ニューヨークやロサンゼルスのような大都会では、日系スーパーも多く、カリフォルニア米ではあるが日本のような米が買える。
しかし、一般的なスーパーで売られているのはインディカ米で、↑ 写真のような長粒と呼ばれ、短粒と呼ばれている日本で主流のお米は世界ではマイナーである。なんと、長粒のインディカ米の世界生産量は80%をも占める。アメリカ在住の我が家には、常にこの2種の米がある。
インディカ米でチャーハンを作るとパラパラになる。日本米に比べて粘りがないため、チャーハンがプロっぽく仕上がる。また、カレーに合うのもこのインディカ米だ。
パエリアもやはりインディカ米が仕上がりがいい。パエリアは本来インディカ米を使うものなので、米粒一つ一つが独立している感じで、魚介類のエキスを吸っても日本米みたいに粘っこくならないのがいい。
チャイナタウンで食する中華料理はインディカ米使用。中国人が食べる米は長粒のインディカ米。短粒が主流なのは日本料理と韓国料理くらいだろう。この米粒の違いは楽しい。
朝がゆの専門店がチャイナタウンにある。日本のお粥と違い、もっともっとミルキーで米粒がほぼ形をなさず、貝柱の干物から出た出汁がたまらなく上品で美味しい。
試しに家でインディカ米を使ってお粥を作ってみた。短粒の米よりインディカ米の方がお粥には適しているように思えた、個人の好みにもよるだろうが….
インディカ米は万能であるが、一つだけ短粒にかなわないことがある。寿司には全く適さないことだ。粘り気のある短粒は流石に寿司向き。
アメリカの一般的なスーパーで、今や短粒も売られているが、日系スーパーで買う米とは質が違う。古古米とやらは食べたことはないが、米自体も銀シャリの輝きもなく、多少くすんでおり、炊きあがりの匂いが違う。それしか買えない地域なら慣れるしかないかもしれない。
……. そんなことを書き進めつつ、ふと『アマゾンで日本米、買えるんじゃない?』と検索すると、なんと日系スーパーで買う値段より安く買えることがわかった! もうアメリカはニューヨークも、ワイオーミングもアラスカもどこでも美味しい寿司米の銀シャリがアマゾンによって手に入るのだ!
しかし、短粒の話は置いといて、世界生産量8割のインディカ米は、使い方により料理がプロ仕様になることを是非お忘れなく。チャーハン、お粥、パエリア、カレーと、幅広く本格的な料理に化ける。
日本ではあまりポピュラーではないインディカ米、実は世界の主流であることを知ることで、少しだけでも、インディカ米に愛を向けて欲しいと願う。