日を追うごとに寒くなっていくこの季節。夜は恋人(あるいは妻)と抱き合い、寄り添いながら眠ってしまいたいですよね。
しかし恋人の首が伸びてしまい、不気味がって離れて眠ってしまう――そんな経験が男性には一度はあると思います。
夜の営みを語る上でいつも話題になるこの女性特有の怪異、「妖怪ろくろ首」の発現ですが、ただ怖がるだけではなく、しっかりと対処法と仕組みを理解しておけば、恋人への愛情もより一層深まること間違いなしです。
首が伸びる時刻は?
もし恋人が「ろくろ首」になるのを見たことがあるのでしたら、その時刻をよく思い出してみて下さい。
深夜二時以降ではありませんでしたか?
ほとんどのケースで、丑の刻(大体深夜二時頃)に鬼門が開くのと合わせ、恋人の首が伸びる現象が起きている筈です。
しかし、その時刻に恋人といたからという理由だけで「ろくろ首現象」は起きません。
「ろくろ首」が現れる様々な要素
時刻だけではなく、ベッドの向いている方角も関係しています。
これもほとんどのケースで、ベッドの頭が北東を向いてしまっている場合に起きています。
北東は、方位で言うところの「丑寅」。そう、これも時刻同様「鬼門」の方角に当たります。
また、首が長くなり始めるタイミングで多いのが、睡眠に入るか入らないかのうつらうつらしている状態の時です。
鬼門の方角は、陰陽道で言うところの丁度「陰」と「陽」の境目であり、とても不安定な方角とされています。
不安定な方角を向き、悪鬼羅刹魑魅魍魎が沸く時刻に、夢と現の境目にいる。
これらの条件が揃うと、かなりの確率であなたの恋人は「ろくろ首」となってしまうでしょう。
恋人が「ろくろ首」になってしまった時の対処法
首の伸びた恋人を見て、男性はどうしても「暑苦しい」や「不気味だ」などと思ってしまいがち。
しかし「ろくろ首」になる条件の最も重要な要素が、心がとても安らかであることなのです。
つまり「ろくろ首」になってしまった恋人は、あなたを信頼し、全てを委ね、最高に安らいでいる状態なのです。
それを知っていれば「ろくろ首」への接し方も変わってきませんか?
不満があってもグッと堪え、眠りに入っていく恋人の長く伸びた首を優しく撫でてあげて下さい。
「おやすみ、愛してる」などと一言添えるのもいいかも知れません。
彼女の伸びた首は、あなたへの信頼と愛情の証でもあるのです。
アフターケア
翌朝、まさか首が伸びていたことを恋人に告げてしまったりしていませんよね?
自分の首が伸びていた、などと言われて喜ぶ女性はいません。
恋人が自分を信頼してくれている事を素直に喜び、首が伸びていた事はあなたの胸の内にしまっておきましょう。
ただ、稀に朝になっても首が長いままの女性もいるようです。その際だけは恋人が傷つかないよう、優しく教えてあげましょう。
そうすればすぐに恋人の首は元の長さに戻っていく筈です。
それでも治らなかった場合は……知りません。
ここまで読んだあなたは、もう恋人が「ろくろ首」になってしまっても大丈夫! そればかりかもっとあなたの恋人を愛せるようになっている筈です。
知らない事は怖いけれど、知ってしまえばなんてことはないのです。
今夜もまた、仕事で疲れたあなたを癒すべく、恋人(妻)が首を長くして待ってくれていますよ。
※画像=鳥山石燕『画図百鬼夜行』より