スターバックスはニューヨークの街を歩けばどこででも見つかる。ちょっとウザいくらいの店舗数がある、イヤ、あったというべきか。
私の住む地区の徒歩圏内で5分以内に2か所あった。ひとつは大きな店舗でその店舗前は、ワクチンのニュースで大々的に知られているファイザー本社の前にあった。この地域は国連に近く、スターバックスの隣はテレビ局であり、またニューヨークデイリーニュースも間近にあり、テレビ、新聞、製薬会社、国連といわゆるビジネスの中心地にあった店舗ゆえ店舗面積も広かったが、今はすっかり空き店舗である。
もう一つの近場のスターバックスも、コロナ下でもしっかり営業していたのに、昨年末、店じまいしていたことに気づいた。こじんまりした店だったが、大きなウインドウにマックのPCのロゴを見せ、コーヒーを飲みつつパソコンを使っている人たちの姿をよく見たものだが、そのウインドウは既に黒い幕で覆われていて、当時の面影を打ち切っていた。
これは寂しいものだ。実に寂しいものだ。ニューヨークの街並みのお馴染みのスターバックスの店舗が閉鎖されていっているのだ。その点、ダンキンは閉鎖されている店舗は私の知る限り見たことがない。
結局、スターバックスはぜいたく品だったのだろう。その分利益率が高いし、ダンキンのような薄利多売の商売とはチョット違っていたと思う。
コロナ下はビジネスシーンを大きく変えた。割高のコーヒーを人々が飲まなくなったのか? 確かにそれもあると思うが、数年前の人々がマスクと無縁の頃と比べて、圧倒的に街を歩く人が少ない。
顧客の絶対数が減っているのが最大の原因だと思うが、日本もそうなのかわからないが、スタバのコーヒーを買う人たちは、なぜか自らが広告塔のように、カップロゴを見せて街を闊歩するような人が多かったように思う。いかにも「スターバックスのコーヒーを飲んでいます!」のような。所謂、見栄っぽいと言うか。
たかがコーヒーじゃないか?と思われそうだが、それがそれがアメリカ人は日本人と比べて見栄っ張りが多いような気がする。アメリカ人の友人に ”スタバのコーヒー見せびらかし歩き” の見解を話してみると、「面白い視点!でも、当たっていると思う」と言ってもらって、心の中でガッツポーズをとってみたが、街ブラのアイテム、見せびらかしスタバ人口の急激な減少、まぁ、コロナ禍によるが、それによりスターバックスの店舗も閉鎖の憂き目にあっていると思う。
その点、質実剛健ダンキンは、低価格でありながらおいしいドーナツ、コーヒーを提供してくれるので、コロナ下で収入が激減した人達のお財布にもそう影響はしない明朗会計! ここで大きく明暗がついてしまった。
因みに、スターバックスの創業者も、ダンキンの創業者もユダヤ系アメリカ人である。このユダヤ系アメリカ人の商売の上手さは天下一品。スターバックスの本社はシアトルだが、創業者のハワード・シュルツはニューヨークのブルックリン出身である。
少し低迷期を迎えているスターバックスだが、一度手を引いて、また、起死回生のチャンスを狙っていると思う。いずれにせよ、スターバックスは店舗だけの売り上げでなく、コーヒーの小売りはスーパーやドラッグストア―、デリなどいろんな場所で売られているし、当然アマゾンで購入する人たちも多いはずなので、マンハッタンの複数の店舗閉鎖でビジネス全体の打撃は受けていないだろう。
ただ、冬枯れのニューヨーク、今現在の気温もマイナス11度。気分が落ち込むのは仕方ない。スターバックスの空き店舗に暫くしたらパワーアップしたスターバックスが舞い戻るなんてことは起きないだろうか? ユダヤ人経営者ならその位の手腕は見せてくれそうな気がするが…..
しかし、現状は複数店舗のスターバックスはマンハッタンのミッドタウンで閉鎖されているのである、あ~あ、残念!