びっくりしました、イチローがマリナーズからヤンキースに移籍して既にヤンキースのユニフォームを着、さっきまでいたようなマリナーズとセーフコフィールドで対戦しているのですから。
日本語放送でその試合の一部を見ることが出来ました。それに移籍に関しての会見も見ることが出来ました。そしてチチローこと父親の鈴木宣之さんが自宅前でインタビューされている映像も映りました。
これらの映像を見てすべてが爽やかで、愛される選手、野球の本場に日本から乗り込んでずっと現役を続けられる勝因を私なりに考えてみたのですが、野球以外の要素が強いと思うのです。
野球以外?と思われるでしょうが、野球選手ですから強くて当たり前なのですが、その強さと同じくらいに人間性も引き上げないと、野球選手としての足元がぐらつくのではないかと思うのです。ある日本人選手が過去ヤンキースで活躍しました、入団当初は歓迎ムードでしたが、後にマスコミから態度が悪いと叩かれ始め、それに対してその日本人選手がキレてしまい、球団と折り合いがうまく行かず結局放出される結果になってしまったようでした。英語の環境の中に飛び込み日本語が話せない世界では、言葉でうまくコミュニケーションが取れない分だけ正しい態度を示すことが大事だと思います。
例えばイチローがごく最近までいたマリーナーズと、移籍後のヤンキース選手として対戦した際、慣れ親しんだマリナーズのホームグラウンドのセーフコフィールドのバッターボックスに敵側として立ち、スタンディングオベーションで観客に迎え入れられた時、ヘルメットを丁寧にとって一度ならず各方角に美しきおじぎをしたのです。
おじぎには角度があり会釈が15度、敬礼が30度、最敬礼が45度とされています。これはたまたま読んでいる『人をひきつける「上品な人」といわれる技術』にありますが、この本にあるように『ヒョイと首を突き出したり、頭をピョコンと下げるような会釈はおじぎとは言えない。背筋を伸ばして体を折るのがおじぎである。』イチローのおじぎはまさにこれで視覚からも美しいのです。
そして移籍に関しての記者会見ではマリナーズに対しての思いを質問された際、凛々しい表情で暫し沈黙を保ち、その後発せられた言葉は「この間で察してください」この対応もあまりに見事でうっとりため息がでそうです。
この偉大なる大リーガーを育てた鈴木宣之氏がテレビカメラ前にインタビューをされている時、人柄のよさそうな表情で「使ってもらえるところがあるなら、まだまだ」、この謙虚さはなんなんでしょう!天下のイチローですよ、その天下のイチローだからこそヤンキースに移籍できるのですよ、それでもってこの奥ゆかしさ、チチロー氏にも頭が下がります。
この礼儀正しく、謙虚なイチローの姿勢は剣道の理念の礼に始まり礼に終わるに相通じるものがあると思い『イチロー 剣道』で検索にかけるとイチローが剣道打法とやらをしているのを発見!物事における全ての美点を取り入れて心技で成長しているのでしょう。
イチローには華がある、威厳がある、そして親しみやすさもある。
ニューヨークヤンキースのイチローとしてニューヨーカーを魅了して欲しいですね、野球でそして人間性で……
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