渡辺明名人が語る 加藤一二三先生のエピソードの温かさ、ほっこり….

  by あおぞら  Tags :  

将棋のルールは全くわからないのですが、ここ数年の将棋ブームはとってもいいですね。なぜいいのか?って言うと、棋士たちの人間性が好きなのです。

対局で投了(この言葉も将棋がブームになって知りました)…の際、敗者自ら「負けました」と負けを認めるのが潔い!相撲、柔道、ボクシング、格闘技等で判定負けした選手側が抗議するという”判定のグレーゾーン”はなく、将棋の世界は勝敗が明確なのがいいのです。

棋士は先ず頭がいい。それに礼儀正しい。選りすぐりの棋士たちにより繰り広げられる勝負の世界です。

YouTubeで渡辺明名人が加藤一二三さんについてエピソードを披露されました。それが実に心温まるいい話だったので、お知らせしたいと思います。

渡辺名人がまだ10代の修業時代に話は遡ります。ひふみんが対局中、当時10代の渡辺名人はひふみんの隣の将棋のスコアーづけをしていたそうです。対局中のひふみんから渡辺少年はおつかいを頼まれます「みかんを買ってきて」と。そして5千円を渡されます。

渡辺少年がみかんを買いに行き400円か500円かの代金を支払い、そのみかんをひふみんに渡します。そうするとひふみんは渡辺少年に「おつりはとっておいて」と仰ったそうなのです。ひふみんは渡辺少年に2回程おつかいを頼み、その2回とも5千円札を渡したそうです。

そうして将棋界のしきたりを渡辺少年は学ぶのです。ひふみんは渡辺少年にみかんを買ってきてもらうのに千円札を握らせてもよかったのですが、あえて五千円札!ひふみんは多くのおつりを上げたいがための五千円札だったのだろうと渡辺名人は回想します。そして「僕らも見て育つじゃないですか?こういう時は多めにお小遣いを渡すんだなと…」と対談相手の香川愛生女流棋士に語ります。

それに対して香川女流棋士曰く「修業時代が長いから苦労した経験があって、そういうことをされるのはわかる気がするのですが、若くして中学生でプロの棋士になったのに、器の大きさがやっぱり加藤先生流石だな…と言う感じですね」と素晴らしい返し。これだから将棋界は名実ともに美しいのです。将棋という世界、そして対局を離れた空間でも棋士たちの言葉、態度は美しい….

愛される加藤一二三先生のお人柄もわかるし、また、こういう良い話を教えてくれる渡辺明名人もいいですね。香川愛生女流棋士のコメントも秀逸。

将棋が日本に良い影響をもたらすと本気で思いますね。礼節があり、何より頭脳明晰な人たちで構成されている特別な世界。そこはかとなく漂う品が今も息づく世界です。

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