”チャイナスーツは日本で流行るか?”仕掛け人の日本人「すべては夢のために…」

ゆーちゃんの中国ビジネス観察日記 VOl.2

現在、日本における中国語言語者である華人・華僑の居住地区は、日本三大中華街(横浜、神戸、長崎)に代表されるように、一般的に”中華街”の名称で呼ばれています。

150年を超える歴史をもつ横浜中華街になりますと、1955年以前は”唐人町”と呼ばれていましたが、やはりそれも今では『横浜中華街』の名称で統一されております。

そういった日本の背景事情がありますので、以前、自分がアメリカのニューヨークに滞在していた時も、中国人の友人に「キャナル・ストリートの中華街に行きたい」と言ったところ、「ん?中華街!?唐人街のことじゃないのかい?」と指摘され、ここでは言い回しが違うのかとビックリした経験があります。

そう、海外において、アメリカ、東南アジア、ヨーロッパ等の中国系住民の居住地区は、一般的に『唐人街』と呼ばれており、そこに住む華僑たちは、自らを”唐人”を自称することが少なくありません。

というのは、一国としての栄華を極めた唐代(618年~907年)を、昔から中国人が誇らしく感じている歴史的背景があるからです。

そんな唐人街に住む唐人たちの中国伝統風格の服装が『唐装(チャイナスーツ)』と呼ばれる中国式服装です。

日本では、カンフー、コスプレ等のイメージが強い”唐装”ですが、海外では日本以上に普段使いできるカジュアルなアイテムとして、華人同士の集まりや、催しの際の礼服としても広く着用されています。

そんな『唐装』を、もし日本で気軽に着用できる環境があれば、これまで以上に日本人が、来日する中国の人たちと気軽に交流が出来るのではないか?

そう考え、クラウドファンティングで『唐装プロジェクト』という、オリジナルの唐装(チャイナスーツ)の販売を企画しているのが、普段、コンサル会社に勤務する傍ら、定期的に『夢カフェin Chinese』という日本人と中国人がお互いの夢を語り合う、文化・言語交流活動を主催している山崎健人さんです。

山崎さんに今回、クラウドファンティングをしようと思った理由を訊ねると「今、日本で将来の夢がある新成人は54.4%で過去最低なんて記事がちょっと前に出てたけど、そもそも日本って夢がないわけではなくて、夢を語る場がないんじゃないか。って思うわけですよ。僕の主催している夢カフェは、自身の実現したい夢を語る場所。そして、クラウドファンティングは、自身の夢を実現出来る場所。日本人は、まだまだ日本にいる中国人をイチ労働者としてしか見ていない現状がある。彼らは常に日本人と同じ働きを求められがちで、中国人としてのアイデンティティを発揮できる場所が少ない。だから、僕は彼らが日本において自己実現できる場所を作っていきたい。そのために、まずは僕が先陣を切って今回のクラウドファンティングに挑戦しようと思います。」と自身の抱負を語ってくださいました。

また今回、『唐装プロジェクト』を立ち上げたキッカケは、「僕自身、”唐装”が欲しかったけど、日本には日常的にカジュアルに着れるような服が中々なくて、もしかしたら、僕みたいに困っている人が結構いて、意外に需要があるんじゃないかと思ったことと、中国の旅行者が日本に来た時に、日本人が今よりもっと彼らと気軽に話せるような、そんな環境作りをしていきたいって思ったんです。」とのことでした。

山崎さんのファッションプロジェクトは、単に”唐装”を販売するだけにとどまらず、多くの人たちの新たなライフスタイルを支える未来の創出なのかもしれません。

そこには、日本と中国を繋ぐ無限の可能性、壮大な夢があるように思えてならないのです。

※写真はすべて記者撮影

ゆーちゃん

99年より、大好きだった三国志に触発され中国留学を決意。数年の北京生活を経て、中国という国の魅力にドハマりする。自身が代表を勤める『一般社団法人Japanese & Mandarin Union-JMU』は、日本最大級のミス中国語コンテスト『ミス・マンダリン』などの大型イベントを運営する首都圏最大の中国語コミュニティの1つとなっている。

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