ざっくり解説 ◆ アメリカ大統領選挙の仕組み

  by あおぞら  Tags :  

トランプVSバイデン、子供の言い争いのような史上最悪と言われた前回の討論会。先週行われた2回目の討論会は、前回のように相手が話している際、チャチャを入れないよう、マイクが消音されると言う措置がとられたが、いずれにしても品位も威厳もない、年寄りの罵りあいというイメージはそのままだった。

さて、そのレベルの低い討論をした二人のうち一人が来年アメリカ合衆国の大統領になる。

日本はアメリカの選挙が民主的で、国民の投票で決まることが選挙の理想だと思っている人も多いと思う。実際、そうなのだが、実はアメリカの大統領選挙は一筋縄でいかないのだ。

スイングステイトと言う言葉はアメリカ選挙で明暗を分ける言葉である。この言葉を最初に引用して話を続けていく、説明は後ほど….

オリンピックが開催される年の11月、第一火曜日がアメリカの大統領選挙と決まっている。事前投票もあるが基本的には投票権のある者が、指定された投票所に出向き一票を投じる。

アメリカは現在50州あるが、各州ごとに選挙人数と言うのが決まっていて、州ごとにポイントがあると思っていただきたい。この選挙人の数は州民数で決まり全米総選挙人数は538人。例えば州民の多いカリフォルニア州の選挙人数は55もあるが、逆に人口の少ないアラスカ州、モンタナ州、ワイオミング州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、バーモント州などの選挙人数は3しかない。

州ごとに勝敗が決められ、その州の選挙人数(ポイントと思う方がわかりやすい)を合計して勝敗が決まるのだ。また州により共和党もしくは民主党支持が分かれる。票田の最も多いカリフォルニア州は民主党支持者が多く、西海岸のワシントン州、オレゴン州も民主党支持者が多い州である。東海岸も西海岸同様民主党支持者が多く、東海岸にはニューヨーク州、マサチューセッツ州、バージニア州などの州がある。

では、民主党に対して共和党支持者はどこに?だが、大雑把に言うと西海岸と東海岸の間の州は共和党支持者が多い。

大統領候補者は遊説に行く際、自分たちの支持者の多い州にいくより、選挙に必勝作戦としてスイングステイトと呼ばれる、どっちつかずの州への票取りに躍起になる。ブランコを英語でいうとスイング、そのユラユラ揺れている定まらない州の票を取り込むのが、勝利への大きな分かれ道になる。

そのスイングステイトはフロリダ州、ペンシルバニア州、オハイオ州、アリゾナ州、テキサス州である。

スイングステイトで勝てば、例えばフロリダ州なら選挙人数29をゲットできる。因みにニューヨーク州の選挙人数も29。フロリダ州とニューヨーク州が同じ選挙人数!ニューヨーク州は民主党支持が多い為、共和党のトランプ大統領は、いくら自分の出身州のニューヨークでも力は入れないのだ。スイングステイトがいかに重要かがおわかりいただけたと思う。

ちょっとまとめよう…..

・アメリカは投票制だが、個人投票の総数で大統領が決まるわけではない
・州ごとに選挙人数が決まっていて、この選挙人数は州ごとのポイント数と考えるといい
・アメリカ全州の選挙人数は538人(ポイントと考えた方がわかりやすい)
・州ごとに共和党、民主党の勝ち負けを決め、勝った州での選挙人数勝者総取り方式である
・アメリカの“州取り物語”の感じで、選挙人数270を超えた候補者が勝利する

アメリカに長年暮らしていても、市民権はないので投票権はなし!ざっくり、ざっくり、解説させていただいた。聞き流し的に知って頂ければと思う。

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