物騒な話だが、スイスにはディグニタス(DIGNITAS)という自殺を幇助する団体があるという。医師と看護師により安楽死する方法だが、医師が作成した診療録をスイスの裁判所が許可した場合に、対象者への自殺幇助を提供するそうだ。
ジャーナリストの宮下洋一氏の著書『安楽死を遂げるまで』によると、安楽死にかかる費用は約150~200万円が相場で、安楽死は、現在、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、スイス、カナダ、アメリカの一部の州で実施されてとのこと。但し、外国人が安楽死できる国はスイスだけだそうだ。
命を絶つのに医師と看護師の力を必要とする。本来の医師と看護師の任務と真逆のことをするわけだ。しかも、約150~200万円の費用がかかる。
ただ、この先治らない病気のまま生き続ける方の気持ちを考えると『頑張って…』とは言えないし、また、不治の病を抱えた人の立場に立てば、条件が揃えば安楽死の選択もわからないでもない。
世界中で多くの人が自らの命を絶ち、また、病と闘いながらも生きている人もいる。中には肝臓や心臓の臓器移植を必要とする人がおり、肝臓は善意の提供者からの臓器待ちであったり、また、重く深い移植だが、心臓は脳死後と心臓が停止した方からの提供もある。
安楽死が世界五か国で、そしてアメリカの一部の州を含めると、ほぼ六か国で実施されているらしいが、この安楽死をされる方々の中で、臓器提供をされる方はいらっしゃるのだろうか?
地球と言う星は複雑怪奇だ。
生きたい人がいる、しかし病と闘い、命尽きる人もいるし、若く元気な命を自ら絶つ人たちがいる。また、日本では当然安楽死は認められていないが、スイスという平和を象徴しているような国で安楽死が実行されていて、この国のみ外国人を受け入れている。
人気俳優の自殺のニュースは衝撃的だったが、命について考えることを投げかけた気がする。
自ら絶つ命、認められた国で施しを受けて安楽死を選ぶ命、踏みとどまる命….と命の取り扱いは自分次第。
安楽死に関しては第三者を介して死を執り行う。是非については当事者以外意見は無用だと思う。
ただ、命の扱いとして安楽死を認める国には賛同できない。
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