アメリカ国内からかけたフリーダイヤルは、アメリカ国内でなくどこの国に繋がっているか?

  by あおぞら  Tags :  

アメリカでフリーダイヤルのカスタマーサービスに電話をすると、その電話はどこに繋がるかご存じでしょうか?

答えはフィリピンなのです。

このカスタマーサービスがフィリピンで代行されているのを知ったのはもう10数年前になります。カスタマーサービスに問い合わせをして、例えばオフィス機器の不具合でアドバイスを得る場合、オフィス機器の反応が遅く随分待たされることがあります。

その時、フレンドリーなカスタマーサービスが「ニューヨークの気候はどうですか?」と待ち時間を繋ぐ意味でしょうが聞いてこられたので、カスタマーサービスはどこの州にあるのだろうと「そちらは何州で?」と尋ねると「フィリピン!」と答えられました。驚きましたね、フリーダイヤルの先がアメリカ国内でなくフィリピンであることに。

あれから10数年経過で、そのカスタマーサービスがフィリピンに繋がっているのは今も同じですが、以前はそれほどまでオペレーターの英語の訛りはひどくありませんでした。しかし、このところ酷いです。

私の携帯電話は日本の携帯電話サービスの子会社を使っています。日本語オペレーターに繋がる電話番号もありますが、たまたまその番号を持ち合わせていなく、他の番号にかけてしまいました。

支払いは銀行のキャッシュカード番号の自動引き落としで支払っていますが、先月、新しいキャッシュカードが届き携帯電話会社に登録しているカード番号が使えなくなったようで、携帯電話機の左上に日本語で『圏外』と表示され使えない状態だったので、新しいインフォメーションを知らせる目的でカスタマーサービスにかけました。

日本人の私の英語も訛りはあるでしょうが、フィリピンでカスタマーサービスを代行していない会社、すなわちアメリカ国内に繋がるカスタマーサービスとのやりとりは全く問題がないのですが、フィリピンに繋がったであろうオペレーターとのやりとりは、まさに七転八倒の苦しみなのです。

英語の訛りがキツイので信頼しにくいというのが正直な感想で、例えば電話で新しいキャッシュカードの番号を教える時『大丈夫かな、悪用されないかな?』と心配になります。また「ツーという電子音の後にキャッシュカードの番号を言ってください」と言われたのでその通りにしても、キチンと録音されなかったようで「もう一回お願いします」と言われると、不信感は更に募ります。

日系の会社のカスタマーサービスに電話をすると、訓練された日本人のオペレーターが対応してくれますが、その日本女性との会話で、その電話もフィリピンに繋がっているのが判明しました。フィリピンに住む日本人はアメリカからの外注の仕事があるので好運ですね。その分、アメリカに住む日本人は仕事をフィリピンに奪われていることになります。

こうしてアメリカは安い賃金で働き手を求めて、カスタマーサービスをフィリピンに委託している企業が多いのです。ただ、訛りが酷い英語を使われると、特に英語を母国語としない人間にはロスト・イン・トランスレーションで、コミュニケーションが同じ英語で話していてもとれないのが困りものです。

最終的にはどうにかなるのですが、かなり時間がかかりストレスが発生します。

しかし、改めて凄いことですよ、アメリカでかけたフリーダイヤルの先はアメリカ国内でなく、そこはフィリピン!アメリカはこうやって、安い賃金を求めて世界を使っているのがわかります。

画像: from flickr
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ニューヨークから発信しています