イーロン・マスクが 2025年版フォーブス「世界長者番付1位」でも翳る不安要素

  by あおぞら  Tags :  

 イギリスのロンドンに本社を置く通信社『ロイター』4月8日付記事では、

トランプ米政権で「政府効率化省(DOGE)」を率いる実業家イーロン・マスク氏が先週末、トランプ大統領に新たな関税措置を撤回するよう進言したが聞き入れられなかったと、米紙ワシントン・ポストが7日、関係者2人の話として報じた

 …とある。まぁ、難しいことはさておき、トランプ大統領が快挙の大統領に返り咲きした立役者は、イーロン・マスクでもありトランプ陣営に約112億円献金と言う途方もない献金をした。大統領選たけなわの二人は男同士でも相思相愛のラブラブな蜜月状態だった。

 ああ、ああ…である。結局、政治の世界、それと大きな関わりのあるビジネスの世界は、敵対関係にすぐ切り替わる

 マスクは政治手腕があるのかどうかわからないが、政府効率化省(DOGE)を担い、連邦政府職員の削減、政府の歳出削減を急速に進めてきた。その強引なやり方には、政府内からも批判が出て、トランプも看過できなくなった。しかし、しかし、結局、トランプに約112億円献金したマスクにご褒美として政治に関わらせたような気もするのだが…

 それにしてもマスク氏、いきなり連邦政府職員の解雇とは職員たちの生活は一変する。今まで公務員として生活の基盤があったわけで、家族の暮らしが成り立っていたのに、トランプ政権になり政府効率化省(DOGE)をマスクが担うと即、バッタバッタのクビキリ人事、これは酷い。考えてみれば自分のビジネスの冷血な人員削減をトランプ政権下に用いたわけだ。

 トランプとマスクは奇しくも同じペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業しており、こちらは世界最高峰のビジネススクールの位置づけだ。トランプも優秀であることがわかる。そんな二人の結び付きも強かったと思われたが、共に個性の強い二人はその絆が緩んでいくように見える。

 これは、男の嫉妬もあるのではないかと邪推する。先ごろ発表されたフォーブス「世界長者番付」2025年版発表、イーロン・マスクが世界1位の資産51兆円。競争心の強いトランプからしてみればいい気はしないのではないだろうか。自分のお蔭で更に業績や資産が上がると思っているかもしれないし、マスクにしても自分に不利な高関税を導入されたら困るので、大統領顧問と罵り合っているのは穏やかではない。ただ、今の状態がトランプ VS マスクの本来の姿かもしれない。

 トランプ政権に変りアメリカは確実に活性化している。活性化!?、どうだろ?、動きが出ていると言った方がより正しい気がする。全てが上手くまわればいいのだが、前政権と比べより厳しい状況になっていると感じる。問答無用で容赦ないのだ。無能と言われたバイデン前大統領でもよかったのではないかと思える程、今のアメリカは迷走しているし、強い者、権力者の言うことを聞け!という強硬手段のように見える。

 ニューヨークの物価は本当に高い。コロナ前は12個入りの卵パックは安い店では99セントで買えたが、今はその6倍である。一般的なスーパーでは10ドルを超える。

 トランプもマスクも裕福な家庭出身なので、庶民側に立てないのだと思うし、恵まれた出身で尚且つ商才や能力、それに攻撃力の強い者は更に成功する。

 マスクには14人の子供がいる。そのうちの一人はトランプ大統領の執務室に連れていき、幼い息子は物おじせず執務室でしたい放題風。これはイケない、感心しない。この態度からして、トランプといずれ亀裂生じると見ていたが、高関税であれ連邦政府職員削減であれ、それらがなくてもお互い反発し合うようになると思った。

 政治もビジネスも手腕や能力はあるけど、結局、人の好き嫌いに左右されると思う。トランプがボスである以上、マスクに追い風吹かないいような気がする。

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