ニューヨークのマンハッタン、ハドソン川近くの34丁目から38丁目までのぶち抜きで巨大なガラス張りの建物が君臨している。これをジャビッツセンターと呼び、各種の見本市等が行われる。
3月3日から5日までの3日間連続で「国際レストラン&フードサービスショー」が開催されていたので行ってみた。入場料は65ドルでパスが発行され、それは3日間有効である。但し、出展ブースおよび食品関連の関係者は事前に登録するとその65ドルが免除される。殆どの入場者は関係者と見られた。
特典は各種の出展ブースの試食が出来、それだけで優に一食分はまかなえてしまうことである。会場入り口に置かれている無料の袋を利用し、数え切れないパンフレットを持ち帰ることもできる。因みにこの無料の袋は、袋業者の社名、電話番号、ホームページアドレスが印刷されていて、食品の見本市で自社を宣伝できるという効果も備えている。
巨大な会場には各種食品会社のブースがいくつも並んで、その種類もチーズ、トマト、シャーベット、パン、クラッカーもあれば、レストランからのブースでは小さなハンバーガーや、スープ、海鮮のマリネ、パスタ、飲み物はエスプレッソやヨーグルトドリンク、アルコールではワインも試飲できる。
会場の一角はジャパン・パビリオンと銘打って、日本のブースが固まっている。、握りずしの試食があれば、ラーメン、そば、またこちらのアルコールでは日本酒や梅酒などもある。
その中で堺市のブースに目が行った。今まで知らなかったのだが堺市で造られる包丁は最高級で、フランスのシェフも愛用しているとのことで、そのデモンストレーションが、一部屋借り切って行われていた。
高級日本食レストランのNOBUのシェフが、堺の包丁を説明しながら鯛やカンパチをさばいていくのである。包丁を握り説明しながら質疑応答を受けつけ、手際よく手も口も動かせている。寿司職人には3つの包丁が必要で、それらは出刃包丁、柳包丁、薄刃包丁だそうだ。欧米のナイフは両面で切れるようになっているが、日本の包丁は片面使用のため、左利きには使いにくいとの説明もあり、確かに和食の料理人で左利きはあまりいないのではないかとも思った。
はるばる堺市からニューヨークにやって来た市の職員の方々が甲斐甲斐しく働いておられた。日本食は世界的にブームであり、こちらニューヨークではかなり浸透しているが、その日本食の人気はこうした職人の包丁の力によるものが大きいと思う。
日本が世界に誇れるものは、切れる包丁の技術であったことを新たにニューヨークで知られた。大阪・堺市の包丁技術は世界に誇れる日本の伝統工芸である。
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