アメリカの解雇の典型と日本の解雇事情を考える

  by あおぞら  Tags :  

日本もアメリカ式に業績が悪化すると人減らしを始め、世界的に名の通る会社の従業員が解雇される。アメリカの解雇は容赦ない。あるウォールストリートの証券会社では金曜日の4時に上司に呼ばれ解雇を言い渡され、残りの時間で荷物をまとめて「ハイ、さよなら」のあっけない幕切れだった。これは私の友人が解雇された状況を話してくれてわかった数ある中の解雇の一例である。

 

英語で解雇されることをFiredと言う。因みに採用されることはHiredと言う。よく似た語感であるが意味合いは全く違う。

 

アメリカで解雇にあう場合は、上司との相性が悪いケースが多い。本当の理由がそうであっても、表向きにはそれを解雇理由にはせず、いろいろと理由をつけてくる。

 

もしも、上司が部下を嫌っての解雇であれば、解雇された部下は訴訟できるし、またそのような解雇専門の弁護士がアメリカには五万といるから、確実に解雇された側が勝訴するであろう。

 

企業側はこのデリケートな問題をうまいこと処理してきたのだ、しかも企業が大手になればなるほど解雇の際には、入念な解雇パッケージが用意される。

 

数か月分の給与が一括で支払われる。その間は企業側が健康保険等の福利厚生を雇用時のままで解雇者に一定期間与えられる。

また、カウンセリングや精神面でのサポートをやはり一定期間受けられる場合もある。但し、それらの所謂”パッケージ”と呼ばれる”解雇セット”を受け取るには、企業が書き示す覚書に同意する必要がある。それは会社のことは一切公言いたしませんが趣旨の書面なのである。

 

企業は解雇することで一時的には出費がかさむように思えるが、解雇する側に恨みを買われて訴訟されるより余程安くつくのだ。

 

アメリカ社会ではこの解雇され自殺するという日本のような悲惨なケースはあまり聞かない。日本人のような会社へ忠誠を尽くす人が多くなく、採用されることは解雇も考えられるという心積もりが浸透しているのかも知れない。

 

日本の複数の大手企業は多くの社員を解雇しているが、アメリカの解雇と日本の解雇は全く違うもののように思える。日本は創意工夫して、一致団結すれば、そして、自分達の給与を下げてもいいから会社に貢献しようとする人たちが多いように思えるのだ。これは末端の社員が思ったところで、最終的に決断するのは上層部であるのだけど、日本人がもっと義理と人情をもち、正義を貫こうとするのなら、道はいくらでも開けるような気がするのだ。

 

日本の首相がコロコロ変わり、信念のない小粒首相ばかりの入れ替わりのように、日本の経営陣も小粒になってしまったから、このなにかあったら解雇するアメリカ式が定着したとすれば残念でならない。

 

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