全国のラーメンを食べ歩くラーメンミュージシャン、井手隊長です。先日、ガジェット通信編集部の会議室にて二郎系カップ麺5品の並べ喰いクロスレビューを行った。どのパッケージも黄色で“ラーメン二郎”を意識したもの。
並べて食べてみるとそれぞれの個性が立っているのと、カップ麺という制約の中でどう二郎を再現しているのかというのがよくわかり、非常に興味深い結果となった(詳しくはノジーマ氏の記事を参照)。
話題の二郎系カップ麺を食べ比べ! どのカップ麺も最高にウマいがクサい!! ガジェ通グルメクロスレビュー
https://getnews.jp/archives/2380953
その中で、ダントツのクオリティを見せたのが「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」である。
まず、その驚きポイントをまとめておこう。
1.価格がなんと“日高屋”超えの約400円!
希望小売価格が368円(税別)と、消費税を入れたらほぼ400円という高価格。
カップ麺ではおよそ見ない値段設定で、“日高屋”の店舗で食べる中華そばの355円(税別)を上回ってしまった。価格だけ聞くと「高い!」というイメージしかないが……。
2.麺がカップ麺レベルをはるかに超えた太さ!
▲カップ麺にしてこの太さ!
二郎といえば太麺。太さの限界にチャレンジした満足感のある太麺。ノンフライ麺の限界レベルの太さで、5分茹ででもっちりとした食感の太麺が仕上がる。
3.“アブラ増し袋”が付いてくる!
▲アブラ増し袋! 蓋に乗せるのはNGだ
ラーメンが完成した後になんと上からアブラマシができる。真っ白なそのアブラはまさに二郎のアブラマシ!
しかもアブラにはニンニクの香りが付いていて、香味油的な役割も担っている。蓋の上で温めるとアブラが溶け出してしまい、白さが残らないのでNG。常温で置いておくのがルール。
4.チャーシューがリアル!
▲この厚みと焼き目!
袋に入った大きめのチャーシューは、厚みがあって焼き目まで付いているリアル版。お湯で戻した後のリアル感も本当に凄い。
完成版の見た目からしてテンションが上がる!
▲完成版はこうなる
味だが、まず醤油のキレ、立ち方が他の商品とは全然違う。食塩相当量が1食あたり7.5gとかなりのハードパンチャーだが、二郎の醤油感をうまく表現している。
ここに太麺、大ぶりチャーシュー、多めのキャベツ、そして極め付けのアブラ増し袋と、リアルの応酬だ。
“二郎インスパイア系で、盛り盛りのヤサイを平らげた後”ぐらいの感じといえばちょうどいいだろうか。
完全な二郎ではもちろんないし、ヤサイの盛りなどは限界があるが、カップ麺の範疇は大きく超えた二郎系といえる。
ネットを見ると価格の部分で賛否両論分かれているが、この「豚ラ王」は
日清ラ王のチームが、カップ麺という制約の中で二郎に寄せるだけ寄せてみたチャレンジ商品
と受け止めるべきだろう。
価格は考えずにとにかく二郎を追求し続けた結果、売価が400円になってしまったということなのではないかと思われる。
本当に各社の開発部隊の研究心には頭が下がるが、果たしてこれを超える二郎系カップ麺は出てくるのだろうか?
この先は、コンビニのレジで“コール”を聞いてくれるカップ麺ぐらいしか思いつかない。レジで「ヤサイマシ、ニンニク、アブラ、カラメ!」と叫ぶ日が来るかもしれない。