出版業界の方が聞いたら気分を害されると思うが、出版業は斜陽産業と言われ、売り上げも落ちるし、何せ紙媒体の本が売れなくなっているのも大きな原因。さぞかし、厳しい状況と思いきやアメリカでのマンガは特に右肩上がりの利益を出しているそうだ。
コロナ下の巣ごもり需要により、マンガファンが特に増えており、確かに街を歩いていると突然ショーウインドウに漢字の『呪術廻戦』の文字を見つけた時、なんのことかわからなかったが、それが週刊少年ジャンプの連載であることを帰宅後、検索して知る。
街を歩くとアメリカ人の若者が緑と黒のチェック柄の洋服を着ていたり、ハロウィンでもないのにドラゴンボールの孫悟空の衣装を着た青年が堂々と五番街を歩くのを見たことがあった。
そういえば5,6年前ニューヨーク公共図書館に入ると、入り口近くにNARUTOと書かれた本がズラ~っと並んでいたので、手にしてみたらマンガだったので驚き、当たり前だけど英語版だったことが日本人の私には違和感があった。
日本の文化が海外に根付いて、海外で売り上げが上がるのはなんとも誇らしい。日本の小説は英訳され海外でも売られているが、小説の翻訳にはとてつもない時間もかかり、出版社は翻訳家への支払いも生じるが、マンガの翻訳は小説の翻訳より圧倒的に短く、その分多くの種類を手掛けることが出来る。日本の小説の英訳を読むコアなファンもいるだろうが、あくまで二ッチなビジネスなので利益どころか企業としては赤字だろう。英文コミックを扱う出版社は、売れる商品があるので心強いだろう。
ニューヨークでは2006年から、マンハッタンのジェイコブ・K・ジャヴィッツ・コンベンション・センターと言う巨大センターでNew York Comic Conが開催され、開催当初は3日連続だったか、今は4日連続で行われている大人気のイヴェントで、今年の開催分10月6日から9日のチケットは既に売り出し中である。試しに4日有効のチケット価格を調べてみると$821とある。今現在のレートは$1が113.74円だから円換算すると約93,380円である。冷やかしに見に行けるような金額じゃない!
ただ、このニューヨーク・コミックコンは日本のコミックだけに特化したものではないが、それにしてもこれだけの巨大イヴェントには当然、日本のアニメやコミックのコスプレの人たちは大勢集まる。日本のマンガ熱はこれからもアメリカで続いていくことだろう。
しかし、このコロナ下のアメリカで業績を上げているのが日本のマンガだったとは、ぶっ飛び驚いたのであった。