フリーメイソンとディビット・ベッカム

  by 九尾信貴  Tags :  

ディビット・ベッカムが今季限りでの現役引退を表明した。

いつの間にか、もう、38歳にもなっていた。様々な噂があるが、良い引き際なのだろう。
いくら天才的な選手でも、有終の美を飾れるかは運もあるのだろうと思う。ジダンのように残念になることも。
アレッサンドロ・デル・ピエロは同じ歳だ。彼も引退の時期は近いのかもしれない?!
少し前になるが、今年の3月、朝日新聞にこんな記事が載ったことをご存知だろうか・・・

~記事から抜粋~
May 16 , 2013 朝日新聞

フリーメイソンが東日本大震災の被災地を救援。
「宮城県南三陸町に真新しい寺が建てられたが、資金の出し手は『フリーメイソン日本支部』だった」。日本支部のグランドセクレタリー(事務局長)の元には、大震災後、アメリカ、カナダ、香港など世界各地の会員からの寄付が1200万円ほど集まっていた。日本人の知り合いから相談を持ちかけられ、津波に流されて困っていた西光寺(曹洞宗)の再建に協力することになったと。

おどろおどろしい「秘密結社」として描かれてきた「フリーメイソン」の日本支部が、東日本大震災の被災地で支援活動をしている。世界各地の会員から集めた寄付をもとに、被災地に水や食料を届け、津波で流された寺を再建。漁師への漁船の寄贈にも乗り出した。「日本のフリーメイソンのイメージを変えたい」という日本支部。

フリーメイソンは寺の再建費用約2400万円のうち、900万円を寄付。7月13日の落慶式には、曹洞宗の僧侶や近隣の住民などに交じり、ダークスーツに身を包んだ数人のフリーメイソンの会員たちの姿もあった。

日本支部は、その後も気仙沼市で飲み水や5000人分の食料を届けたりと支援を続けた。
物資を運んだ車には大きく日本語と英語で「フリーメイソン」の横断幕をつけ、そろいのジャンパーを着た。
「日本でここまで表だって外に出たのは初めてのことだった」という。

これは再建され落慶式が行われた西光寺。

フリーメイソンといえば、日本では「世界を裏で操る秘密組織」といったイメージで語られることが多い。書店に並ぶ本やネット上のサイトには、「世界経済を牛耳る闇の組織」「国家転覆を狙う」「9.11同時多発テロに関わった」といった根拠の定かでない「都市伝説」的なストーリーが出回っている。

秘密結社と囁かれることが多く、決して表立って出てくることはなく、存在すら疑わしいが、あったのである。驚きだ!
なんと、日本にも支部があった。
それも、東京タワーの真下にあった。

フリーメイソン日本支部(日本グランドロッジ)
(財)東京メソニック協会
東京都港区芝公園4丁目1-3 東京メソニックビル

こちらがHP。
http://www.tma-japan.org/index.html

参考までに

メイソン入会規定

ロッジ(会合場所)のほとんどは、駐留米軍基地のなかにあるようだ。
アメリカ人のフリーメイソン人口は多い。

フリーメイソンは、よく映画でも題材にされる。その他にも、秘密結社と称される組織は多い。
イルミナティ、テンプル騎士団、マジェスティック12、シオン修道会など。

世界の国々のパワーバランス、世界経済は超国家的な大きな力が働いていて、そこには陰謀があると囁かれる。
仮にそういう組織があったとしても、どこまでも推測の域を出ない。

そもそも、フリーメイソンとは何なのか?
ベッカムの出身と同じイギリスで生まれたものである。
当時のヨーロッパはどうなっていたのか。宗教の主軸にあるのは、いうまでもなく、キリスト教である。
カトリック・正教会・プロテスタントがあった。景教と呼ばれるネストリウス派もあるが、主流派からは異端とされた。

イギリスの田舎の居酒屋で、呑んだくれていた親父たちが、仲間同士でなにか会でも作らないか?
と、ある赤ら顔の親父が提案した。”おお、それはいいな”、皆「賛成!」と声高に同調した。
赤ら顔の親父たちは、呑み会の場が増えること、堂々と呑み会を開催できることを喜んだ。
それは瞬く間に会員を増やしていった。皆、そういうのをひそかに待っていた。
基本階級に、親方・職人・徒弟 があるのが、その名残である。

その後、それはヨーロッパ中に広がっていき、会員数も膨大になった。
やがて、貴族やインテリも入会することになる。すると、組織の格式はあがり、会員になることがステータスになった。そして更に、我が会に、権威や貫禄が欲しくなる。如何に崇高な会であるかということを誇示するものが欲しくなる。最良なのが由緒、歴史があると言いたいわけである。それで、古代ギリシャやローマのことを後付けする。

と、これは筆者の勝手な想像を膨らませたものである。

ただ小範囲のコミュニティーから、広範囲なアソシエーションになったのは間違いないわけだが、なにか、伝承や噂の類いが、ひとり歩きして神秘化が進んだのだろうと思う。

ディビット・ベッカムがフリーメイソンかどうかは、知る由もありません。

遊神と危道の探求を信条に。ただ迷想も間々あり。 あらゆる分野のリーディングカンパニーでSEとして従事という特異な経歴を持つ。旅・歴史探訪・テーブルゲームをこよなく愛し、古き良き日本を探すことに生甲斐を覚える。

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