ケンタッキー・フライド・チキンの看板がKFCに変わって久しい。アメリカでは不健康を印象付ける”フライド”を外すことにより、企業イメージを向上しようというKFCの社名変更理由はあった。出来るだけ健康志向に近づける苦肉の策だったのだ。
日本ではミスタードーナツが独壇場だが、アメリカでは断然ダンキンドーナッツ。マンハッタンを歩けば至る所にある。我が家の近くにも徒歩圏内3分ほどで行ける場所に2店舗もあるから、どれだけ店舗数が多いかお分かりいただけると思う。
このダンキンドーナツも社名変更し、KFC同様社名が短くなりダンキンドーナツからダンキンだけの社名になった。ドーナツメインで売り出していたが、他の商品も店頭に並び、ドーナツだけではなくもっと間口を広げようとしての社名変更で、それにダンキンドーナツからドーナツを省いただけの変更なので、社名変更がややこしくないのも良い。
ダンキンドーナツとミスタードーナツを比べると、圧倒的にミスタードーナツが美味しいと思う。日本のドーナツの種類や、またアメリカのドーナツよりも小ぶりで、また油で揚げていてもさっぱり感のあるところは、ダンキンに見習って欲しいと思う。
ニューヨークにも一時期増えていたクリスピー・クリーム・ドーナツも、もうほとんど見かけなくなったが、こちらも美味しかった。ペンステーションというターミナル駅内に店舗があり、ニューヨークの人でも珍しがっていたので、友人宅に出かける際には、その駅までわざわざ出向いて買っていたことが懐かしい。ダンキンのように店舗数が多くなかったのが、更に希少価値であり、また美味しかった。
クリスピー・クリーム・ドーナツは今はニューヨークでは見かけないが、ダンキンは本当にマンハッタンを30分散歩すれば一体どれだけの店舗に出会うのだろうというくらい多い。
ドーナツとコーヒーの軽食も取れるし、何より安い。ダンキンとサーティーワンアイスクリームの併合している店舗もあり、ドーナツを食べて、アイスクリームまでペロリのカロリー過多も楽しめる。因みにサーティーワンアイスクリームは、アメリカではバスキン・ロビンスと呼ばれているが同会社である。
ところでダンキンとミスタードーナツには遠からぬ縁がある。むしろ近すぎるというべきか…
ダンキン創業者のローゼンバーグは東欧系ユダヤ人で、ユダヤ人は一般的に商売上手と言われている。義妹の夫であるハリー・ウィノカーとともに会社を運営していたが、双方で経営方針の違いが生じ亀裂した。義妹の夫であるハリー・ウィノカーは、それを機に独立した。
1956年にボストンでミスタードーナツを創業したのがかのミスタードーナツの始まりであった….と言う。
コロナ禍で潰れていく店舗は数多いが、安くて美味しいダンキンはこのコロナ禍に於いても潰れることなく、業績はよさそうだ。一方、日本で大人気のミスタードーナツもきっと業績はいいのだろうとアメリカにて思う。