どうも特殊犯罪アナリストの丸野裕行です。
現在コスメの業界で流行しているのが《カンナビジオール(CBD)》。アスリートやセレブ、アイドル、モデルなどが愛用し、人気が爆発しました。既存の正しい手続きをしっかりと経ているCBD商品に関しては問題はないのですが、そこに便乗した業者が違法な麻薬成分を含んだ商品を売り出しました。
今回は、2021年にCBD特需で大きく儲けを出した優良CBDベンチャー企業、S氏にお話をお聞きしました。なお氏の身の安全を考慮し、今回はイニシャルでのインタビューになります。
CBDとは一体何なのか?
丸野(以下、丸)「様々な作用が高いといわれるCBDですが、一体どのようなものなのでしょうか?」
S氏「そうですね、カンナビノイド・CBDは大麻由来のものです。摂取すると人の中にある内因性カンナビノイドの免疫調整が働き、抗酸化や抗炎症に作用します。海外ではてんかんなどの治療薬に使われているのに対し、日本では医療目的の大麻使用が禁じられています。しかし、日本でもその効果に大麻成分への理解はさらに進んでいますね」
丸「ほほう、なるほど。でも大麻って大丈夫なんですか?」
S氏「副作用もないのでクリームやオイルを肌に塗布するとくすみやシワ、シミなどが改善されるというものになります。また、食品やエナジードリンクにもなっているので飲むことにより、リラックスできるたりするほか、吸引用のリキッドなども売られていますね」
丸「エナジードリンクにまで!」
S氏「大麻ってすごく印象が悪いんですが、海外では医療用に利用されてもいますよ」
丸「様々な効果が認められているわけですか。市場規模としてはどの程度になりますか?」
S氏「100億円~200億円ほどの市場規模になりますね。さらに様々な企業が参入すれば、5,000億円~6,000円億円はくだらないんじゃないでしょうか」
便乗して違法商品を売り出す業者も
丸「優良な企業、製品とは違う違法商品を売り出す業者が増えているようですね」
S氏「よくと謳って販売されている商品がありますが、オイル・クリーム・化粧品…違法なCBD商品も《モデル御用達》などの謳い文句で、一昨年以降、急速に日本でも広まったものですが、なかなかしっかりとした成分のものというのは少ないらしいんですね。違法麻薬成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含有されていたという例もあります」
丸「そうなんですか」
S氏「違法な商品を扱っている業者が出現しはじめたという厚生労働省の頭の痛い問題もあります。成分の分析で強い向精神作用があるTHCが検出されて、大麻取締法上に抵触する代物も多いです。商品名は出せませんが、いまだメルカリや楽天などの通販で販売されていますね。食品しては含有してはいけない溶媒《ペンタン》使用のCBD飲料やCBDオイルも取り扱われているのが実情ですね。でも、優良な企業は多いですよ」
丸「怖いですね」
S氏「あくまでもそういった業者もいるというだけですから、そこまで怯える必要はありません」
違法な種や茎以外のCBDが蔓延している
丸「聞いた話では、THCはハイになる違法成分に該当するらしいですね」
S氏「そうです。向精神成分ですから……。このTHCが含まれると違法になるわけです。種や茎から抽出した成分というのは、花や葉と比べると成分をたいして抽出することができません。日本国内で販売が禁止されている製品は、海外のもので非常に安いんですよね。そのうえ、成分が強い。アイソレート製法ではなく、フルスペクトラム製法はTHCが含有していることが多いわけです。製品の回収すら行っていないので、これを扱う業者を取り締まる術が今の厚生労働省にはないんです」
新しいカンナビノイドが蔓延中
丸「なにか新たなカンナビノイドも出現したそうですね?」
S氏「そうです、それがHHC(ヘキサヒドロカンナビノール)。THCの効能に似ているためにそれを電子タバコにして販売しています。新しいドラッグと犯罪はなんの法整備も進んでいないので、のさばる結果につながっているんですね」
丸「そういった違法業者には気をつけないといけませんね」
S氏「しかし、医療用大麻が解禁されるという動きがあります。これが解禁されれば、もう種や茎で成分を抽出すること自体に、異論を唱えなければいけません。ちなみに日本国内の大麻に関する法規制を変更すべく、『CBD議連(カンナビジオール活用を考える議員連盟』を有識者で発足したそうです。
てんかん発作や慢性的な痛みの緩和などに大麻を必要とする患者たちのために法規制の枠組みを見直すようです」
丸「大麻に関して様々な取り組みがあるんですね」
S氏「実は、大麻規制を緩和することになると《カンナビオール》に税金をかけるという計画もあるようです」
丸「なんでも税の対策につなげるんですね」
様々な有効性が認められる大麻ですが、しっかりと業者を見極めて、グレーな業者には引っ掛からないように気をつけましょう。
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※本記事は取材当時の内容に基づいたものです。意見のひとつであり、その信憑性を保証するものではありません。