ニューヨークにもようやく人々が街にあふれ出したいつもの光景が見られるようになりました。セントラルパークも人々が戻りつつあり、子供たちも元気に走り回り、しかし、子供もマスク着用で、そこらあたりは多少奇妙さも感じますが、昨年の春のゴーストタウンとはうって変わった日常の春を皆が過ごしつつあります。
この季節、セントラルパークを散策すると、桜が美しく咲き誇る姿が見られます。桜って春の開花でその樹が桜であることに気づかされます。街路樹にもちらりほらりと見られ、コロナ禍で大変な世界になっていても、春はやってくるのだなと感慨深く感じます。
青空に桜の花は清々しくて、気分もアゲアゲになるから不思議です。ニューヨーク州もお隣のニュージャージー州も日本のような屋外での飲酒は禁止されていますので、桜の木の下でのほろ酔い気分のお花見はできません。ただ、アメリカ全州が屋外での飲酒を禁止されているのではなく、飲めるところもあるらしいのですが、いずれにせよ屋外飲酒禁止!を徹底していた方がよいでしょう。
ニューヨークにも桜の名所がいくつかあります。セントラルパーク他、ブルックリン植物園もいろんな種類の桜が楽しめます。トラムと呼ばれるロープウェイでマンハッタンから数分で行けるルーズベルトアイランドにも桜の木々が川沿いに植えられており、目の前のマンハッタンの摩天楼と共に楽しめます。
お隣の州、ニュージャージーのブランチ・ブルック・パークの桜は圧巻!多くの多くの桜の木が植えられており、まるで日本のお花見のようです。実際、お花見シーズンには日本語が飛び交っています。
少し離れますがワシントンDCの桜は美しいですね。何度かこの季節に訪れたことがありますが、ポトマックリバー沿いの桜が絵になります。
実はニューヨーク、マンハッタンにはサクラパークという公園もあるのです。ただ、それほど美しい公園でもなく場所はコロンビア大学近くにあります。サクラパークの目の前にはアメリカ紙幣50ドル札の顔、グラント将軍のお墓があります。グラント将軍はアメリカ南北戦争時の北軍最高司令官で、第18代アメリカ合衆国大統領でもありました。グラント将軍は大統領職を終えて、世界旅行を2年も続け、日本にも2か月滞在されたそうです。増上寺にグラント松というのがありますが、グラント将軍の植樹によるものです。
毎年、日本のニュースでは桜前線という美しいニュースが流れますが、ニューヨーク州は青森県と緯度がほぼ同じなので、青森県をチェックして、ニューヨークの開花を予想するのですが、それがなかなか一致しないのです。それもそうでしょう、マンハッタンはビルも多く、アスファルトジャングルなので気温も違ってくるのかもしれません。
桜、さくら、その儚き花の命に日本人は、人生を重ねているのかもしれません。不思議なことに海外に暮す日本人も桜の開花に胸躍るのは、心はいつも日本に向いているからかもしれません。