今、百合が熱い!?―世代も性別も超えたファン層
アニメ・漫画市場で、確実に近年注目度を増している百合。百合とはつまりガールズラブ…女性同士の恋愛ものの創作物やそのジャンルを差す。
百合のファン層はあつく、吉屋信子(※大正~昭和期に活躍した小説家。女性同士の恋愛や女子の生き方を描いた作品等で、少女たちの絶大な人気を得た)の小説から愛好している人、20年前のアニメ『美少女戦士セーラームーン』から、15年前の小説『マリア様がみてる』から、と長年のファンが微かな火を消さずつないできた文化が、今になってなぜか、急激な盛り上がりを見せている。
この盛り上がりを一時的なものとせず、百合を一大ジャンルとして根付かせたい……そんな百合ファンの思いから生まれたZineが、『百合人―ユリスト―』だ。
「百合人(ユリスト)」という造語は、すなわち百合ファン、百合愛好家のこと。BL(ボーイズラブ)のファンはよく「腐女子」と呼ばれるが、百合ファンは性別を越えて存在し、どの性別のファンが最大多数なのかも未だはっきりとはわからない状態。ゆえに、性別を定めない呼称がタイトルに置かれた。
100人アンケートの驚くべき内容
第1号の特集は百合人たちへのアンケート。100人超の百合人がアンケートに答えた。 (ちなみにこのアンケート結果では女性5割強、男性3割強、1割は「それ以外の性別」で回答しているが、100人規模のアンケートなので全百合人の縮図として見れるかは微妙なところ。)
詳しいアンケート結果は本誌を読んでいただきたいが、注目すべきは、多くの百合人が百合を娯楽として楽しみながらも、人生を見つめ直すきっかけとしたり、日々の心の支えとしたり、それぞれに、自身にとって娯楽以上の価値を見出していることだ。
本誌はそんな熱すぎる百合人たちに対して、表紙を飾る「一おとめ・二おとめ」のコンビが言いたい放題コメントしていく構成となっている。
百合人自らが「百合界」を盛り上げるために…
現在の百合界を、ファン内部から分析・研究していくとともに、百合人自らがジャンルを盛り上げていくため、モチベーションを高め、互いに励まし合うことも本誌の大きな目的。
人気百合漫画誌の編集部への取材記事や、アンケートに寄せられた百合人の思いに応える小説など、百合を愛する読者たちに楽しんでもらう企画も多く取り入れている。 今後も、百合関連のイベントや団体・百合にゆかりのあるスポットなどへの取材記事を特に強化し、企画、コラム、創作も充実させていく予定だ。
『百合人―ユリスト―』第1号は、イベント等での販売のほか、Amazonでの通販、模索舎、タコシェでの書店販売も行っている。 近いイベントでは5/26(日)の「Girls Love Festival9」に出展予定。
また、8月には百合人発行団体である「百合人企画」の立ち上げ記念トークイベントを都内で開催予定。熱い百合トークや、来場者参加型の百合短歌会など、盛りだくさんの内容で鋭意企画中だ。 熱い思いを持った百合人たちには、ぜひ注目してほしい。