平成の有馬記念と経済史のまとめ

  by アルナオ  Tags :  

明けましておめでとうございます。
平成も残すところあと少しですが、お正月に平成の経済史を復習して、新しい時代を迎えてみませんか?
世相を映すと言われる有馬記念と連動させると、次に来るものが見えてくるような気がします。

オグリキャップ奇跡の復活とバブル崩壊

景気というものは、けん引するものがないとなかなか良くなりません。
高度成長期には、三種の神器と呼ばれた家電製品が消費をけん引し、V9を達成した巨人の王・長嶋や柏鵬時代を築いた大鵬といったスター選手も景気をけん引していました。
平成の幕開けは、バブル景気と競馬ブーム。
特にオグリキャップと武豊騎手のコンビは、競馬場に女性を誘引することになりました。
そして迎えたラストラン。オグリキャップは奇跡の復活を見せて、多くのファンを感動させました。
翌1991年。競馬ブームをけん引したオグリキャップがターフを去ると、バブルが崩壊してしまうのです。

不況の対処法

スターホースが引退するとファンが減ってしまいます。
オグリキャップの引退後、アメリカから輸入されたサンデーサイレンスの産駒が活躍して競馬人気は衰えず、平成8年有馬記念の売上は875億円に達して、ギネス記録にもなっています。
経済でも競馬界のように外国からの導入で立て直そうとしますが、イギリスの経済学者ケインズの理論を使った政策はうまくいかなかったのです。
三冠馬ナリタブライアンの引退後、神の馬ラムタラを導入してもうまくいかなかったように。

日本風のアレンジとサンデーの終着駅

2001年からの小泉改革もケインズ経済学路線ですが、郵政解散など国民をまきこんで、いざなみ景気と呼ばれる一定の成果をあげました。
競馬ではジャパンカップでも外国馬が活躍しなくなり、代わりに外国人騎手が活躍し始めます。親日家のペリエ騎手やルメール騎手による4年連続勝利は、日本風にアレンジできたことを表していると思われます。
そして長く競馬界を盛り上げてきたサンデーサイレンスの傑作ディープインパクトが現れ、競馬人気も復活しました。
サンデーサイレンス最後のG1産駒マツリダゴッホが有馬記念を制したのは2007年12月。その翌年にリーマンショックが起こり、景気回復も終わりを告げたのです。

東日本大震災からの復興と祭りの終わり

2011年3月11日、東日本大震災が発生。その影響で開催地が変更となった皐月賞を勝ったのが、後の三冠馬オルフェーヴル。
翌年から2年連続して凱旋門賞に挑戦し、どちらも2着。引退レースの有馬記念も制覇し、2013年からのアベノミクスと相まって、景気回復に一役買ったはずです。
平成終盤に出てきたのがキタサンブラック。騎手が武豊、馬主が北島三郎ということもあり、何かと話題の多い馬でした。
『まつり』の歌とともにターフを去ったキタサンブラック。そして経済もピークアウトを迎え、2018年の年間株価はアベノミクス下で初めての下落になりました。

新しい時代はどうなる?

有馬記念と経済史を並べてみると、オグリキャップの引退とバブル崩壊、サンデー直仔の終わりとリーマンショック、オルフェーヴルとアベノミクスというように、競馬と経済がリンクしているのが分かります。

今後を占う上で重要になるのが2018年の有馬記念です。
勝ったブラストワンピースの父はイギリスからやってきたハービンジャー。
世相はTPP発効と外国人労働者の受け入れです。

サンデーの子孫が増えすぎて行き詰ってきた競馬界の救世主がハービンジャーなら、後退してきたアベノミクスの救世主も外国ということになります。
ハービンジャーのようにうまくいくのでしょうか?
ハービンジャーはノーザンダンサー系で、昭和の後期に流行った血統なのです。
つまり、もともと日本に根付いていたものを再輸入しただけで、アレンジの必要はほとんどなかったのです。

日本風にアレンジして導入すると成功するという歴史があるのに、TPPや外国人労働者はアレンジが不足しています。
TPPも外国人労働者もうまくいかない可能性が高く、安い労働者と製品の流入で、物価は下がっても賃金も下がってしまい、社会保険料やNHK受信料などが重くのしかかってきて、サバイバルの時代になりそうです。

(画像は神奈川県の大山から筆者が撮影した初日の出)

何でもかんでも競馬に例えてしまうのが悪い癖なので、競馬は門外漢という皆様には読みにくいかもしれません。逆に競馬好きの皆様は法律経済のあたりがわかりやすくなるかも?