北京オリンピックが始まった。ニューヨークの朝8時、ケーブルテレビの日本語ニュースが終わり、いつものようにNBCニュースを見ようとチャンネルを合わせると、しっかり冬季オリンピックの開会式が衛星生中継されている。
『ああ、恐るべき金の力!』と心の中で思うのは、このアメリカの三大ネットワークのひとつのNBCがオリンピックの放映権を持っているので、世界中のどこでオリンピックが開催され、開会式が行われようとNBCの親会社、NBCユニバーサルの本社のあるニューヨークが基準になってしまうのだ。
オリンピック放映権を独占するNBCには、莫大な広告料が入ってくる。結局、スポーツの祭典というより、アメリカの大手メディアにオリンピックは首根っこを掴まれているようなものだ。
平和の祭典と呼ばれていても、そう爽やかな印象を受けないのはなぜだろう?
国際オリンピック委員会のIOCは、オリンピックの3つの理念として以下を挙げている。
1. 卓越(Excellence)
より高い目標を目指して努力すること2. 友情(Friendship)
スポーツを通して得られる友情や絆3. 敬意・尊重(Respect)
ルールを尊重する
フェアープレーに徹する
支えてくれる人たちに敬意
嫌味な捉え方だが、そんな崇高な平和の祭典に思えないような気もするのだ。表彰式を見ていると清々しいが、選手同士で揉めたり、また、ドーピングの違反もなくなることはない、規則を守らない選手も毎回出てくる...等など。
オリンピックは回を重ねるごとにスケールが大きくなり、従って開催国の国力が問われることになり、開催国は経済的に豊かな国が選出されるのが暗黙の了解だ。
オリンピックを支配するNBCユニバーサルがアメリカ企業なので、この開会式がニューヨーク基準であるカラクリは多くのアメリカ人が知っている。
ニューヨーク住まいの私がいつも不可解に思うオリンピック開幕式のこのニューヨーク基準、この背景にはNBCがオリンピック放映権を持っているので、自分達中心でコトが進められているのだ。
それをね、平和の祭典と言ってさわやかなスポーツの祭典とすり替えようとしているのは、なんだかね…. な~んて言う私はひねくれているだろうか?
ご存じない方がいらしたら、オリンピックの放映権はニューヨークのNBCが持っており、放映はニューヨーク時間に照準が合わされていることを是非覚えておいて欲しい。