写真の男性がアメリカのテレビ、新聞のメディアで称賛された。一体何をしたのだろう?
答えは12月1日付けのNew York Daily Newsの写真を以下ご参照願いたい。
http://www.nydailynews.com/new-york/generosity-immortalized-photo-article-1.1210565
写真のヒーローはニューヨーク警察のLarry DePrimoさんだ。この若き警官はタイムススクエアーをパトロール中に裸足のホームレスをみかけ、そのホームレスのためにブーツを買い、店を変え靴下を買い、それらをポケットマネーでプレゼントしたのだ。
この写真を撮られたことをこの警官は知らなかった。
アリゾナからの観光客の女性がタイムススクエアーで裸足のホームレスをみつけ、気の毒に思いお金をあげようと思ったところ、そこにオフィサーLarry DePrimoの姿が目に入り「まるでクリスマスのようにそこだけライトアップされたようだった」と思わずカメラにおさめたそうだ。
そしてfacebookに写真を載せたところ瞬く間にその写真は全米に広がったのだ。
この写真を撮った女性の父親も警察官であった。アリゾナ警察に32年間勤めた元警察官の娘は、警察官に対して敬意を抱いている。そういうめぐり合わせもあったのだろう、人生はまさにタイミングが重要で、その重要なタイミングに元警察官の娘は鉢合わせたのだと思う。
オフィサーLarry DePrimoは写真を撮られたことは知らなかった。だからこそ本物なのだ。
改めてこの若き警察官の顔を見ると心優しい顔をしている。
オフィサーLarry DePrimoはニューヨーク警察のトップから、ニューヨーク警察のカフスボタンを与えられた。これはニューヨーク警察からの褒美である。小さな善意がアメリカを温かくし、その劇的な瞬間がカメラにおさめられたタイミングも素晴らしかった。
しかし、改めて思うに世の中が冷たくなってしまっているので、裸足のホームレスにブーツをプレゼントするだけでこれだけアメリカのメディアに取り上げられるのだろう。困っている人を助けるのは当たり前の時代もあったはずなのだ。
ニューヨークはアメリカの中で冷たい場所に思われている。それだけ他人にかまっていられないギスギスした街であるのは事実である。都会になればなるほど『我かんせず』の姿勢は強くなる。確かに集合体の住宅で近所に住んでいる人たちの顔も知らないこともある。人と接することを避ける傾向にあるのは確かだろう。
例えば人の姿を見てもエレベーターの扉を閉められることがある。狭い空間のエレベーターで他人と空間を共有したくない人もいる。エレベーターの扉が閉められかかっていても、人の姿をみると”開”のボタンを押してくれるのは当たり前のように思えるが、その当たり前がニューヨークでは絶対ではない。
一人のニューヨーク警察の警察官が裸足のホームレスに$75のブーツをプレゼントしたことは、この世知辛い世の中で瞬く間に善意のニュースとして全米に伝わった。それはとても素晴らしいことであるのだが、それだけいかにホームレスや恵まれていない人に優しくすることが稀であるかを同時に証明しているようにも感じた。
画像 : from flicker YAHOO!
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