東洋のガラパゴス”小笠原”の魅力を紹介するイベントに行って来た♩小笠原諸島はリトリートな旅にぴったりな場所だった!

  by おはらん  Tags :  

公益財団法人東京都島しょ振興公社は9月22日、20代から40代の男女に向けて、”休みがとれたら2人でどこ行く?「東京の秘境、小笠原へ~初めの一歩編~」”というイベントを行った。”東京の秘境”という言葉に誘われイベントを取材したのでレポートする。

小笠原は東京都内にもかかわらず、行くのに24時間かかる場所。そのためか、”小笠原”の名前はよく聞くけど、どんな場所かよく知らないという人も多いのではないだろうか。そんな小笠原を良く知らない人たちに、小笠原の知られざる魅力をたっぷりと知ってもらい、長期の休みがとれたときに行ってもらいたいと開催されたのが”休みがとれたら2人でどこ行く?「東京の秘境、小笠原へ~初めの一歩編~」”なのである。

島レモンサワーで乾杯!

イベントが行われた場所は、竹芝客船ターミナル内にある伊豆諸島・小笠原諸島のアンテナショップ&カフェレストラン「東京愛らんど」。今回のイベントのタイトル通り、参加者は20代から30代のカップルが多め。ウェルカムドリンクのグアバジュースを飲みながら、イベントスタートの時間を待つ。南国フルーツのグアバジュースを飲むことで、会場内はどことなく和やかな雰囲気。そうこうしているうちに、手元に乾杯用に島レモンサワーが配れてきた。

『公益財団法人東京都島しょ振興公社』事務局長・石田威氏のあいさつと乾杯の音頭で、イベントがスタートした。

これから繰り広げられるイベントの内容に、密かにワクワクしながら、島レモンサワーを美味しくいただく。

舌で小笠原を堪能

今回のイベントでは、小笠原の旬の食材を使ったメニューやおしゃれなカクテルを味わえるという楽しみがあった。知らない土地を知る時、五感を使って知るというのはとても有効な手段であると感じる。特に、舌でその土地の特産物を味合わせるのは、とても印象に残りやすいものだ。

温暖な気候を活かした食材がたくさん

料理が提供される前に、JA東京島しょ小笠原母島店の方による、小笠原諸島の特産食材の説明受けた。温暖な小笠原地方には、南国特有の農作物やフルーツが豊富にあるとのこと。乾杯の時に提供された”島レモンサワー”の中に入っていた島レモンは、普通のレモンとは違って皮が青いうちから食べることができるんだとか。

”四角豆”というサヤに4枚の翼のようなヒダがついたユニークな形の豆。真っ赤な外見とゴマ塩模様の内身のギャップが凄い”ドラゴンフルーツ”というサボテン科のフルーツなど、食いしん坊や料理好きが興味を惹かれそうな食材の数々を紹介してくれた。

小笠原の食材は味が濃くて美味しい

料理やカクテルは、MBS『チューボーですよ』、NHK『グッと!スポーツ』などに出演経験があり、ベトナム料理やアジア料理を得意とするフードコーディネーター谷口由佳氏がプロデュースしたもの。乾杯時に提供された島レモンサワーからはじまって、一品一品、島の食材の特徴、そして調理法を丁寧に説明してくれた。

小笠原グルメ限定のメニューは、以下の通りである。

■メインディッシュ:
尾長鯛のソテーのライスペーパー包み~パッションヌクチャム~

■サイドディッシュ:
青パパイヤとエビのスパイスサラダ
尾長鯛のトマト煮込みのオープンサンド

■デザート:
小笠原フルーツのチェー

一品ずつ出てくるので、説明を聞きながらじっくりと小笠原の味を堪能できた。

谷口氏によれば、小笠原から運ばれてきた尾長鯛は、調理の際に新鮮過ぎて包丁が立たないくらいの弾力があったという。そんな新鮮さ抜群の尾長鯛のソテーを味わってみると、なるほど、新鮮さが食べる専門の私にも伝わってくるではないか!

箸で、身をほぐそうとしても弾力がありすぎてなかなか解れない。口に含むと、身がシコシコとしていて新鮮な魚であることを実感する。味は、魚の体臭というべき匂いはなく、甘みがあり、なおかつ身自体に旨みがしっかりとある。青味魚のようなしっかりとした味にもかかわらず、白身魚の上品さを兼ね備えた、さすが高級魚という魚の味であった。きっと、環境の良い海で育ったに違いないであろう。

今度は、「小笠原に行って、お刺身でぜひ食べてみたい」なんて思いながら次々と運ばれてくる小笠原限定の料理に舌鼓を打つ。

デザートは、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツなど小笠原のフルーツをたっぷりと使ったもの。ココナッツミルクで仕上げられたデザートは、南国の陽気な雰囲気を口の中で感じられる味わい。驚くべきことに、砂糖を一切使用していないのに、スイーツとしての甘さがしっかりある。これは、小笠原のフルーツはとても味が濃いためである。だから、砂糖を使わなくても十分な甘さを引き出せるんだとか。

恐るべし小笠原のフルーツ。ダイエット中の女子でも、小笠原ならフルーツのスイーツを心置きなく食べるということができそうだ。

デザートを食べ終わる頃、会場内に香ばしい良い香りが漂いはじめる。それは、稀少な小笠原産のコーヒーがドリップされる匂いであった。小笠原は、“コーヒーベルト”付近に位置するためコーヒー豆が栽培できるようだ。しかし、年間200㎏しか生産できない国産の“幻の豆”だそうだ。

そんな非常に稀少性の高いコーヒーをいただきながら、いよいよ今回のイベントの本題、小笠原観光の魅力についての説明だ。

小笠原専門の旅行会社があることに驚き

小笠原の魅力について説明をしてくれたのは、小笠原諸島専門の旅行会社『株式会社ナショナルランド』社長・松崎哲哉氏である。

旅行会社といえば、大手旅行会社のように国内・海外の様々な旅を扱うのが一般的。専門の旅行会社といっても、日本国内が専門であったり、海外でも例えばアメリカ専門とかフランス専門とか国別だったりというのが多い。ところがである!『株式会社ナショナルランド』は、小笠原だけを扱うピンポイントを狙った旅行会社なのである。これには、旅行好きの筆者も驚きであった。島だけで、旅行会社として成立するということは、小笠原にはかなりの魅力があるのではないかと感じられたからである。いや、ただ単に、筆者が無知過ぎるのかもしれないが…。

目で小笠原を知る

舌で小笠原を堪能した後は、目で小笠原を知る時間に。舌でかなり小笠原への興味が膨れ上がっているので、小笠原がどんなところか見てみたい。それに応えてくれるかのように、小笠原への行き方の基本情報から、観光スポット、グルメ、アクティビティなどを映像とともに紹介してくれた。さらに、小笠原ツアーの紹介もあり、小笠原への旅のイメージがぐっとしやすくなった。特に、観光スポットとの紹介では、美しすぎる小笠原の景色の数々を見せられ”小笠原に行ってみたい!”気持ちが強くなった。

父島は海ツアーがメイン

父島は、千代田区の2倍の大きさとほぼ同じだそうだ。宿泊施設は50件。大型のホテルはなく、そのほとんどがペンションや民宿だという。大型ホテルよりも宿の経営者とコミュニケーションがとりやすいペンションや民宿の方が、島をじっくりと楽しむには何かと都合が良さそうだ。

父島での観光は、主に海がメインとのこと。八丈島までは黒潮の影響受けて、海の色が緑色の入った青であるのに対して、小笠原は黒潮の影響をあまり受けないので海の色が澄んだ青なんだそう。しかも、海の匂い=磯の香りというイメージだが、小笠原の海には海藻類が少ないため”磯の香り”を感じないらしい。そんな小笠原の海を父島なら存分に堪能できるようだ。

南島

父島を訪れたら、絶対におすすめの場所が南島なんだそう。1日に100人しか島への上陸が許されていない無人島。コバルトブルーの海に白い砂浜、聞こえるのは波音だけの秘境中の秘境スポットである。ガイドブックにもよく掲載される絶景である。ここで写真を撮れば、SNS映えは間違いなさそうだ。

※毎年11月上旬~2月上旬まで植生回復のために入島禁止期間がある。

ドルフィンスイム

イルカと泳いでみたい!と思っている人も多いのでは。小笠原ではイルカと一緒に泳ぐことができる。水族館でしかお目にかかれないイルカと泳げるとは、きっと一生の思い出に残ることだろう。

母島は陸ツアーがメイン

母島は、父島から船で渡った場所にある。宿泊施設は18件。観光は、陸ツアーがメインとなる。母島の山に生えている植物の約40%が小笠原の固有種。そのため、ガイドがいないと固有種が分からないので、ツアーに参加するのがおすすめである。体力に自信がある方なら1日かけて母島の自然に触れ合うと良いだろう。一方、歩くのがちょっと苦手という方は、4時間程で周れる母島日帰りツアーがおすすめだ。

ジャングルトレッキング

ジャングルトレッキングでは、本土ではなかなか出会えない動植物に出会えるかも。

4泊6日ってまるで海外旅行?

年間25,000人もの観光客が小笠原を訪れるという。しかし、小笠原へは、週に1往復かしない船でのみしか行けないのである。さらに、東京の竹芝から父島への船旅は、24時間という長さである。つまり、国内の旅行にもかかわらず、船中泊が2日必要なのである。しかも、船は父島に着いてから4日間休み。小笠原を旅するには、最低でも4泊6日の旅になるということだ。にもかかわらず、年間25,000人もの観光客が訪れるのである。それだけ、価値ある魅力がるということなのだろう。

選ばれし者だけが行けるのが小笠原

松崎社長は、「小笠原の旅行に必要なものは、時間と財力、そして健康と運」とおしゃっていた。まずは、最低でも4泊6日という休みを取れる時間が必要なのである。そして、財力である。4泊6日の小笠原の旅行では、交通費や宿泊費だけでも約10万円はかかる。それだけの費用をかけても、小笠原には得られる価値が多いと理解する必要がある。

小笠原の観光のメインは、海や山といった自然を満喫するということになる。そのため、自然を存分に楽しめる体力が必要。さらには、台風や交通渋滞に当たらないという運も必要なのである。これらの条件が全て揃った者だけが、小笠原の旅を満喫できるのだ。

人が少なく客層もいい

小笠原は国内でありながら、さまざまな条件をクリアしなければならないので、気軽に旅できる場所とはいえないだろう。しかし、条件が厳しいからこそ、小笠原の魅力を良く知っている人たちが集まる。静かな島で、波の音や風の音を聞きながらのんびり過ごす島旅の目的地としては非常に良い場所といえるだろう。

本当の島旅を楽しめるのが小笠原

どこを切り取っても画になる自然に、美味しい島ならではの食材、そして静かな土地。訪れる客層のいい島。そんな小笠原は、お互いの愛をしっかりと確かめ合いたい新婚カップルの旅先としてピッタリな場所である。今回のイベントテーマは、”休みがとれたら2人でどこ行く?「東京の秘境、小笠原へ ~初めの一歩編~」”であったが、女性のひとり旅の行き先としても良さそうである。小笠原の旅行のおすすめシーズンは7月と11月だそう。ぜひ、有給休暇を駆使して小笠原の旅への計画を立ててみてはいかがだろうか。

(写真1枚目から10枚目まで筆者撮影)
(写真11枚は提供:東京都島しょ振興公社)
(写真12枚目はphoto by okei)
(写真13枚目は写真AC)
(写真14枚目は提供:東京都島しょ振興公社)
(写真15枚目はphoto by okei)
(写真16枚目は写真AC)

小さい頃から、好奇心旺盛で、なんでも知りたがる性格。しかも、「ねぇ、聞いて」「これって知ってる?」など自分で得た情報(?)は誰かに話したくなる性格。この性格は、大人になっても変わらず…。 現在は、その性格を生かして旅行関係を中心にキュレーションサイトなどで記事を執筆するライターをしています。おでかけ、グルメ、美容、ライフハックなどなど皆さんに役立つ情報をお伝えします。

Twitter: aki_oharan

Facebook: 1489673874676731