に従事し、ワークライフバランスの崩壊により辞職しました。 現在福岡の地で社会保険労務士として仕事をしています。 労働関係の実務なら、他の社労士には負けません。

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