ニューヨークはコロナ禍で大打撃を受けた大都市で、あらゆるサービス産業が1年近く干上がっている状態です。
レストラン業界は店内の飲食不可で、それでもあの手この手で屋外に小屋のようなものを建て、歩道や車道の一部で営業が行われています。ただ、それらの屋外に小屋を建てられるようなレストランは、もともと値段の高いレストランだからこそ設備投資が出来るわけで、その分、お金持ちの顧客が高い料金の食事を楽しみます。
ただ、このところマンハッタンは氷点下続きで、初夏や初秋の屋外での飲食は快適でも、極寒のニューヨークで重いコートを着て震えながら食事をする姿は見かけません。このコロナ過で多くの老舗レストランが廃業に追いやられました。
言うまでもなくホテル業界も大打撃です。まだ、レストランはそれでもテイクアウト等で細々と営業可能ですが、ホテルに関しては完全に機能を失い、建物自体はそこにあるのですが入り口は無残にも閉じられたまままです。しかも、その状態が1年近く続いているのです。
↑写真はニューヨークの中心部、グランド・セントラル駅に隣接するグランド・ハイヤット・ホテルです。前トランプ大統領が初めてマンハッタンの不動産取引をしたホテルで、もともとはコモドアー・ホテルといい、このように外観が鏡張りのような黒いガラスではなかったのですが、そこはトランプのアイデアでコモドアー・ホテルを買収して、大きく模様替えをして大成功をおさめた最初の仕事場がこちらのホテルでした。
ヒカキンがニューヨークに見えた時に宿泊したり、また、八村塁選手のバスケットボールのドラフト指名日の前夜、ご家族と宿泊されたホテルで高級ホテルのランクに入ります。
そのグランド・ハイヤットが閉鎖して1年近くなり、以前の活気もなく、大げさな制服を着たホテルのポーターが宿泊客の為にタクシーを停めていたりしましたが、ホテルマンたちはいなくなり、閉鎖されているホテル入り口にはホームレスの人たちがたむろしていたりします。
このクラスのホテルがこの状態ですから、中堅ホテルも閉鎖されていますし、ホテル従業員やホテルに入っていたレストランやショップ店員などは、すでに失業して1年近くになりますが、ホテルマンたちは他のホテルに転職…と言うのが不可で、ホテル自体の動きがないのです。
ニューヨークのホテルは格別に高く、日本のように料金設定はありません。所謂、時価みたいなもので宿泊時期により料金は大きく変動します。その高い料金設定のニューヨークのホテルはいつも満員御礼状態で、予約は困難な状態が常でしたが、今現在、立派な外観のホテルは誰に使われることもなく、稼働率0でまったく利益を生み出せない現実が未だに信じられません。
比較的エコノミーなホテルの多くは現在ホームレスを収容するシェルターと化しています。ある意味ニューヨークはホームレスの方々に手厚いと言えます。昨日、NY1というニューヨークのローカルニュースを扱うニュースを見ていて、若い黒人のシングルマザーと小学生の息子の暮すホテルの快適さを知り驚きました。シェルターではあるのですが実際はホテル住まいです。
ニューヨーク市側もホテルを空き家状態にするよりも、稼働させるのがいいでしょうし、ホテル側もホームレス側にも共に良い状態です。
日本もコロナ過で相当大変なのはニュースを見て、また活字で読み理解します。これ、本当にどうなっていくのでしょう?抜け道のない迷い路で彷徨っている感じで不安です。
冬枯れのニューヨーク、街路樹も寂しげで、数多いミッドタウンのホテルの閉鎖状態を目にするにつけ不安が襲います。
ニューヨーク、現在の気温は氷点下7度。この寒さも不安要素に拍車をかけます。
全世界困った状態です。でも、耐えるしかないですね、そういう時もあるのでしょう。
ただ、ホテル業界の多くの方々が失業され、困難な状態であることを思うと辛いですね…..
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