ステイホームでもできることはたくさんある!巣ごもりアイテム特集 ~モノづくり編~

  by 古川 智規  Tags :  

どこにも行かずに基本ステイホームが続く中で何かできることはないかという発想からアイテムを集めてみた。
新型コロナウイルスの影響で通常の生活に影響が出る中で、改めて巣ごもりをテーマにアイテムを集めて「モノづくり」と「トータルケア」に記事を分けて特集する。
本稿では「モノづくり編」として特集する。

※参考記事
ステイホームでもできることはたくさんある!残暑巣ごもりアイテム特集 ~トータルケア編~
https://rensai.jp/327303 [リンク]

創作・モノづくり・情操

家にいても特にすることがないという方には、長期にわたる巣ごもりは各種GO TOキャンペーンがあるとはいえ、かなり辛いものがある。ちょっと時間をかけてモノづくりや楽しいお勉強にチャレンジしてみてはいかがだろうか。趣味をお持ちの方は別として、そうでない方はこれらのチャレンジを通じてこの際、趣味にしてしまうきっかけになれば時間が足らない深みにはまってしまうかもしれない。

si-gu-mi ロディ

JAMMYが販売する「si-gu-mi」シリーズの ロディは紙製の立体パズルだ。ロディとは子供が乗ることができる馬をモチーフにした乗用玩具であり、それを平面の紙を組み合わせて手のひらサイズの紙製プラモデルのようにした存在だ。まさにプラモデルのように1枚の厚紙からパーツの切り出しを行い組み立てる。ハサミも接着剤も必要ないので、宮大工や船大工の匠の技を相当簡単にしたような仕事だと思えばよい。とはいえコツを押さえないと出来上がった途端にバラバラになってしまうので、組む時にはきっちりと奥まではめ込もう。というほど簡単なものではなかった。

パーツは1枚の厚紙にすべてはまっているので手で押し出せばよいが、できればピンセットが欲しいところ。あれば後半戦で格段にやりやすくなる。説明書にパーツ番号が振ってあるのでこの順序通りに外していくが、手順通りに必要なモノだけを外さないと何番のパーツなのかわからなくなるので、最初にすべて外してしまうのは厳禁だ。手順1-3あたりまでは手で簡単にはめていくのだが、押し込むところはきちんと押し込まないと後で泣きを見る。骨組みは何度も確認した方がよい。あとで組みなおすのは不可能に近い。そして馬の頭や顔の部分あたりからはピンセットがある方がスムーズだ。紙の摩擦力だけではめ込んでいくところが多くなる。たっぷり2時間はかかるので必要なのは手先の器用さよりも根気だ。

何とか完成したのだが、明らかに組み違えたところがあり完成品に見えるが実は1か所間違っている。さらにどこをどう見ても間違えた手順がわからないのだ。おそらくきちんと押し込んでなかったからだろうが、修正する気力は残っていない。ぱっと見はわからないのでこれで良しとするが、他の色を作るときには完璧にしたいと思う。
紙を扱い指で押し込むので、手の脂がかなり抜ける。さらに厚紙に手あかが付き汚れるので、よく洗っておいた方がよい。なお、手荒れのケアはトータルケア編に良い製品があるので参考にされたい。
記者の素直な意見としては、ある意味プラモデルより難しく0.1ミリメートルの誤差が後で効いてくるので1つの手順が終わったらかみ合わせをしつこく調べた方がよい。そして完成度と満足度はかなり高いが、「これ考えたやつ天才だろ!というよりも変態だろ!」と心から敬意を表する作品である。たかが紙だが紙ゆえの難しさもあり難易度は高い。大人の根気のいる暇つぶしとしては高度なものなので、覚悟を持って挑んでいただきたい。普段から本シリーズを手に取っている女性ユーザーによると「時間があるときに、ついつい買って作ってしまうんですよね。ホント根気のいる作業だけですよ!」と楽しい苦労を語ってくれた。

ARで遊べる︕学べる︕JAXAといっしょに⽉探査

ビービーメディアが販売する「ARで遊べる︕学べる︕JAXAといっしょに⽉探査」は絵本とスマホを融合して月についてAR(拡張現実)で楽しく学ぶことができる子供向けのAR絵本である。
本そのものは厚い紙でできており、なるほど子供向けの絵本だなという装丁でページ数は少ないが、スマホに飛び出すARの世界で楽しむのが目的の絵本なので、IT技術を駆使しておりスマホでの利用が前提となる。なおアプリはAndroid・iOSとも無料でダウンローできるが対応機種が限られておりスマホが「ARCore」というモジュールに対応しているかどうかを確認し、まずはアプリがダウンロード可能かどうかを検証した方がよい。特にAndroidは記者手持ちの3機種すべてにおいて対象外だったのでアプリのダウンロードができなかった。iOSについては記者の持つiPad miniではダウンロードできなかった。よってアプリを利用してのレビューはiPhoneでのみ行ったのでご了承いただきたい。

(撮影データ:CanonEOS7D MarkII+EF70-200mmF2.8L USM・f/5.6・ISO100・200mm・1/320秒で撮影したものをトリミング)

この絵本はJAXA監修のかなり本格的なものなので、大人でもはまってしまう。月は肉眼で簡単に見ることができるもっとも身近な天体で、一眼レフカメラはもちろんのことスマホでも撮影が可能なほど明るい。天体望遠鏡がなくても望遠レンズさえあれば月のクレーターや海を眺めることが可能だ。写真は記者が撮影したものだが、一眼レフカメラと望遠レンズのみで三脚設置も長時間露光も手振れ補正もしていない。320分の1秒という高速シャッターで手持ち撮影が可能なのだ。
JAXAの⽉探査は「⽉⾯基地」の実現という計画で進んでいる。そんな⽇本の⽉⾯探査の最新状況を、AR技術を利用して遊びながら学べる絵本だ。もちろん子供の理系学習サポートを目的としたものだが、家の窓から撮影できる月を見た大人も興味を持つことだろう。
操作は慣れるまでに多少の時間はかかるが、子供であればゲーム感覚で使っているうちにマスターしてしまうだろう。大人であれば理解しながらステップバイステップで操作していくのがよさそうだ。
月を見て例えば満月ならきれいだし明るいし観察でもしようという気も起るかもしれないが、それ以外だとあまり興味を示さないかもしれない。1つだけ興味をお持ちいただくために面白い話を書いておこう。いわゆる半月は日没後の南、深夜の西に見えるものを「上弦の月」、深夜に東、明け方近くに南に見えるものを「下弦の月」という。上弦の月が見えた時には、その月の場所には地球が約4時間前(過去)にいた場所である。また下弦の月を見た時には、その月の位置は今から約4時間後(未来)に地球がいる位置である。そうなる理由は、半月の位置というのは地球の公転軌道上にあるからである。そう思いながら半月を見るとロマンチックに感じはしないだろうか。

アプリを起動するとJAXA担当者がナビゲーターとして登場する。詳細はあネタバレ防止の観点から省くが、実際の⽉探査計画がミッションごとに説明される。それこそゲーム感覚での遊びの要素もあれば、自分自身が探査衛星を操作して月面を撮影し実際に探査衛星が撮影した写真を見ることができたり、未来の探査基地で動き回ったりと楽しく学ぶことができる。
月は宇宙のスケールからすれば地球からの距離は近すぎる天体だが、光の速さでも地球から1.3秒もかかる距離383400㎞は、人間の距離感では宇宙機だと4日程度、ジェット旅客機で行ったとすると20日間も乗り続けなければならない。月面に基地を設置する目的は学術的にも重要でさまざまあるだろうが、実利面では核融合燃料採掘や重力が地球の6分の1しかないことを利用した惑星探査のベースキャンプとしての側面もあるだろう。月を手掛かりとして肉眼で見える火星や金星、木星や土星、そして広大な宇宙へ子供と一緒に世代を超えて夢と希望と理解を深める契機になるのではないだろうか。

Nail it!! キット No.006 電球

建築資材等を扱う若井産業が販売する「Nail it!! キット」シリーズのNo.006 電球を取り上げる。いわゆる「ストリングアート」のことで、木製の土台にくぎを打ち込み、その釘に糸をかけていくことにより全体としてのデザインを整えていくアートのことである。幾何学的なデザインから、具体的なモノを表現するデザインまでさまざまだ。

本品はキットなのでデザインと材料はあらかじめそろえられていて、マニュアル通りに進めればよい。デザイン力に自信がある方はパーツごとに必要数を購入してオリジナル作品を作ることも可能だ。簡単ではあるが、釘は糸を掛けるスペースを確保するために、途中の高さまでしか打ち込まないことや、まっすぐ板に打ち込む必要があることから、中学校の技術家庭科の木工スキルは最低限、できれば日曜大工(最近ではDIYというらしいが)のスキルがあるとうまく仕上がるだろう。実際に必要なのは根気なのだが、甘く見ているとペンチで釘を抜いて打ち直さしたり、打ち込みすぎて糸が掛かる隙間がなくなったりと、余計な修正の手間がかかることになるので、そのあたりも込みで楽しんでいただきたい。工具としてはハンマーは必修だが、位置決めを楽にするために下穴をあける千枚通しがあると便利だ。ない方や不安な方も、そこはプロが使う資材や工具を扱う同社のこと、専用工具「ネイルガイド」が販売されているので検討するとよい。
写真は左上から、付属の下絵を板に釘で数か所打って仮止めする。右上、下絵の上からネイルガイドまたは千枚通しで位置決めのための仮穴をあける。左下、下絵を外して仮穴に専用工具または付属のスペーサーの高さにそろえて釘を順次打っていく。右下、1色一筆書きで糸を巻いていく。(このデザインの場合は2色)

釘はハンマーで打つがそれほど大きな力は必要ないので、なければペンチの腹で打つことも可能である。記者はあえてハンマーではなくペンチの腹を利用して打ち込んだ。よってハンマーを使用すれば女性でも難なく釘打ちはできるだろう。金属製のハンマーやペンチの腹で打つ時には粘着テープを巻いておくと釘の色がはがれにくく、打ち込む音も緩和されるので一石二鳥だ。また釘を打つごとに回し見て傾きをラジオペンチで修正していかないと、すべて打ち終わった後の修正は釘の間隔が狭く困難である。
糸の長さは十分すぎるほどあるので、足らないことはまずないが、途中で止めるわけにはいかないので、とにかく根気よく巻き続ける必要がある。また適宜、糸を釘の下の方に押し込まないと積み重なった糸が掛からなくなる。記者はネイルガイドの頭を利用して押し込んだ。黄色から巻き始めて、最後は青色を巻く。記者は少し糸を余らせた上、電気コードデザインの上端で終端処理をして、物理的に壁に掛けられるように輪っかを作っておいた。
記者は夕方から夜の間で完成させようと考えていたのだが、根気が続かず黄色を巻いた時点で疲れ果ててしまった。よって完成まで足かけ2日間だった。朝からやり始めれば昼過ぎで終わるだろうが、仮穴、くぎ打ち、黄色の糸が休憩ができる区切りなので適宜休憩しながらゆっくりと作品を完成させていただきたい。家族やカップルで分業してつくり上げるのも楽しいかもしれない。

多⾁植物の寄せ植えキット

花卉(かき)を取り扱うhananeが販売する「多⾁植物の寄せ植えキット」は、⼟を使わずに簡単に楽しめる多⾁植物の寄せ植えキットだ。多肉植物とは字の通り、葉や茎に水を多く溜めこむことができる植物の総称で代表例はサボテン。ただし、一般的に観賞用植物でいう多肉植物とサボテンとは区別されているので、ここではサボテンを含まない多肉植物と理解してよい。
キットの内訳は、サイズ⼤は多⾁が10種類、⼩は5種類と器、砂利、抗菌剤、スポンジがセットになっている。根元の⼟をほぐし洗い流した後に根を抗菌剤に浸し、スポンジに切り込みを⼊れて好みの位置に植え込む。例としては中⼼にまとめたり、周囲やバラバラに配置したりと、好みのデザインで配置する。記者は今回「大」サイズで作ってみた。

大きな箱で届くが、かさほどの重さはなく軽い。中には非常にシンプルかつスタイリッシュな金属製の鉢が1つ。土付きの小分けされた多肉植物がランダムに10個。その下に寄せ植え用のスポンジと抗菌剤のアンプルが入っていた。
まず最初にしなければならないことは、根についている土を落として露出させることだ。流水でもみ洗いするように土を落としていく。ここでそれぞれの植物の根の付き方や太さ、密度などをよく観察しておくと実際に植えるときのイメージが付きやすい。準備段階ではあるが、ここで時間をかけるべきであり最も重要な工程だと記者は思った。樹木のように根からまっすぐに伸びているものもあれば、ジャガイモのような地下茎のようでもあり、ナガイモのような担根体のようでもあるモノ等、さまざまな種類があるので特徴を見極める。ここでの観察が勝敗を分けるといっても過言ではないだろう。
土を洗い流したら、根を抗菌剤に浸す。いよいよ鉢にどのように植え付けていくかを考えて、スポンジに切り込みを入れていく。記者はたまたま外科用のディスポーザブルメスを持っていたのでそれを使用したが、カッターナイフで一向に構わない。スポンジはかなり密度の高いものなので、植物が自立できる程度に押さえることができる。ただしあまり刃を出さずに少しずつ切っていかないとスポンジが分離してしまうので要注意。植え付けが完了したらスポンジを鉢セットして付属の砂利を敷き詰めていく。かなり多く入っているが、鉢とスポンジの間に砂利を埋めていき、残ったものを表面に置くと鉢とスポンジが固定されて安定する。

説明書に貼ってあった同社のシールを前後を区別するために用いたが、記者のイメージは「白砂が埋め尽くす南の無人島」だ。作品の批評は別の機会に譲るとして、巣ごもり中に自分のセンスで植えた植物がいつもそこにあると、気分も変わるしオンラインであえて鉢が見切れるようにフレームインさせて話題に挙げるのも楽しいだろう。(「見切れる」の本来の意味は映る予定ではないモノが映ってしまうこと)
盆栽や華道はハードルが高く難しいイメージがあり、専門知識も必要とするが本品はそのような面倒なことをすべて廃して、年代・性別を問わず純粋に楽しむことができるキットになっている。そもそも水やりの頻度が週1回程度でよく、土を使用していないので水で流れてしまうことも部屋が汚れる心配もなく、かといって造花では味気ないといこともありステイホームには最適なアイテムである。オンライン注文の場合は種類がランダムなので、到着までの楽しみというワクワク感もある。盆栽と華道の中間を思いっきり簡易にしたような感覚で気軽に楽しめる点が最大の特徴なので、記者の場合は「男のロマン盆栽入門のさらに入り口」という位置づけで試したが、ポロっと落葉した1枚の葉から根を出し増やす「葉挿し」や、親の茎だけを残してカットしたものを挿して増やす「挿し木」ができる種類もあるようなので、後々の楽しみとして挑戦したい。

子育てにちょうどいいミシン

ミシンメーカーのアックスヤマザキが販売する「子育てにちょうどいいミシン」は、夏までは品薄状態が続いた人気のミシンだ。理由は想像の通りで、マスクが手に入らなかった頃に手作り布マスクを家庭で作るためにミシンが必要になったからだ。
とはいえ、女性はともかくミシンを最後に使ったのは中学校の技術家庭科での裁縫以来だという方も多いだろう。ちなみに記者が子供の時代は家庭科室に机のようなでかい足踏みミシンがあり現役だった。
IT技術を駆使した楽ちん機能が満載で、例えば付属の針カバーにQRコードシールを貼り付けて読み込めばスマホで使い方動画にアクセスでき、針カバーはそのままスマホスタンドになるという親切設計。高度な使い方をする上級者向けの機能は思い切って省き、軽量コンパクトに重点を置いたミシンだ。オプションで刺繍もできるキットが販売されている。代表的なレシピをダウンロードでき、作り方の動画マニュアル対応がされており、それこそ家庭科のスキルで使いこなすことができるように設計されている。
35年前の記憶をたどりつつ、と思ったのだが最大の壁は「用語」だった。マニュアルも動画も非常にわかりやすく迷うことはないのだが、なにせミシンや裁縫に関する用語を完全に忘れている。カッターシャツやスーツのボタン付けくらいしかしてこなかったので、「上糸」「下糸」「ボビン」はいいとしても。「糸調子」や、今回は使用しないが「まつり縫い」と言われると完全にお手上げだ。まずは基本的な洋裁用語(和裁の知識は不要だろう)とミシンが動作する簡単な仕組みを理解してから取り組んだ方が結果的に急がば回れで、早く使いこなすことができた。

もはやマスクが手に入らない時期ではないので、個人的に急に問題になってきたエコバッグを作ることにした。今まで無料でもらっていたプラスチックバッグ(コンビニ袋)をゴミ出しに使用すると在庫が底をつき、新たにごみ袋を買わなければならないという、プラスチックごみを減らす目的だったのが本末転倒な状態に陥っている。かといってエコバッグを購入すると価格にもよるが数百回使わないと元が取れないという、こちらも本末転倒な消費者に鞭打つような施策なので、この際エコバッグを安く作ってしまおうと考えた。
型紙は必要なのか、寸法はどうやって決めるのか、裁断はどうするのか、内布は、マチは等々考えているうちにイヤになってきたので、無謀にも無計画のまま100均で材料を調達してしまった。買ってきたのはフリークロス1枚とカバンテープという持ち手になる幅広のテープ状のもの2点、しめて200円だ。
型紙もなく、裁断もせず、内布を付けず、マチもなく、設計図すらない。結論としては1枚の縦方向に長く広い布を上下方向に折り左右を縫ってしまえば袋の完成、さらに1本の長い持ち手テープを半分に切って縫い付けてしまえばOKだと考えた。マチがないのはバッグの大きさでカバーすることとして早速縫いはじめだ。
写真左上からフリークロスを2つに折って左右を縫い始める。右上、強度を高めるためにまずはジグザグ縫いにして、その上から直線縫い。左下、持ち手を縫う前にほつれを防止するためにジグザグ縫いで終端処理。右下、持ち手を2か所でジグザグ縫いの後に直線縫い。

糸切りバサミを持っていないので、手持ちの外科用メスで出ている糸をすべてカット。いろいろと細かいところは失敗しているのだが、実用上の問題はなさそうだ。
最後に裏返して出来上がりだ。耐久テストを兼ねて2リットルペットを2本入れてみたが特に問題はなく、耐荷重4キログラムをクリアした。持ち手1か所当たり平均で1キログラムの荷重なので、もう少し重くても大丈夫だろう。
マチがないのでコンビニ弁当には不向きだが、それ以外は詰め込んでも大丈夫そうだ。そしてこのミシンは本棚に入るほどの大きさしかなく片手で持てるほど軽いので、ケースやカバー、持ち手はついていないが、作ったなんちゃってエコバッグというか、トートバッグというか、お稽古カバンというか、とにかくこのバッグにミシンがすっぽり入ってしまったのだ。エコバッグかミシンのキャリーバッグか、どちらで使用するかはこれからゆっくりと考えるが、もっと修行すれば子育て中のママにはもちろんのこと、男性にも心強いアイテムになってくれるに違いない。材料費200円で35年ぶりに触ったミシンでここまでできれば上出来とした。
ミシンを使っているところを見た子供が関心を示すかもしれず、ぜひ親子でと言いたいところだが、さすがにそれは危険なので子供用には本格的だが安全な毛糸ミシン「Hug」(対象6歳以上)が販売されている。さらにそれを見た若い女性が糸とは違う風合いから関心を示すかもしれない。その場合には大人用の「Hug」があるので、家族全員が年齢と用途に応じて一家に一台ではなく一人一台の「マイミシン」で楽しんでいただきたい。

NuRIE・ NuRIEroll

マルアイが販売する「NuRIE(ヌーリエ)/ NuRIEroll(ヌーリエ ロール)」はそのものズバリ塗り絵である。な~んだ塗り絵か!と思っていたが、なかなかどうして、大人向けの塗り絵本が多く売られていて現在人気なのだそうだ。
本品は特に大人向けに限定されたものというわけではないが、コンセプトが面白いので取り上げた。
まず、NuRIE(ヌーリエ)の最大の特徴はそのサイズ。A0サイズ(1189mm×841mm)はいわゆる大判サイズのポスターだ。A4サイズを2つ合わせたものがA3、その倍がA2、さらに倍がA1で、またその倍でようやくA0サイズなので、2の4乗=A4サイズの16倍ということだ。これは家庭の場合、家族総出で塗ったとしてもかなりの時間がかかる。そこがミソで、ステイホームにはピッタリではないだろうか。
次に、NuRIEroll(ヌーリエロール)は塗り絵の紙がロール状になって箱の中に入っている、塗り絵のラップだ。もちろんスケールが入っているのでラップと同様に好きな長さに切って使って構わないのだが、全長は2280mmというから2メートル超えだ。
子供たちが大勢で寄ってたかって塗り絵をするのが本来は楽しいはずなのだが、密になるのは推奨されないので今回は子供たちの心理をよく理解している現役の幼稚園教諭にやってもらった。

幼稚園教諭の感想としては、「まず絵が細かいので大人がやり始めると想像力が広がって極めたくなります。その意味でかなり多色の色鉛筆が欲しくなります。一般的な12色でもできないことはないですが、はまれば確実に色不足になります。子供たちがやるには年長クラスであれば色鉛筆を使用して何とかなると思いますが、それより低年齢には難しかもしれません。クレヨンでは塗れない程度に細かいので小さな子供では飽きてしまうかもしれませんね。年長以上であれば大人まで何歳でもOKな、想像力と時間が必要なハマる塗り絵だと思います」とのことだった。
現実ではあり得ない鳥の色を想像してカラフルに塗っていくと、他の絵柄との調和や整合性を考えて確実に色が足らなくなるらしい。よって数十色の色鉛筆を用意して想像力を高めてから塗っていくと楽しくできるのだろう。

(写真はヌーリエロール約65㎝分を撮影した写真を合成してつなげたもの)

時間の関係でA0サイズのヌーリエまでは取り掛かれなかったようだが、約1か月の空いた時間にヌーリエロールをやり始めても65センチメートル程度しか進まなかったところを見ると、完成までにかなりの時間を要することだろう。逆に没頭できる時間がある方には最高の創作物だ。ロールタイプはカットすることができるので、家族や友達でシェアしてそれぞれの想像力と感覚で塗った絵を合わせた完成品としてを楽しむという使い方も面白い。大人も子供も情操を高める良い契機になるのではないだろうか。

本稿では巣ごもりアイテムとして特に時間を有効に使う、モノづくりや知識を深めるアイテムに注目してみた。リモートワークやステイホームで時間ができたのはいいが、環境の変化がないことへのストレスもあることだろう。趣味にするかどうかは別として、少し空いた時間の気分転換として有効活用していただき、また深めた知識や創作物で一層の好奇心、想像力や発想力、または癒しを得る契機にしてみてはいかがだろうか。

※写真はすべて記者撮影

乗り物大好き。好奇心旺盛。いいことも悪いこともあるさ。どうせなら知らないことを知って、違う価値観を覗いて、上も下も右も左もそれぞれの立ち位置で一緒に見聞を広げましょう。

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