安倍晋三元首相暗殺事件の参議院選挙への影響と「リアル」を捉えぬ「消費税ゼロ、積極財政」政策舌戦を斬る!

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[©️生稲晃子Twitter いくいな晃子(参議院議員・東京選挙区)安倍氏の遺志を引き継ぐ]

激戦区「東京都」候補者、「暗殺事件」受け「民主主義の危機」と「言論封殺」に強く抗議

 投票日を前日に控えた参議院選挙終盤戦、突然の銃撃に倒れた安倍晋三元首相死亡の訃報は政財界に激震を走らせた。外交の安倍と言われた故人には、世界中からその死を悼む声や弔辞が寄せられた。
 だが、私たちは、故人が凶弾に倒れた直後の写真や映像ばかりをあまりに多く目にしてしまった。
 
 マスメディアでは故人である安倍氏と親密な繋がりのあった著名な人物からの声明を国内外から主に報じているが、肝心の参議院選挙、特に激戦区「東京都」の立候補者らへ与えた影響を軽んじてはいないだろうか?
 主流メディアとは少し異なる観点からこの参議院選挙を斜めに見ていきたい。
 
 故人安倍氏は凶弾に倒れる直前まで応援演説を日本各地で行っていた。それ以前にかつての「安倍チルドレン」のような立ち位置を示す候補者、例えば自民党の生稲晃子氏(参議院議員・東京選挙区)は街頭選挙前に安倍氏から応援メッセージを拝受していた。
 
 その後、応援演説中の凶弾に倒れた安倍氏の訃報を受けた生稲氏は自らの「Twitter」で、「安倍元首相のご遺志を引き継いでいく」と決意表明している。
 筆者は与党支持者ではなく、むしろ安保法制と集団的自衛権が閣議決定されるまで反戦記事を書き続けてきた身ではあるが、安倍氏の訃報が世界中で話題を集め、主要親交国以外にも、ロシア侵攻で戦時下にあるウクライナのウォロディミフ・ゼレンスキー大統領やその大元の戦犯であるロシアのウラジミール・プーチン大統領までも弔辞を送り、さらにTICAD(アフリカ開発会議)で交流のあったケニヤのウフル・ケニヤッタ大統領や思いも寄らぬダライ・ラマ法皇14世からも弔辞を拝する有能な政治家であった、「最年少首相であり日本の最長期政権を担ってきた」こともまた事実であることから肩書きに限らず全ての人命の大切さは等しく、看過することなど到底できない。

「沖縄の米軍基地を東京へ引き取る党」代表 なかむら之菊(みどり)候補も故人安倍氏の訃報を聞いて沖縄だけではなく「命の大切さ」についても改めて訴える」

[©️なかむら之菊(みどり)ひとりフェス@首相官邸前にて(2022年7月8日)]

[©️山添 拓 Twitter 暴力で言論を脅かすことを許さない]

 鳩山由紀夫元首相が代表に立つ「共和党」のたむらまな参議院議員候補。子育て政策を打ち出す背景にはたむら氏の生い立ちとNPOでの活動、「子連れ登山選挙運動」など子供たちが当たり前のように選挙のワンシーンにも親と共に在ることができる政治改革を掲げている。

[©️たむらまな Twitter 共和党 参院選東京選挙区 生い立ち]

 選挙公示日、すぐに渋谷から国会議事堂まで2時間歩くという「東京大行進」を行った乙武ひろただ参議院議員候補。アメリカの「公民権運動」の象徴とされている「大行進」を真似びて行動に移したという。安倍氏が凶弾に倒れたという訃報を聞き、暴力の糾弾という決意を示した。

[©️乙武ひろただTwitter 参議院議員 無所属候補 安倍氏暗殺の凶弾を糾弾]

[©️えびさわ由紀 Twitter 参議院議員選挙候補 日本維新の会「三大改革」]

 
 予てから安倍政権(当時)と敵対していた「自由法曹団」でさえ「安倍元首相は、首相在任中、特定秘密保護法、安保法制、共謀罪の成立等など、国民の人権を抑圧し、憲法を蹂躙する政策を強行してきた。とりわけ安保法制については(中略)集団的自衛権の行使について内閣法制局長官の首をすげ替える等までして、その行使を容認する閣議決定を出すなど、立憲主義そのものを破壊する暴挙を繰り返した。(中略)憲法9条を含む改憲への強い意欲を示し(中略)また「モリ・カケ」問題等に代表される政治の私物化も到底看過できないものだった」と故人安倍氏とは政治的立場を「異」にすることを明示しながらも、「どんなに立場や考えが異なろうと、言論に対しては言論で対抗するのが当然で、それが民主主義を成り立たせる最低の条件である。今回の銃撃事件は、民主主義そのものの否定であり、このような暴挙を絶対に許してはならない。(中略)社会のあらゆる層から抗議の声を上げることがまず重要である」との緊急声明を発表した。

[出典:「自由法曹団」団長・吉田健一「安倍元首相の銃撃に抗議し、暴力を許さない社会を求める緊急声明」(2022年7月8日)]

「国民が政府の借金を背負わされているは嘘」と有権者を騙す候補に要注意!

 
 新党くにもり共同代表・あんどう裕参議院候補が街頭演説を行った7月上旬。自民党の衆議院議員として3期9年の任期と「選挙で負けなし」という強気発言も聞こえた。
「政府の経済政策の失敗のツケ回しが全部若い世代にいっている。ぜひ若い人に知っていただきたいのは、国の借金問題はないということです。国債が1000兆円あって、国民ひとりあたり800万円の借金を背負わされているというのは嘘です。そんな借金を皆さんは背負っていませんから安心してください。『政府の赤字はみんなの黒字』です。
 それよりも、政府が国債を発行して減税をする。消費税も0にしていい。社会保険料の負担も4分の1にできる。奨学金だって、政府が全部肩代わりをして皆さん方が返済する必要がない環境も作れる。日本政府はそれだけの力を持っているんだと信じてもらいたいですね」
[出典:「選挙ドットコム」(2022年7月8日)「すべての候補者は『有権者の貴重な選択肢』東京選挙区の候補者34人全員の生の声」(畠山理仁)]

 「(政府の赤字を)国民ひとりあたり800万円の借金を背負わされているというのは嘘です」と口火を切ったあんどう氏。

 「嘘つきは一体どっちの方なのか?」と筆者は問いただしたい。

 不況の時に行う経済政策は、大きく分けて「金融政策」と「財政政策」がある。
そのうち、「金融政策」とは、通貨供給量を調節することで物価や雇用、通貨レートを適切に保ち、安定させようとすること。国の中央銀行である「日銀」が行う仕事だ。
たとえば、世の中に出回っている通貨供給量を増やすと、お金が借りやすくなり、金利が下がる。すると企業は借金をして設備投資がしやすくなるので、景気が刺激される。これが量的緩和政策(QE)だ。
日銀は通貨供給量を調節するために①民間の金融機関に貸し出すお金の量や金利(公定歩合)を調節したり②手形や証券、国債などを公開市場で売買したり(公開市場操作)③銀行が預金の引き出しなどに備えて準備しているお金の比率(支払準備率)を調整するよう指示したりする。ただし、量的緩和政策では「流動性の罠」が足枷にもなり得る。諸刃の剣だという訳だ。

[MEMO:「流動性の罠」とは]

社会に商品や資産の換金性に対する不安が広がり、人々ができるだけ「貨幣で持っていたい」という欲求が高まった時に生じる利子率の状態。いくら通貨供給量を増やしても、そのほとんどが保有されて債権などが買われないため、利子率が変動しなくなってしまう。

[出典:「まんがと図解でわかる 経済学のキホン」松原隆一郎 監修「宝島社」]

日銀はもはや「中央銀行」の体を成していない「新銀行」を創ったドイツに学べ

 「2013年4月の異次元量的緩和政策(QE)の金融政策を行った時点で、既に日銀と日本政府は財政破綻していたのではないか?」という金融の専門家による一説がある。日銀が政府にお金を貸してしまうという「禁じ手」を使ったが故に悪性インフレが起こり、財政破綻を先送りした結果、債務超過が200%を超えてしまった。1946年(昭和21年)のハイパーインフレによる政府の「預金封鎖」という名の新券発行の時代よりも数字が悪化して現在では国債の利回りが50%を超している。まさに「ザ・財政ファイナンス」の悪路線をいっている。死者に鞭打つわけではないが、アベノミクスはどこまで行っても道半ばでしかなかった。菅義偉政権に移行し、その後の自民党の党是としても今回の物価上昇率2%は悪いインフレで達成しつつあるが、アベノミクスの成果は円安と株高だけだった。金利を上げるか、上げないかの議論だけを続けてその解決策を図ろうとしても、金利が上がれば平均株価が大暴落する恐れが十二分にある。円安が円弱になっているような危機的状況では株高の方も終わる。これでは日銀は身動きできない。

 問題は金利を上げる時に日銀と政府が共同声明を出している。日銀が2%のインフレを目指す。政府は①持続可能な再生構造を創る②成長戦略のような潜在成長率を上げる。政府と日銀が二人三脚でやってきた金融政策を揃いも揃って失敗してしまったと自ずから証明してしまうようなものだ。
これまで世界が気づいていて日本だけが基調路線を変えないと、金利を上げなければならず、ばら撒きをして、回収もできない。それなのに政府も日銀もそれを是正する様子が一向に見られない。日銀が債務超過と判断されたら、刷札しさえすれば債務不履行にはならないだろう。
 もはや日銀は中央銀行としての体を成していない。新しい中央銀行の役割を担える銀行を創るべきだ。既に欧州ではドイツの旧中央銀行だった「ライヒスバンク」に代わり、「ブンデスバンク」を新たに創った、という金融史の既成事実がある。
[出典:「日銀“異次元”死守のツケ 海外ファンドとの攻防」ゲスト:早川英男・加谷桂一・藤巻健史氏【7月4日(月)報道1930】]

 そこまで専門家が手厳しく見ている金融政策を、本当にこの、「あんどう裕」という「税理士畑」を歩み経済に秀でているはずの立候補者が今の「日本経済」のどん詰まりを正しく見ている目があるのか否か?筆者には、選挙戦を勝ち抜くための美辞麗句として「政府の嘘」を利用しているだけで、有権者を騙しているのではないか?と思わずにはいられない。

気鋭の国際ジャーナリストが警鐘を鳴らす戦後と現代の「預金封鎖」

 
 2019年4月9日、記者会見で麻生太郎財務大臣が次のような発表をした。
「2024年度に、千円、五千円、一万円の三種類のお札が新デザインに切り替わる」との趣旨だったという。

 気鋭の国際ジャーナリスト・堤未果氏が現代と戦後を繋ぐ「日本経済」政策にメスを入れた。

 終戦直後の1946年(昭和21年)。日本で行われた「預金封鎖」だ。
 当時日本は、第二次世界大戦の資金調達のため国債を大量に発行し、国の財政が悪化していた。敗戦後に残った莫大な借金を帳消しにし、インフレを抑えながら国を復興させるために、政府が実施したのがこの政策だった。

[©️マネー研究所「預金封鎖・新円切替・財産税」]
 政府は預金者が銀行に殺到するのを防ぐため、まずは予告なしに突然次のような文言を発表した。

 「預金封鎖を行います」

 勘の鋭い国民は急ぎ銀行に走って、預金をできる限り引き出した。だが、ここで政府はさらなる発表をする。
 「お札は新しいデザインに切り替わります」と。
 新札に切り替わるということは、それ以降は古いお札が無効になるということだ。預金が封鎖前に急いで銀行から降ろした現金も、自宅に隠し持っている現金も、銀行に持って行って新しいお札に交換しなければ、ただの紙クズと化してしまう。
 その翌日、政府は預金封鎖を開始した。国民が銀行に持ってきた旧貨幣を数えると、一人一人の資産が明らかになる。これを記録し、データが揃ったところで、いよいよ本命の政策を実行する。10万円を超える預金に、財産税をかけたのである。財産税は、資産総額が大きいほど税率も高くなる。例えば1500万円を超える資産を持っている人にかけられた財産税は90%、ほぼ全て持っていかれてしまう。多額の資産を持つ富裕層は、まさに一網打尽だった。財閥は解体され、資産家は国の容赦ない手によって転落していく。政府が先に手を回していた。1ヶ月の引き出し上限額が300円に設定されていたのだ。現金の他にも土地や貴金属など全ての財産に財産税がかけられ、逃走は不可能な状態だった。
 政府は預金封鎖の理由について「戦争で背負った国の借金は、全国民で平等に背負いましょう」「これも全て日本経済の復興のためなのです」などと美しい精神論で飾り立てたが、のちになってこの政策の真の目的が財産税徴収だったことが明らかになっている。
 デジタルマネーが社会の隅々まで拡がって、市中に出回るバラマキの量が把握しきれなくなった時、「財産税徴収」を政府と日銀が狙ってくる。そして今、この経済危機的状況の足元を見て、海外ヘッジファンドが間隙を憑いてくると警鐘を鳴らしている。

 書店で今、平積みになっているのは「暗号資産(ビットコイン)」や「量子コンピューター(カンタムコンピューター)」ではない。「メタバース(仮想空間)」や「Z世代」、ウクライナ戦争絡みの「地政学」の書籍だ。

 PayPayなど実態があるわけではなく、スマホという仮想空間に貯まっていくお金が増加していく一方で、デジタル時代の「財産税課税」は、「キャッシュレス決済」に対応していくことに慣れきる前に粛々と生活の中に浸透してくる。そんな一歩先ゆく未来を見据え、海外諸国がこぞって「プライバシー権」に警戒を示し、対策を練る現状に逆行して、金融のみならず「デジタル化」のハイリスクをおそらく知りながらも、日本政府は「デジタル改革」の本丸である「内閣官房情報通信技術総合戦略室」と「内閣サイバーセキュリティセンター」が国会審議に向けて質問通告や政策に関する国会議員との「ZOOM」利用解禁を各省庁に通知したのである。予防線として「第三者に盗聴される可能性があるので情報管理には気を付けるように」との注意書きだけがお飾り程度に添えられていた。

[出典:「デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える」堤未果 著「NHK出版新書」]

実態は内閣府より上位の最高権力機関と化した「デジタル庁」

「ターニングポイントとなったのは、法令約4万件の一括見直しだ」というのは、岸田文雄政権が掲げる重点施策のキーマンである「デジタル副大臣兼内閣府副大臣」の小林史明氏だ。
「コロナ禍を契機に押印を廃止すべく、全省庁の法律を横断的に見直し、48本の法律を一括改正できたことが成功体験となった」とした上で、小林氏は「このプロセスは非常に価値があるものだった。ビジネス用コミュニケーションツールの『Slack』を使って、労務や総務、人事の現場を知る民間の方々に具体的に押印や対面が必要とされているものをリスト化していただいた。民間と政治が一体化となりルールを変えればビジネスチャンスは広がる。押印廃止の法改正によって、電子契約のマーケットが3倍に成長した。」

「構造改革のためのデジタル原則」
①デジタル完結・自動化…書面、目視、常駐、実地参加などを義務付ける行政手続き・業務をデジタル処理で完結、機械で自動化させる。

②アジャイルガバナンス…一律・硬直的な事前規制ではなく、民間の創意工夫を尊重。データを活用して、柔軟でスピーディーかつ継続的に政策を改善する。

③官民連携…公共サービスの提供にあたって、民間企業が開発したウェブサービスを活用するなど、ユーザー目線で官民連携を行う。

④相互運用性確保…官民で適切にデータを共有し、国や地方自治体で、システム間の相互運用性を確保する。

⑤共通基盤利用…IDやベースレジストリ(法人、土地などの社会基本データ)は、官民で広くデジタル共通基盤を利用する。

 「デジタル法制局の整備」に着手するため、「法律自体を民主化したい」とのメッセージを発信している小林大臣は「法律のUI(ユーザー・インターフェイス)を更新し、もっと国民にとって身近で分かりやすいものにする」として「誰もがどこからでも無料で簡単にアクセスできる状態にすること。併せてマシンリーダブルな形式でも公開する。そうすればリーガルテックのような民間事業者が利用者のニーズに合わせてサービス化してくれるので、事業者の動きを後押ししていくことになる。その一歩先の取り組みとして、この国の法律をコードのように書き換えられるようにしたいと思っている。デジタルツインの世界で、どの法律のどの部分を変えると実社会にどんな影響が出るのかシュミレーションできるようになり、法改正の必要性や意義などを国民の皆さんにも示すことができるようになる」とその意気込みを語っている。
[出典:「Forbes Japan」(2022年8月号)INTERVIEW「デジタル副大臣兼内閣府副大臣・小林史明」]

 「だが、私たちがこれまで嫌というほど見せられてきた、税金を私物化する「官民癒着の構造」こそが変わらなければ、デジタル庁は今世紀最大級の巨大権力と利権の館になるであろう」と堤氏は危機感の欠如に声を上げる。

[©️「Hatena Blog:GAFA/BATH」ロゴ画像]

 GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon.com)は普通のIT企業ではない。2018年に成立した「クラウド法」によって、アメリカ政府は米国内に本拠地を持つ企業に対し、国外に保存されているデータであっても令状なしで開示要求可能になっている。前述の中国の「国家情報法」第10条に、デジタル化を通じて日本人の個人情報という資産を売り渡す「日米デジタル貿易協定」。さらに米政府が要求すれば企業の持つデータがいつでも開示される「クラウド法」。デジタル化に向かう日本は、米中政府とGAFA、BATH[百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)、華為(ファーウェイ)]に包囲されている。

[出典:「デジタルファシズム 日本の資産と主権が消える」堤未果 著「NHK出版新書」]

「消費税ゼロ、積極財政」と美辞麗句ばかりの「政策舌戦」を疑え!

 海外諸国は額に汗して「機密」を保護しようとこれらの「スパイツール」に近しい新たな情報収集網を警戒して使用を禁ずるが、上述のように日本政府はスパイツールの使用解禁にするなど逆行している。金融面でも、ハイパーインフレ策を続けることは国家にとって得策ではないと欧米は既に気付いているのに日銀は基調路線を変えずに突っ走っている。
 
 そんな中、参議院選挙最終日を闘ういち、立候補者の「新党くにもり」あんどう裕(ひろし)氏は、これだけのエビデンスを周知されても「消費税ゼロ、積極財政」という政策方針をそれでもまだ、なお示すのか?
 

この国の行く末を託す「Z世代」は80%が「選挙に行きたい!」

 
[出典:「SHIBUYA109 lab.」「Z世代の政治に関する意識調査」]

 主権者ではないZ世代が「もし、選挙権があれば投票に行きたいか?」という「SHIBUYA109 lab.」「Z世代の政治に関する意識調査」で約「80%」が「選挙に行きたい」という結果が出たことを公表している。
この結果をコロナ禍の政府対応によりZ世代の政治の関心も高まる。と主催団体は分析している。
 ところが、新聞の主権者世論調査では18歳〜20代前半のいわゆる「若者世代」が「選挙に関心はあるか?」と同様の調査をしたところ、約「1〜2割」しか投票権に関心を持っていないと報じられた。
確実に次世代の元々持っている潜在意識や能力が進化しつつある「ニューノーマル時代」の新人類を嫌でも認めざるを得ない。新聞やTVのようなマスメディアの世論調査リソースが偏っているのではないか?と訝しみたくなる。

 だが、主権者運動の中心は着実に「Z世代」なる次世代へと移っていくことはこれで明らかとなった。
 いち時代を背負って日本を率いてきた政治家・安倍晋三という元首相の時代は突然の終幕を引いた。しかし、この暗殺事件は誰しもが忘れず、その功績や悪政どちらも是々非々で受け止められていくことだろう。
 その日本をこれから引っ張っていくのは次世代であり、選挙権を現時点では持たない時から自らが主権者運動に身を投じていく若手リーダー像を引っ張っていく青写真も絵そらごとではない。
 「若者=選挙に無関心」という決めつけたステレオタイプで「Z世代」を甘く見るのではなく、ポスト安倍ロス時代を率いる「求心力」を育んでいくべきではないだろうか。

tomokihidachi

2003年、日芸文芸学科卒業。マガジンハウス「ダ・カーポ」編集部フリー契約ライター。編プロで書籍の編集職にも関わり、Devex.Japan、「国際開発ジャーナル」で記事を発表。本に関するWEBニュースサイト「ビーカイブ」から本格的にジャーナリズムの実績を積む。この他、TBS報道局CGルーム提携企業や(株)共同テレビジョン映像取材部に勤務した。個人で新潟中越大震災取材や3.11の2週間後にボランティアとして福島に現地入り。現在は市民ライターとして執筆しながら16年目の闘病中。(株)「ログミー」編集部やクラウドソーシング系のフリー単発案件、NPO地域精神保健機構COMHBOで「コンボライター」の実績もある。(財)日本国際問題研究所「軍縮・科学技術センター」令和元年「軍縮・不拡散」合宿講座認定証取得。目下プログラミングの研修を控え体調調整しながら多くの案件にアプライ中。時代を鋭く抉る社会派作家志望!無数の不採用通知に負けず職業を選ばず様々な仕事をこなしながら書き続け、35年かけプロの作家になったノリーンエアズを敬愛。

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