来年全米公開予定でキアヌ・リーブス主演の『47RONIN』は忠臣蔵のアメリカ版リメイク作品である。キアヌ・リーブスは実在しない人物を演じるらしいので、史実に基づいた映画ではなく、脚色もある忠臣蔵なのでだろう。
ハリウッドが忠臣蔵に着目してそれを映画化するのだから、日本人としては忠臣蔵を知っておきたいと1958年制作のカラー映画の忠臣蔵を見てみた。もう既に亡くなっている方々が大半だが、そうそうたる出演者で長谷川一夫、市川雷蔵、鶴田浩二、勝新太郎、女優では京マチコ、小暮美千代、若尾文子、山本富士子などなど。
鶴田浩二はかつてハンサムで知られた俳優と言うことは知っていたが、50数年前に作られたこの映画ではお互いに惹かれあう役の若尾文子との美男美女振りは、今の時代に見ても圧倒されるほどで、鶴田浩二は木村拓哉を髣髴させてあの時代にキムタク系のハンサムが存在したのだなと驚かされた。
忠臣蔵は今から300年以上も前の話で、元禄15年(1702年)12月14日、現在の両国国技館近くの松坂町の吉良邸にて、播州赤穂浅野家の47名の浪士が、吉良上野介の屋敷に討ち入り、吉良を斬りつけた事件である。(詳細はウィキペディアにてご参照
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%A0%E8%87%A3%E8%94%B5)
主君に仕える浪士たちの忠義、結束、信念など、日本人の心ここに極めり!と言う実話で、その偉大なる47人の眠るお墓は泉岳寺にある。都心にありながら、どことなく下町風情が残り、30分程歩けばJR品川駅に到着する。
47士の簡素なお墓だからこそ、浪士47名が信念を貫いて後に切腹した高潔さを感じる。お墓参りに行ってよかったと泉岳寺のあの風景を回想する。
私が墓参にでかけたのは昨年の12月16日、討ち入りの12月14日の二日後だったのだが、お土産やさんのおかみさん曰く人入りは以前と比べそれほど多くなかったそうである。その日、私のほかに老夫婦と外国の取材陣数人がカメラをかかえて来ていた。本堂前にはそれだけで、47士のお墓には後に70代に見えるご婦人が数名お線香を持ってやってこられた。
日本の文化を外国が紹介することにより、日本人が興味を持つこともあるが、この忠臣蔵は日本人の誇り高き人間性を知ることが出来る映画であり、歌舞伎であり、またテレビドラマであり、そのような作品にハリウッドがこの21世紀に着目したのが嬉しい。
より理解するためには一度泉岳寺を訪れてみるとよいでしょう。このお寺の前に立つと威圧感を感じる。寅さんゆかりの帝釈天のように親しみやすいお寺ではない、あくまで私個人の印象だが……
しかし、泉岳寺はそれでいいと思うのだ。厳しき印象のお寺なれど、47士のお墓に足を踏み入れるとそこからは厳しいながらも、じんわり心が熱くなってゆくそんなお寺である。
泉岳寺ホームページ
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