日本に対中「フロントライン国家」の緩衝地帯(バッファ)化を狙うトランプ

  by tomokihidachi  Tags :  

[コラージュ筆者作成]©️日本経済新聞、IUCN、朝日新聞、航空万能論GF、Newsweek JAPAN、AFPBB news、Brut.America Twitter(2020.03.06)
より筆者作成

ー日本に「(トランプ政権が開発している小型核ミサイルと相まって)短中距離ミサイルを日本に配備せよ」と米国が内政干渉してきた場合、日本は倫理的に反駁できるのか?

中国の加速度化する先端技術ミサイル開発が「専守防衛」を変える

 昨年末、筆者の取材に応じた長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の鈴木達治郎副センター長は「核でなくとも、中距離ミサイルを日本に配備するとしたら、中国にしてみれば、日本に核兵器の標的になっている自国ミサイル防衛を突破すべくミサイル弾道数を増量させている段階にある。中国は日韓に対し『先制不使用』を掲げ、あくまで米国に対する核抑止政策だ。すなわち報復核攻撃のリスクが高まるということだ。中国に在日米軍基地を攻撃する口実を与えてしまう」と警鐘を鳴らしていた。

 実際に米国からその命が下っていた日本は、被爆国として毅然たる態度を示すどころか、日米同盟の忠犬に阿る追従ぶりに終始しただけだった。日米地位協定がその権化だ。
 憲法9条と表裏一体の「専守防衛」の解釈は、従来の「必要最小限」戦力から2017年12月の戦闘機から「遠隔地の目標」を攻撃できる巡航ミサイルの導入を決定して「長距離程射化を推進」すると方針転換の軍拡を図っている。

 背景には中国の加速度化する先端ミサイル技術開発がある。例えば中距離の極超音速滑空ミサイル「DF(東風)17」。日本全土を射程に入れた「DF21」。そしてグアムを射程に入れた「DF26」が挙げられる。

 防衛省幹部は「冷戦時代と違い、日本は中国の射程内にある」。「専守防衛」の理念は活かしつつ、『矛と盾』の役割に縛られず、現実的に中国の作戦遂行を厳しくする抑止戦略に頼らないといけない」と語る。「朝日新聞」(2020年3月23日)
 すなわち「拒否的抑止」の必要性を訴えているのだ。

核抑止は次の二つに大別できる

⑴拒否的抑止…特定の攻撃的行動を物理的に阻止する能力に基づき、攻撃目標の達成可能性に関する敵の計算に働きかけて攻撃を断念させるもの。

⑵懲罰的抑止…耐え難い打撃を加える威嚇に基づき(国連憲章第51条「自衛権・威嚇違反)敵のコスト計算に働きかけて攻撃を断念させるもの。
上記2点である。

(1:拒否的)は米国の「通常兵器型即時全地球攻撃(Conventional prompt Global Strike : CPGS)」構想(非核兵器システム志向)が注目されてきた。
前出の防衛省幹部が示唆したのは同じ範疇にある「敵基地攻撃能力」を含意するものだ。
〈攻撃面〉
(A)米国は核兵器による「懲罰的抑止」に依る将来の抑止政策から、極超音速兵器技術を駆使した非核攻撃兵器に依る「拒否的抑止」を重視するものへと変わる可能性が著しい傾向にある。

(B)ロシアは西側との戦略バランスがロシア側に不利に働きつつある状況で、(2: 懲罰的)核戦力重視の巨額投資からは「何らかの政治的配当」を引き出そうとする狙いは、米露両国に先制攻撃オプションを供与。「一般抑止」が不安定化すると見られている。

〈防衛面〉
極超音速兵器の実戦配備が進めば、北朝鮮やイランからの脅威も増し、「ミサイル防衛システム(MD)」による「拒否的抑止」の実効性が低下するリスクもある。言わばMDの無効化だ。

極超音速兵器ミサイルの時代で脅威環境が増す敵性国家

 次に米国の傘の被抑止国に対する政策を見てみよう。

〈一般拡大抑止〉
米国の同盟国日韓などへの「一般拡大抑止」戦略では北朝鮮の核・ミサイル脅威に対し、日韓に「拡大抑止」を確保するため米国はCPGSを含めた「非核兵器による先制攻撃の
確保」に努めてきた」

以下の二つの根拠
⑴ 中国が極超音速兵器グライダー(hyper boost-gliders)などを開発の脅威。

⑵ロシアが同「アバンガルド」や極超音速対艦ミサイル「ブラモス」を開発という脅威。

 これら2点の根拠から導き出される「極超音速兵器」の登場で、もはや肉眼では捉えられない「マッハ5」の倍速で、変則的にいつ飛来するか掴めないことから、中国やロシアに対する脅威環境が増幅するデメリットも指摘されてきた。 

 日本随一の一流シンクタンク上席研究員の中には「北朝鮮よりも中国とロシアが日本の安全保障上の最大の脅威だ」という論客もいる。日本はかねてから二超大国の諍いの間で、海上自衛隊が国防で「フロントライン国家」と『米中間の緩衝地帯(バッファ)』として、米国に利用されているような状況だ。

 平和協定を締結するために、米国が核兵器開発の凍結を求めれば、当然北朝鮮は核の平和利用や宇宙開発での協力を求めてくるとみて、技術協力を進めれば相手の手の内も分かるため、ある程度は米国側の利益にもなる。
 米国にはその分野の専門家が少ないとの見方もあり、長期的には専門家の人材育成に注力すべきだが、現時点では米朝間で〈トラックI.V、II〉を含む人の往来を欠かしてはならない。

 確かなことは2018年末の記者会見で被爆者が憤りを見せたことだ。
 2017年の「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞授賞の際に演説したカナダ在住の被爆者、サーロー節子さん(86)が同年12月5日に自民党の岸田文雄政調会長と開襟して話ができたとする一方で、もう一人の面会者であった西村康稔内閣官房副長官が「政府としては市民を守る必要があるから核兵器を持つという選択肢もあり得る」という政府見解を示したことに対し「73年も証言活動を続けてきましたが、広島と長崎の被爆体験を最も理解しているはずの日本政府が『核禁条約』の交渉にさえ参加せず、さらにこの見解まで抱くのは被爆者として絶対に許してはならない。受け入れられない」と繰り返し何度も訴えたことを強調した(2018年12月6日、都内・PEACE BOAT事務所での記者会見・筆者取材/文責)。

「核武装解体化」を米露中といった「核保有国」にも適用可能な有効策か?外交駆け引きか?

唯一の被爆国という名称で語られることの多かった日本だが、在朝、在韓、在ブラジル、在米など、国籍の違いだけで同じ被害経験の共有ができる被爆者の方々は他国にもいる。
ロシア(チェルノブイリ)、米国(スリーマイル)、マーシャル諸島(ブラボービキニ岩礁核実験・第五福竜丸事件)、そして米傀儡政権のイスラエルがいずれも空爆したイラク(オシラック)、シリア(アルキバール)、北朝鮮(寧辺原子炉)である。
これらの原爆症被害国も五大戦勝国の冠する国際法の世界で、圧倒的に不利な立場に立たされている被爆者への損害賠償補償が十分に行き渡っていない。

日本と対照的にマーシャル諸島といえば、筆者が別稿で既に書いた2014年4月24日、故トニー・デブルム外相が中心となり、核保有国9ヶ国を相手取って国際司法裁判所(ICJ)に提訴した勇猛果敢な挑戦があった。この訴訟の被告である核保有国で、管轄権の根拠及び適用実体法の違いから対英国、インド、パキスタンの三ヶ国については2016年10月5日にそれぞれ判決が下された。しかし米、仏、中、露、イスラエル、北朝鮮に対しては「応訴管轄」を根拠としたため、ICJ規則38条「裁判の基準」5項に基づき、6ヶ国は名簿総件リスト化から外されている。いずれも敗訴とはなったが、ブルム氏ほど同時にパリ協定の理念を理解し地球温暖化に警鐘を鳴らして尽力し続けてきた人物はいなかったという。
【市民議員双方向性のスマホツール『核兵器Yes or No!?議員ウォッチ』が軍縮をもたらす】(2019.12.20)拙稿

法規範をレガシーとして残そうと戦い抜いたブルム氏とは違った形で、米国の被抑止国たる日本には何ができようか?無論ブルム氏のICJでの議論は大いに参照に値しよう。
「核廃絶」を目指すなら、従来グラスルートのICANが圧力ロビイングや銀行投資制限で為政者や財界人にプレッシャーをかけてきた取組みが既にある。草の根のNGOの力はもはや軽視し難く、「非政府側の取組にもっと政府側の人間が入ってこられるようにしなければならない」と川崎氏。
 核兵器禁止条約を核保有国の圧力に負けず徹夜で「南アフリカモデル」から取りまとめた功績を頭の隅に置いておく。
「核の武装解体化」は従来、欧米が指示して「ならず者国家(Rogue States)」北朝鮮やイラン、リビヤなどに核放棄を迫ってきた。
中でも優等生だった「南アフリカモデル」を良き例として「核武装解体化」を今度は米露に次に中国といった国際法の猛者である「核保有国」にも適用可能な有効策だと現実的に強制力をかけられるのか?あるいはただの理想郷の戯言か?
ないしは欧州の「欧州原子力共同体(EURATOM〕」の軍縮の枠組みをより学び、参照できるところは吸収すべきなのか?

日本と米国は二国間協定という「日米原子力協定」が重要だ。「国際原子力機関(IAEA)」が制定する国際条約は国内法上、原子力規制法に展開されている。
 IAEAは歴史的に見ると、南アフリカ、イラン、北朝鮮、韓国、ブラジルなど条約に違反して核兵器製造活動に従事していた国家を摘発してきた。中国が議長国として北朝鮮の非核化を進めた六者協議の際にも、日本が主導した「朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)で米国と韓国、日本と北朝鮮だけでなく関連する国家の政策で変わり得るものだ」。KEDOが過去に失敗したことを検証しなくても、中国が入ろうが入るまいが、トランプ政権にほぼ無関係ではないか。名古屋大学大学院の榎田洋一教授(原子力工学)は「枠組み作りより二国間協定の方が核兵器の国家が主体となった開発を抑えている。KEDOの時も核兵器製造施設を爆破しているのはデモンストレーションに過ぎない。KEDOの資金の当時から日本の違法な資金でこれまで北朝鮮は核開発を続けてきたということだ」と解説する。その上で榎田氏は日本は戦後からこれまで「『日米原子力協定』を日本側から強く要請して米国に結んでもらっている状態だ」また榎田氏は「日米原子力協定」のような二国間協定の方がIAEAの査察より、国家が主体となった核兵器開発を抑えるには効果が高い」と指摘する。すなわち「共和党だろうが民主党だろうが政権をいずれが掌握しようとも日本政府にしてみれば長年に及ぶ原子力政策に大差はない」と言うのだ。

果たして本当にそうだと言い切れるのだろうか--ー?

少なくとも今、次期米大統領選を善戦しているバーニー・サンダース民主党上院議員(バーモント州選出)には2019年1月11日に「軍拡競争防止法2019(Prevention Arms Race Act of 2019)」をカーステン・ギリブランド上院軍事委員会委員とジェフ・マークリー上院外交委員会委員と共に共同で行政立法案を提出した政策活動実績がある。
ただし、サンダース民主党上院議員ではトランプ候補に勝てないのではないかと言う憶測が広がる。その点ではオバマ氏とまさに二人三脚してきたオバマの副大統領だったジョー・バイデン民主党候補には変革の勢いはないが絶対的安定感がある。

思いを馳せれば、オバマ構想時も米国が核保有を続けながら「核なき世界」を主張するのは矛盾を孕んでいた。現有の不拡散レジームでは途上国が重視する通常戦力の削減は含まれておらず、核でも不拡散を重視する一方、核軍縮を軽視しているし、核抑止が国際的な戦略安定に不可欠なこともあるとの批判がなされてきた。

2009年に行った「核なき世界」のプラハ演説でノーベル平和賞を受賞した後、オバマ氏は核実験を行った。2014年2月に国家核安全保障局(NNSA)はロスアラモス国立研究所とサンディアゴ国立研究所でB61核爆弾の臨海前核実験を行った。米露戦略核削減条約(新START)対象弾道数は世界第1位のロシアの4330弾(2020年4月2日)時点に次ぎ米国は3800弾を(同)保有している。「核・ミサイル技術の進歩には繋がりにくいが相手の情報は得られる」という外交上の駆け引きに利用できる外交官や政治家、専門家の往来は不可欠である。またピープル・トゥー・ピープルの民間外交レベルでも北朝鮮元高官との接触と、人の往来を欠かすべきではない。
近年では米国が主導する「軍縮検証のための国際パートナーシップ(International Partnership for Nuclear Disarmament Verification : IPNDV)の取組もある。

ーまた国外に搬出できず、現地で監視機能を強化する場合は?
 前出の鈴木氏は「『北東アジア非核兵器地帯』ができれば検証制度を作って、北朝鮮も韓国も両方検証できるはずだ。条約がなければ北朝鮮と韓国の両国を相互検証する仕組みが必要なので、「ブラジル・アルゼンチン核物質計量管理機関(ABACC)」が参考になる。例えば北朝鮮の専門家が韓国を訪れて検証し、韓国の専門家が訪朝して相互に検証し合うという仕組み作りだ。北朝鮮の核解体の検証には、機微なノウハウが漏れないよう核兵器国の専門家を含む国連の特別査察官らの調査チームを作って検証する方法も検討すべきだ」との北朝鮮非核化の検証制度の在り方を2018年に筆者の取材に力説していた。

―米政府直系の軍事シンクタンク「ランド研究所」から米国の概念上国防戦略において、インド・太平洋地域で2番目のプライオリティーになっている「台湾」を防衛するため、「Minami Ryukyu」の表記で沖縄の小島嶼群と宮古島にも在日米軍はミサイル基地を建築してきた。

鈴木氏は「まさに今、緊張が高まっている。米国の核戦略としては、米露が中距核戦力(INF)全廃条約から脱退して今後、中国も含めた三カ国の軍縮の枠組みを作っていく方向に転換できるか模索している。しかし核でなくとも通常であろうと、中国に対する脅威が増していく方向に動いて行けば、中国としても「軍拡」の方向へと進む。そして中国の脅威に対抗する形でも結果的には「軍拡」へと突き進むだろう」と予見していた。

びた一文払わないトランプ政権側「核武装論者」を斬る

 北朝鮮が核抑止に基づく核兵器開発が金正恩一強独裁体制を維持する唯一の政治になっていることは自明の理だ。
「WSJ」に寄稿した国際政治学者のウォルター・ラッセル・ミード氏が「日本が核武装し、つられて韓国や台湾も核武装した方が中国の台頭を抑止できるし、日韓から米軍が撤退できて防衛費を節約できるので好ましい」などと米国には北朝鮮との戦争かアジア覇権の放棄かの二択しかないかのように第四次米朝核危機の際、囃したてていた。
このような暴論に騙されてはならない。

この議論の論点は「防衛費の節約」である。

北朝鮮と取引するのが困難なのは、核抑止の政策と演習の存在を支持するための支柱として原子力が使われることが研究に価値をもたらしているためだ。それに直面したアジアにおける核兵器使用の影響力と準備とは解決策ではない。

 しかし日本は核兵器禁止条約に批准せず、米国の核の傘に甘んじ「核廃絶」を本気で目指そうとはしていない。根拠とは、2017年2月10日の安倍・トランプ日米共同声明で「核及び通常戦力の双方によるあらゆる種類の米軍の軍事力を使った日本の防衛」を行うと明記してしまったことと、その「核武装解体化」を米露中といった「核保有国」にも適用可能な有効策化か?外交駆け引きか?だ。

ーそもそも米国には日本を防衛する「意思」はあるのか?
政府は2019年3学末までの予算まで2000億円(1848億円)を概算で計上している。
2014年「集団的自衛権」閣議決定後もオバマ政権期から米国は在日米軍駐留費を減らすどころかむしろ2141億円と倍増させた。また「安保法制」施行後は1899億円と相対比を知らずして見ている時、留意しなければならない。さらに2019年G20大阪サミット後の記者会見では、トランプ氏は「我々の国ではない国をなぜ米国が守らなければならないのか?」との発言が物議を醸し、安倍首相を含む同盟各国首脳らの肝を冷やした。

軍事諸経費だけ日本に拠出させておいた「イージス・アショア」は単なるレーダーに過ぎない。イージス・アショア自体を護らねばならない武装兵器を同時に設置しなければ単に「無用の長物」だ。
こんなものを筆頭に日米軍事貿易を推し進めるトランプ政権。
2018年の6.12の際も政治ショーにメディアは利用された。実際トランプ氏はビジネスマンとして、日中韓に全ての資金をださせる高額出資などフレームワーク作りの重責を担わせてきた。当の本人は金正恩との書簡のやりとりを楽しみ、サプライズ会談に興じている。トランプ氏はびた一文払っていない。

そもそも北朝鮮は軍事資金とすべき経済制裁の撤廃や米国大統領との接見、朝鮮戦争の終結という狙いがある。金正恩氏は文字通り中国の習近平国家主席という強力な経済支援の後ろ盾を付け、COVID-19 の終息を見計らいながらいつ訪中カードを切るか呻吟している。あの危機の際、韓国の文在寅大統領が「国連世界食糧援助計画(WFP)」を通じてカネを渡さない代わりに食糧を支援した。その際、飢餓し掛けた兵士や軍部には行き渡ったかもしれない。しかしコチャビや強制就労所に打ち込まれた囚人にまで行き渡ったかは想像だに難い。強制収容されてしまう者の大半は金一強独裁に理由もなく収監されてしまう日々の糧に刹那的な一般民間人だからだ。監視員を立て透明化を図るくらいのことはすべきだったのではないか。

詰まるところ北朝鮮最大関心事の「羅先特別工業地帯」への投資という人参をぶら下げて金正恩の乗る白馬を走らせるしかない。トランプ氏にも日本の拉致問題など解決する気など、毛頭ないのだ。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」などに掲載された、党中央委第7期第5回総会についての報道によれば、金正恩労働党委員長は報告で「今日の『正面突破』戦での基本の戦線は経済部門だ」と断言。すなわち「すべての党組織と幹部は、(軍事面ではなく経済政策で)『自力更生』の威力で敵の制裁・封鎖策動を総破綻させるための『正面突破』戦に邁進すべきである」とした。
 「並進路線」から「経済集中路線」に転換しCOVID19には「経済自力更生」で「正面突破」して立ち向かおうというのだ。米韓軍事合同演習延期でも非核化には波乱の一幕である。

被爆国・日本も参画する「北東アジア友好協力国際条約」(仮)で外交的解決を」

白鴎大学の高畑昭男教授(国際関係論)は「道義的現実主義」のトランプ外交について次のように指摘していた。「トランプ大統領の国家安全保障戦略は『力による平和(peace through strength)』に回帰した。1980年代のロナルド・レーガン政権時から引き継いで道義的現実主義に取り入れられた。トランプ政権は北朝鮮に対し最大限の圧力を維持し、イランの核合意からも離脱した。核兵器以外にも他国に武装勢力を送り込んだり、長距離ミサイルの開発を続けるイランには核合意だけでは不十分だということだ。

「非核化が進み、朝鮮戦争の終戦宣言が出せたら、あるいは逆に米朝の関係が悪化すれば、北朝鮮は日本との関係性を見直す機運が巡ってくる可能性がある」と前出の高畑氏は指摘する。
日本には朝鮮半島を植民地支配した加害の歴史があるが、同時に米国の投下した原爆による在韓・在朝被爆者という同じ「被害の経験」を共有できるはずだ。
高畑氏は「朝鮮戦争当事国の枠組みの外にロシアも加えた平和の枠組み合意として被爆国の日本も参画するとすれば、別立てで仮に『北東アジア友好協力国際条約』(仮)というものを6カ国で取りまとめるという案も考えられるのではないだろうか?」と政策提言した。

tomokihidachi

2003年、日芸文芸学科卒業。マガジンハウス「ダ・カーポ」編集部フリー契約ライター。編プロで書籍の編集職にも関わり、Devex.Japan、「国際開発ジャーナル」で記事を発表。本に関するWEBニュースサイト「ビーカイブ」から本格的にジャーナリズムの実績を積む。この他、TBS報道局CGルーム提携企業や(株)共同テレビジョン映像取材部に勤務した。個人で新潟中越大震災取材や3.11の2週間後にボランティアとして福島に現地入り。現在は市民ライターとして執筆しながら16年目の闘病中。(株)「ログミー」編集部やクラウドソーシング系のフリー単発案件、NPO地域精神保健機構COMHBOで「コンボライター」の実績もある。(財)日本国際問題研究所「軍縮・科学技術センター」令和元年「軍縮・不拡散」合宿講座認定証取得。目下プログラミングの研修を控え体調調整しながら多くの案件にアプライ中。時代を鋭く抉る社会派作家志望!無数の不採用通知に負けず職業を選ばず様々な仕事をこなしながら書き続け、35年かけプロの作家になったノリーンエアズを敬愛。

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