©️[朝日新聞デジタル]「タイで反政府集会が再燃 民主的な憲法制定求める」
歴史的にタイでは王朝を巡るクーデターが繰り返されてきた。2020年10月15日早朝、プラユット現政権は首都バンコクをターゲットに「非常事態宣言」を発令して5人以上の集会を禁じた。これにより抗議デモ隊の中心を担う若者らを首相府前から強制排除し逮捕者も20人以上出した。王室改革の反旗を掲げる若者を統制してしまおうという狙いがあると見られている。
タイ民主化運動青年団「フリー・ユース」
©️[Facebook Home]タイ民主化運動青年団「フリー・ユース」
アジア系メディアではSNSに溢れているフェイクニュースにより、正しい情報かどうか、情報源が見極められないものも多いという。例えばデモ隊が火炎瓶を投げるなど逸脱した武力行使で警察部隊に対抗しているとの報。大手メディアでも、他媒体が書いた内容がよくよく辿ってゆくと、2014年のBBCがリソース元だったなど。
しかし、現地メディアによると、デモ散会後に投稿したものと思しき、民主化運動タイ青年団「フリー・ユース」が2020年10月22日に自己のFacebookで、
「家に到着しました。私たちは辞任のために本をあげるために来た。
3年の主張のうち1番目はどっち?
1.つの戦いは出なければならない
2.年の新しい改革草案
3.年の王様の研究所の改革が憲法下で再開
政府が3日で答えを出さない場合、暴動はより高い要求を受けて再開する。」
「フリー・ユース」のメンバーの1人の投稿は、上記の文面からも「政策提言書」に近いと思われる改正案を本として進呈し、暴動ではないあくまで民主的な政治的交渉に臨むつもりではないかと思われる。
不敬罪の廃止や王室の財産管理の明確化、予算の削減、王政の政治への不介入。憲法改正以上にタイの若者が問題視するタイ王室改革。
そこには火炎瓶のような物騒な煽り報道はなく、デモ隊が警察官部隊に空のペットボトルを投げつけたという事実だけがある。
それもあってか、現地でのメディア統制をプラユット政権は強めている。
民主化を切望するデモ隊への「表現の自由」規制は内外を問わず敷かれている。これこそがタイの民主化改革運動が香港であった「雨傘運動」との類似であろう。両運動の当事者は互いに志を共にし、タイと香港の若者同士で鼓舞し合っている。
香港「雨傘運動」に学ぶタイの若者たち
©️[CNN]「雨傘運動から3年 香港で再び抗議デモ 締め付け強化懸念も」
「雨傘運動」とは、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が 2017年3月の香港行政長官選から内政干渉し、民主派候補者を排斥する制度を一方的に決めた。この「民主化の死」に反発した若者を核に香港市民らが、2014年9~12月に起こした大規模な街頭占拠デモを指す。
2019年9月に国連の人権専門家-人権評議会(HRC)に与する者たちは数ヶ月以上も香港でデモをしていた市民の莫大な人数に対し、残酷な圧制を強いて彼らを逮捕してきたという事件を繰り返し報告が上申されたことに警告を打ち鳴らすに至ってきた。
その専門家らは「自由権規約B」という国際法の、喩えて地元当局により近しい監視官と呼ばれるものだ。
特に「表現の自由権」や安全な環境における「集会の自由」を保障する。
噂によれば、デモの主導者らは、彼らに連なるデモ抗議者に対し「平和的な性質を維持し、暴力的でかつ敵意に満ちたものになることは慎むように」求めた。
高圧的な鎮圧・公共の秩序 VS 「表現の自由・抗議の権利」
全ての地元の暴力を非難している間に、専門家は、その危機とは異論を唱える声に対し政府が強引な圧制を敷くことではなく、香港の未来について全ての利害関係者らの公衆対話によって解決されるべきであると願ってきた。
明白なことは、公的な当局が公共の秩序を維持することに責任を持つこと。しかしながら、このことは表現の自由や保護すべき権利という個人の最も重要な権利に基づく行動として、明白に正当化することは二度はできないということだ。
引き渡し条例撤回も混乱収束にはほど遠い
©️[GETTY IMAGE]香港行政長官 林鄭月娥 氏
人権の専門家らは、2019年9月の「逃亡犯引き渡し条例」から公的に離脱するよう勧告した。「その際の状況を制圧することに貢献することに落ち着いたであろう」と述べる。
その賞賛は、しかしながら時期尚早だと後日分かる。
香港における危険な状況が続くことに変わりなく、公衆が行政長官の林鄭月娥氏をその座から辞させようと上申することになったからだ。
人権専門家と国連人権高等弁務官は2020年に公衆に和解による歩み寄りを義務付けた。
目に余る人権侵害
OHCHRの報告内容で明らかになった中国による「香港の基本的自由の抑圧」
2020年6月26日、国連人権高等弁務官事務所は、中国における専門家の活動最新報告書を暴いた。それは中国が繰り返し通信していたと述べられていた。
専門家と見做されて、その国の根本的な自由に圧制を敷いてきた特殊な事件と同様に、全体について関心を砕いてきた。
彼らは明白に香港を守ろうとし、民主的に政策提言しようという事案に含まれる。
過剰な部隊の配備が、デモ抗議者らが主要な問題になっているところに対し、化学兵器を使用したと見られると申し立てられていた。
「香港国家安全維持法」施行独断的な犯罪定義
専門家の報告書は、「香港国家安全維持法」を中国が導入したと明白にした。
そして後に採択された本案は、香港の「市民的及び政治的権利〈自由権規約B〉」に関して、より厳しい制約が課されることになりがちだった。
このことはその際、国際法的義務違反に国家が違反していることに言及したのであろう。
専門家の恐怖とは、国家安全維持法が容易く虐待や圧制の議題になり得る犯罪の幾分かの恣意的な定義を導入しようとする思惑が透けて見えるからである。
人権侵害モニタリング&報告メカニズムの設立を支持
その専門家らは国連人権評議会が中国の人権の履行を監視したり、専門家による指摘のあった違反の範囲を評価すべく評議会の特別会合を召集するなど、全ての妥当な方策を取るべきだ。
その専門家らは、さらに公平かつ独立した国連メカニズムー国連特別査察官や専門家委員会などのようなーより近しい監視や分析、そして毎年の報告を確立することを政策提言する。
中国では毎年の人権状況とは最も緊急性が高く、香港と2つのその他、自治権のある地域ー新疆ウイグルとチベットである。
©️[産経新聞]香港中文大の周保松副教授
香港市民として当時運動に参加した政治学者で香港中文大の周保松副教授は「香港の100万人超の人々が『われわれは民主主義がほしい』と声を上げたことは重要な契機になる。将来の中国の民主化プロセスにも大きな影響を残す」と「香港雨傘運動と『一国二制度』の将来」と題し講演した(明治大現代中国研究所主催)。「産経新聞」(2018年6月29日)