発見!探検!京都の街にある商店街を散策!~酒蔵だらけの酒街・大手筋商店街編~

  by 丸野裕行  Tags :  

どうも京都在住ライターの丸野裕行です。

酒蔵だらけの京都伏見は酒どころ。月桂冠や宝酒造、黄桜など数多くの酒蔵が軒を連ねています。利き酒ができる商店などもあり、非常に魅力的な商店街なんですね。

それが年中人波が絶えない伏見大手筋商店街。伏見でぶらり散歩するときには絶対に見逃せない商店街です。伏見で醸造されたお酒をたくさん取り扱っている酒屋さんや昼から営業している居酒屋、蕎麦屋、昭和ノスタルジーな喫茶店がこの美しいアーケードの中に詰まっています。

毎回この商店街を通るたびに、新しい発見があります。この商店街は、一本奥に入れば酒蔵があるという好立地。まさに酒とともに発展してきた商店街だということです。コロナ前であれば、「伏見の清酒祭り」という催しも恒例になっていたんですよね。商店街のアーケードの端から端まで、大勢の酒蔵がブース出店し、それだけでなく商店街の出店が並ぶ日本酒が好きな方々なら大喜びするお祭りです。

今回は、この魅力的な商店街を散策してみたいと思います。

<写真:伏見大手筋商店街のシンボル・からくり時計「おやかまっさん」>

大手筋商店街の歴史

なぜ、大手筋という名称が名付けられたのかというと、その語源は文禄3年(1594年)の豊臣秀吉の時代までさかのぼっていきます。秀吉は伏見城の建築する際に大手広庭を造り、大手門を築きました。そこを少し曲がった西側に街道を作ったのが、今の大手筋通りになります。伏見城に出入りするための重要な道になっていたわけです。

人口の増加や交通インフラの整備、酒造業の発展など様々な要因が重なって、大手筋を商店街的性格を高める動きが活発になりました。多額の寄付金が集まり、30基ものすずらんの花型を模った街路灯を設置。商店街として発展してきたわけです。

伏見は名水の宝庫!

月桂冠や黄桜、宝酒造、富扇など日本を代表する酒蔵が集結する京都市伏見区。歴史的偉人の坂本竜馬が襲撃された寺田屋もあって、観光客が大勢集まります。観光地でありながら、京都ならではの日常を感じるアーケード型の商店街・大手筋商店街のすぐ近くには、「御香宮神社(ごこうぐうじんじゃ)」があり、伏見ならではの名水がいただけます。

御香宮神社には、「御香水」という日本の名水百選のひとつです。御香宮の名前の由来は、境内からいい香りのする水が湧いたことからだそうです。その御香水は病気にも効くらしく、家康の子息である頼宣や義直、頼房の産湯に使われるほど由緒ある水なんですね。

現在の御香水というのは、枯れていた井戸を昭和末期に復元されたものになります。厳重に濾過され、その味はかなりの軟水でまろやかな味わいです。取水時間、朝7時~19時まで。多くの人々がこのお水を求め、この神社を訪れます。伏見は、長州藩&薩摩藩の新政府軍と旧幕府軍の戦いがありました。御香宮神社は、薩摩藩の本陣。拝殿横には石庭もあって、ぶらり散歩のスポットとして楽しめるようです。

大手筋を一本入ると月桂冠大倉記念館がある

せっかく伏見にやってきたので「月桂冠大倉記念館」へ寄り道を……。商店街の通りを左に少し入ると、辺りは酒蔵のある美しい街並みへと変貌します。そこにあるのが「月桂冠大倉記念館」なんですね。

京都伏見は酒どころ。この記念館は、月桂冠が運営する日本酒の歴史と文化を紹介する施設になります。酒蔵見学や酒造りの工程を学べるというのが魅力。さらに見学の最後には、日本酒の試飲とワンカップのお土産をもらうことができる、至れり尽くせりのサービス。

 
このほか、大手筋商店街の周辺には、江戸時代には旅客や米、酒などの食料を淀川沿いに運んだ、現在では観光船になっている十石舟が航行する伏見港や、竜馬が襲われた寺田屋竜馬通り商店街などがあり、散策しても飽きのこないエリアになっているんですね。

利き酒ができる『吟醸酒房 油長』

さて、京阪沿線の「伏見桃山駅」から商店街を進んでいくと、ちょうど中間地点あたり左手に、利き酒ができる『吟醸酒房 油長』があります。いやはや酒処京都伏見らしいお店ですね。このお店、甘味もあるので、家族連れでも大丈夫。酒が売られている左手、右手には粋なカウンターがしつらえてあり、こちらの止まり木に腰掛けながら様々なお酒を楽しむわけです。

梅クラゲと口直しの豆腐をアテに、利き酒3種をいただきます。甘めの香りがする「神聖」、苦みと甘みが調和した「英薫」、これぞ日本酒という味わいの「黄桜」をチョイスして味わったのですが、どれも非常に旨い。舌に心地いい酒といえる3種でした。最高ですね。

ちょっとほろ酔いになりながら、大手筋商店街の裏手にある、いつも行列ができているサラダとグリル料理が美味しいと評判のい創業50年の洋食屋さん『サラダの店サンチョ伏見店』 へ……。選んだのは≪Aミックスランチ≫。価格も1,050円とリーズナブルながら、ライスにホタテ貝やサーモン、エビフライなどの揚げ物とスープ、サラダが付いています。

<写真:こちらはテリコロランチ>

満腹になったあとは、入ったことがないお店をじっくりと散策。アンティーク調の家具が売られている『生活空館浅野屋』や和菓子の『七條甘春堂』、ほうじ茶の香りがかぐわしい『油長茶舗』、『不二家』、たこ焼きとクレープの『高貝商店』、ベビーカステラの『京都すずなりや本店』などをハシゴ。

いやぁ今回の大手筋商店街もいい散歩になりました。

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『アサヒ芸能』『実話ナックルズ』や『AsageiPlus』『日刊SPA』その他有名週刊誌、Web媒体で執筆。 『丸野裕行の裏ネタJournal』の公式ポータルサイト編集長。 文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンジャポ』、テレビ朝日『EXD44』『ワイドスクランブル』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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