こうやって「京大医学部」に4名合格させました
=京大英語で8割を超えるための一考察=
プロとは、特定の技術を提供して金銭を得ている人だと定義する。
すると、英語のプロとは様々な職業がある。翻訳、通訳。英語の先生。翻訳家や通訳になるには学歴や資格は必要ない。やらせてみれば誰でもプロの水準になるかないか分かるからだ。
英語の先生はそうはいかない。英語力や指導力というのは中学生や高校生、保護者には分かりにくい。そこで、学校の教師は教員免許で質を担保しようとする。予備校や塾は学歴を重視する。英会話学校の募集要項には「英検2級以上」と書いてある。
ここで、私たちは気づく。日本には大別して3種類の「英語」が存在する。翻訳家や通訳の職務はネイティブと日本人の橋渡しだから、ネイティブの英語が完璧に分かる必要がある。「ネイティブ英語」と呼んでおく。
学校の教師の職務は生徒を大学に合格させることだ。難関大をめざす生徒は、教師の学歴を気にする。東大や京大をめざす生徒を指導できる教師は少ないので、教育委員会は学歴の高い教師を進学校に配置する。「受験英語」と呼んでおく。
ECCなどの英会話学校は、受験英語のような参考書や問題集を使わない。スキットと呼ばれる場面ごとの英会話を暗記させることが多い。海外に赴任予定のビジネスマンはTOEIC、就活中の学生は英検などの資格をめざす。「資格英語」と呼んでおく。
私は京大医学部をめざす生徒専門の塾講師なので、この「ネイティブ英語」「受験英語」「資格英語」のどれが京都大学の二次試験で最も高得点が取れるのか実証実験をしてみた。
1、問題意識(1)
京都大学の入試問題は「英文和訳」と「英作文」のみのため、その採点基準がブラックボックスとなっている。「どのような基準で採点されているのか」正確に答えられる教師、講師はいない。私は名古屋大学の教育学部を卒業し、アメリカの公立中学で教師をし、30年以上予備校・塾・専門学校で受験指導を行ってきた。
受験英語は現役で名古屋大学教育学部に合格し、受験指導を30年間行ってきたので、よしとした。
資格試験は英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検A級、ビジネス英検A級を合格した時点で、よしとした。
ネイティブ英語は、アメリカの中学で1年間教師をし、帰国後ネイティブと20年間交際してきたことで、よしとした。
2、研究方法
京都大学を実際に7回受験してみて、成績開示をする。その際、最初の2回は「受験英語」、次の2回は「資格英語」、最後の3回は「ネイティブ英語」を意識した書き方をしてみる。
その結果の平均値を比較することにより、どのタイプの英語が高く評価されるのかを考察する。年度による難易度の差、学部により採点者が異なると思われるので、そこも考慮して考察してみる。
3、調査の実施
平成18年、20年(文学部) 正解率の平均 66%(受験英語)
平成21年、22年(教育学部) 正解率の平均 76%(資格英語)
平成24年、25年(総合人間) 正解率の平均 79%(ネイティブ英語)
最高が81%であったので、Youtube 、 ブログ、ホームページ上において
「私以上の人がいたらお知らせください」
と挑発したところ、2件の報告があった。82%であった。また、京大が公表している最高点は総合点だけであるが、8割程度なのでこの8割は英語単独の最高点と考えてよいと思われた。
4、結果の分析と考察
この結果によると、サンプルが7個では有意差の検定が出来ない。しても、意味がない。また、
1、私が受験慣れした。
2、受験、資格、ネイティブの訳し分けが曖昧。
3、年度、学部による難易度、採点の厳しさの違い。
などの変動要因が考えられて、単純に「ネイティブ英語が最も評価される」と結論づけられないかもしれない。
しかし、この調査結果と京大教授の置かれた状況ーつまり、英語で論文を発表して評価されなければならない状況ーを考慮に入れるとどうなるだろう。三重県の人口5万人程度の小さな塾の塾長である私が指導したら京大医学部、阪大医学部、名大医学部などに合格者が出た事実も考慮に入れたらどうだろう。私はネイティブ英語に変えて書くべきだと指導している。
5、結論
三重県北部の小さな個人塾から10年連続で京大合格者が出たのは偶然ではない。医学部医学科に4名の合格者が出たのは、ネイティブ英語の書き方を指導したからに間違いなさそうである。