新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため全国各地で緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出は控えるよう要請されていました。その効果もあって少しずつ終息に向かいつつある現在。まだ気を緩めるには早いかもしれませんが、そろそろ密にならないよう配慮しながら外で美味しいごちそうを食べたりしたいものですよね。
実は筆者・ノジーマは緊急事態宣言が発令される直前に、2019年10月にオープンしたうなぎ料理店「中川屋 西麻布店」のプレスツアーにご招待いただき、名物料理の「うなぎとろろ茶漬け」を試食させていただきました。
これがもうぶっちぎりで美味しかったのですが、レポートを執筆する準備をしているうちに緊急事態宣言が発令され、飲食店の紹介をしている場合ではない情勢に。無事に緊急事態宣言が解除されることを祈りつつステイホームの日々を過ごし、中川屋のうなぎとろろ茶漬けを紹介できる日、そして再び食べに行ける日が来るのを心待ちにしてきました。
中川屋 西麻布店のうなぎとろろ茶漬け
中川屋 西麻布店のオープンは2019年10月ですが、静岡県浜松市にある本店はなんと明治10年(1877年)の創業。うなぎの名産地である浜松でもっとも歴史のあるうなぎ料理店なのだそうです。
本店はこれまでに何度もメディアで紹介され、東京からプライベートで訪問する著名人も多いそう。しかし4代目店主の村越武氏は現状に満足せず、「もっと気軽に浜松の美味しいうなぎを召し上がっていただきたい」という想いを強く持ち、東京に支店を展開することになったのです。
今回試食させていただいた「うなぎとろろ茶漬け(税別5,900円)」には、浜松産のうなぎを一度蒸してから一般的なうなぎ料理店の倍ほどの時間をかけてじっくり焼き上げ、創業以来144年間継ぎ足しながら守り続けてきたタレを絡めたものを使用しています。
これだけで食べても幸せを目一杯噛み締められるのは間違いありませんが、ホカホカご飯の上にうなぎをのせ、出汁をかけてひつまぶし風に食べたり、さらにとろろをかけた出汁茶漬けにもできるという2段階のトランスフォームも楽しめるのです。もう、幸せがあふれすぎて爆発しちゃいそう!
まずはシンプルにうなぎとご飯でいただきます。肉厚なうなぎは表面がパリパリで香ばしく、中身はふわふわでジューシーで、もちろん臭みもゼロ。タレも甘じょっぱさが濃いわけではなく、うなぎの旨味を引き出すための調味料という印象です。いやあ、これはすごい。見た目を裏切らない完璧な美味しさ!
うなぎの皮と身の間のヌルッとした食感も時間をかけてじっくり焼き上げることで取り除いているそう。この焼きの技術こそが中川屋の伝統のひとつであり、うなぎの美味しさを最も左右するポイントなのだとか。
出汁をかけてもとろろをかけても絶品! 美味しすぎて困ってしまう!
このまま一気に食べたい気持ちになってしまいますが、手元には出汁やとろろがまだそのまま残っています。ひつまぶし風のうなぎ茶漬けやとろろ茶漬けにも変化させて食べなければ!
というわけで茶碗にご飯とうなぎ、そして少しの薬味を入れてからたっぷりと出汁を注ぎます。
グワアァァァーッ、五臓六腑に染み渡るウマさ!! 口に含んだ瞬間に全身の細胞が喜んでいるのを感じました。昆布と鰹を合わせた温かい出汁がご飯とうなぎを優しく包み、ホッと癒やされる味わいに。じっくり味わって食べなきゃもったいない気がするけど、サラサラっと一気に口にかき込んでしまいたくなるウマさ!
しかしまだ手元にはとろろがある! さらにこちらにとろろを加え、とろろ茶漬けにしていただきます。
するとまたしても食感から風味まで印象がガラリと変わり、これまたたまらない美味しさ。長芋のとろろはほのかに味付けされ、うなぎや出汁と合うように細かくチューニングされているそうで、出汁ととろろを入れているのにうなぎがしっかり存在感を放っているのがすごい!
このようにお好みで3パターンの食べ方を選ぶことができるのですが、これはまったくもって正解を決められません。どうやって食べてもウマい!
その日の気分で悩みながら出汁をかけたりとろろをかけたりしつつ、食べ終えたあとに「もっと出汁をかけて食べておけばよかったかな……」などと後悔する。そんな悩みや後悔もある意味中川屋のうなぎとろろ茶漬けの魅力を引き立てる要素なのかもしれません。「次回は最初から最後まで出汁をかけずに食べるぞ!」などと誓い、店に行ったら結局出汁をかけて食べちゃってやっぱりウマい。そういうのが楽しいじゃないですか!
新型コロナウイルスの終息に向けてまだまだ予断を許さない状況ではありますが、状況を見つつぜひまた足を運びたいなと思いました。機会があればぜひ皆様も西麻布で食べられる浜松の老舗うなぎ料理屋の味を堪能してみてください。
店舗情報
中川屋 西麻布店
住所:東京都港区西麻布1-4-21 アートスクエア2F
営業時間:11時半~14時(L.O)、17時半~21時(L.O)
定休日:月曜日、第3日曜日
電話:03-5843-1833
※営業時間は変更となる場合があります。詳細は店舗にご確認ください