京都の食べ物について思うこと

  by 飯島麻夫  Tags :  

< 一乗寺「中谷」で食したいかにも京料理らしいもの 見事に豆腐と野菜のみで脂っ気なし。女性やベジタリアンにお勧め。価格も千円ちょっととリーズナブル。特に豆腐(一乗寺豆腐)は美味しいので近くの豆腐屋で買って来ればよかったと少し後悔。(京都、左京区、一乗寺 著者ないしは妻撮影/iPhone)>

著者の少ない経験から言うと、京都でふらりと適当に入った店で「これは美味しい!」と思ったことは数えるほどしかない。

旅をする者としては「オホーツク海の毛蟹」「米沢牛」「若狭湾のノドグロ」「浜松の鰻」とか…地元産の食材を生かした食には弱い。一方、そういう美味しい食材という意味で、京都には何もない…まさにナッシングだ。

海からは遠いので魚といえば伝統的にはニシンそば、さば寿司ぐらいで要するにある程度日持ちするものに限られる。狭い京都じゃ畜産も満足にできない。魚も肉もダメときて、あえてあげるならごく狭い面積の畑でも少量づつ生産できる京野菜ぐらい?

京都に限らず全国どこでも腕の良い料理人さえいれば、今時食材は何とかなることが多いだろう。例えば、カニ料理店の多くは北海道からカニを空輸しているではないか。

問題は長い時間の間に育まれた習慣・文化だ。1000年以上もの間美味しいものがない生活を営んできたせいだろう、「むやみに美味しいものを食べようと思わないこと」が京都では生活習慣化されていて、ひいては「美味しいものを提供したい」というサービス精神さえ薄れてしまっているような気がする。

「人の10倍考える」を信条に色々とやってます。 元銀行員で現在も金融系のIT開発等に携わるフリーランス。JICA国際協力ボランティア(パプアニューギニア)

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