世界にまだまだ立ちはだかる「言葉の壁」を、アイデアとテクノロジーで打ち砕け!
総務省(MIC)と情報通信研究機構(NICT)は、今回2回めとなる「多言語音声翻訳コンテスト」を開催。その審査会が都内で行われ、21のアイデア作品のなかから、優秀アイデア賞8作品が選ばれた。
この多言語音声翻訳コンテストは、「多言語音声翻訳技術を活用したアイデア」であれば、ハード・ソフトの別を問わず応募可能。スマートフォンアプリなども対象になる。
作品評価ポイントは、言葉の壁をどれだけなくせるか、世の中にどれだけ広まるか、アイデアがどれだけ新しいか、の3点。
今回、同コンテストに集結した21のアイデアは、10月1日から11月20日までに一次審査に応募し通過した個人・チームらの作品。ステージでは持ち時間9分でそれぞれが4名の審査員にむけてプレゼンテーションした。
一次審査を突破した21のアイデアと、優秀アイデア賞に選ばれたアイデア(★)は次のとおり。
<個人・チーム名/作品名>
さざなみ/Game Language Enhanser
加藤優弥/★多言語音声翻訳アプリを搭載したゲームソフトの開発
関係人口の未来を考える/AIジャパニーズマナーノート
災害情報の一斉送信を考える/★災害情報を音声で伝達 多言語対応型防災無線アプリ「かんたん防災無線」
外国人へのバリアフリーを考える/安心バリアフリーインバウンド旅行サービス「QR太郎君」
White Yellows/★グローバル交流の基礎を築く「文化」と「経験」の翻訳を目指したインタラクションモデルの策定
キャンパスラボAチーム/★日本料理を母国の味に翻訳 味覚スキャン
国際医療あんしんネットワーク/訪日外国人や渡航日本人が「ことばの通じない渡航先」でも安心して医療機関に受信できるネットワークを構築
Yumilab/スマートフォン端末間通信による複数言語翻訳とAR表示で龍羽学生を笑顔にしよう!
キャンパスラボCチーム/★ライブ配信をスグに翻訳! NOW 訳 LIVE
岩岬奈樹/タッチパネル式自動販売機に音声チャット機能を搭載「自動販売機で多言語サポート」
キャンパスラボAチーム/わんわんをBow Wowに!世界中のコミックの擬音語もわかる!擬音変換付き「コミック翻訳リーダー」
チーム北国のヒグマ軍団/国境なきメディアコンテンツへ
1対多・多言語会議_浪華丸/1対多・多言語会議音声翻訳会議システムと中高生国際スピーチコンテストの開催
弓削隼大/外国人観光客向けの相互翻訳機能付き音声チャットアプリの開発
吉田菜那/★スマホアプリ“Slanger”海外でも Let’s use 若者言葉!
小野淳也/音声翻訳を使って、学習の効率をサポートします!シーン別!重要別!レベル別!
防災 Team WellChat/災害時に最大効果を発揮する多言語グループチャットWellChat
市立札幌大通高等学校 遊語部/「Connection」討論、話し合いに彩を
鶴田葵、山本峰丸、塚本健人/★言語データ蓄積・学習型の母子健康手帳アプリ「Mama Supporter」
Shaberoo/★英語が身につくAIメンター付きボイス日記
2020年3月に試作品(PoC)コンテスト、応募受付中!
この多言語音声翻訳コンテストを審査したエッセイスト犬山紙子さん、東京工業大学 首藤一幸准教授、明治大学 五十嵐悠紀准教授、起業家 小川和也さんたちは、「どれもすばらしいアイデア」とコメント。
「今回は起業家という立場から審査。とくに着眼したのは、アイデアや要素が足し算なのか、掛け算なのかという点。掛け算なほど僕の好み」
「どのアイデアも掛け算だったけど、みんなの体験や課題意識から成り立っているのが多かった。きょう選ばれなかったアイデアにも意味があると思うから、これをきっかけにブラッシュアップしてほしい」(小川さん)
「愛があるアイデアがいっぱいだった。ひとつの軸で並べるのは難しいほど。大切にしたいのは、使うことで体験が変わる、世の中の体験も変わるという点。そこを大事に審査した。これからもこうしたアイデアの創出を続けてほしい」(五十嵐准教授)
今回、優秀アイデア賞に選ばれた作品は、3月14日に開催される試作品(PoC)コンテスト(2月6日締め切り)に無審査でエントリーできるうえ、上限30万円の試作準備支度金を手にできる。
―――言葉の壁をなくす日本発の多言語音声翻訳コンテスト。その詳細は公式ホームページで更新されるから、「自分も試作品(PoC)コンテストに挑戦してみたい!」という人は、チェックしてみて。