
【グラス★ホッパー最新ニュース】
映画『グラス★ホッパー』が埼玉県にジャンプしてきました。3/7(金)まで熊谷シネティアラ21で公開。ぜひ捕獲しに劇場へ足を運んでください。→熊谷シネティアラ21hp
2/22(日)には舞台挨拶も行われたそうです。
さて、少し思い出話を。
ビデオやDVDがまだ出まわる以前には、一度公開がすんでしまった映画を目にすることはなかなかできませんでした。お金がなく劇場に行く機会の少なかった小中学生の頃の僕は、公開から何年かあとにTVで放映されるのを心待ちにしていたものです。
当時(70~80年代はじめぐらい?)名画座というものが東京のあちこちにあって、一度公開を終えた旧作が二本立て、三本立てでかかり、お得な料金で楽しむことができました。
僕ら世代までの若者たちは自分の観たい作品をもとめて、雑誌「ぴあ」を片手に電車を乗り継ぎ都内あちこちの名画座をハシゴするなんてことを普通にやってたわけです。映画へかける情熱がすごかったというかご苦労なハナシというか。
それとヨーロッパ作品を中心とする単館系映画にもマニアックなファンがおりました。作品だけでなく、独自のラインナップを組む劇場じたいにもお客がついていましたね。
そうです。かつて映画はいつでもどこでも手軽に観られるものではなかった。それだけに、ありがたみもまたひとしおだったのです。
いまでは大規模なシネコンが各地にできてメジャーな作品はどこでもひととおり揃っている。なおかつ公開後はソフト化されて売りに出され、オンデマンドも本格的に始まろうとしています。「ぴあ」もいつの間にか休刊してしまいました。
まさにユビキタス、「いつでもどこでも」の時代の中で名画座や単館系のもつ魅力=レア性も失われつつあるのではないでしょうか。
そこで強引に話をつなげますが、藤橋誠監督の『グラス★ホッパー』はじめ一連の作品や春日部でいま進行中の「まち映画」は、この希少性の魅力を受け継いでいるように思うわけです。
公開の時期も場所も限られているだけに目にする機会はとっても貴重。なおかつ上映されるのが地元限定だったりすれば作品を観るために人々が集まり、地域活性にもつながるのです。
「まち映画」に限らず公開が困難な自主製作映画等が各地で草の根上映を続けています。メジャーの力量には対抗できないかもしれませんが、その弱点がときとして強みにも変わるのだ、と思いたいです。
『グラス★ホッパー』公開終了後、熊谷シネティアラ21では弾き続き同じ藤橋監督の作品『漂白』が公開されます。群馬県玉村町を舞台にした「まち映画」で、ストーリーは『グラス★ホッパー』より少し大人の、若者向けな内容ということです。
こちらは僕もまだ未見なので軽いドライブを兼ねて春日部から車で観にいってみようかと思っています。