用もないのに110番してくるバカ通報者たち!

  by 丸野裕行  Tags :  

どうもどうも、特殊犯罪アナリスト&裏社会ライターの丸野裕行です。
今年5月、日本経済新聞の紙面にこのような記事が掲載されました。
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緊急性ない「相談」扱い、17年208万件 警察庁 

全国の警察が2017年、110番通報とは別で、緊急対応を必要としない「相談」として取り扱った事案は208万2239件で過去最多だったことが28日、警察庁のまとめで分かった。担当者は「ご近所トラブルや家庭問題が増え続けており、悩み事の受け皿となっていた地域コミュニティーの衰退が影響した可能性がある」と指摘する。

=中略=

内容別で見ると、「上階の住人の歩く音がうるさい」といった家庭・職場・近隣関連が24万956件(11.6%)で、08年の約1.7倍に増えた。「落書きがある」といった迷惑行為関連は12万8258件(6.2%)で、2倍以上となった。意味が不明な内容も7万8692件(3.8%)あった。
                                          〔2018/5/28 共同〕
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なんと、この110番通報のうちの2割近くが緊急対応を必要としないものだというのです。

事件・事故の緊急通報用電話である、110番通報。本来なら一般市民が巻き込まれる事故・事件の処理のために機能するはず。
しかし、モラル低下が著しい昨今では「使わないことが損」だと言わんばかりに、緊急性のない110番や事件事故と関係のない相談が増加し、各地の警察が悲鳴をあげているといいます。

今回取材したのは、通信司令室で働いている現役警察官の藤村氏(仮名)。毎日信じられない通報者の相手に追われているといいます。ただでさえ多忙を極める現場で苦労する彼らの嘆きを聞いてもらいたいと思います。

1日1500件もの通報に追われる

告白者/藤村亮(仮名)関西某市 36才 警察官

オレがZ県警本部の生活安全地域部通信司令課指令室に配属されたのは、11年前の平成19年。

通信指令室には45名の警察官(女性警察官8名を含む)が勤務しており、通信指令官(警視)以下16名が、変則3交替の24時間体制で当直勤務している。1日あたり平均1500件あまりの通報を受理し、府内の通報に対応。

通報者は“地元の警察署にかかっている”と思っている人間も多いが、Z県内の110番は、原則としてZ県警警察本部の通信指令室に接続される。

通信司令室は交番や軌道捜査隊と同じく交替制勤務制で、当番(2日にわたり16時間勤務)、非番、週休(または日勤)の三交替制で動く。かなりハードな勤務体制で体調を崩す者も少なくない。

110番の受理中に指令台勤務員が、カーロケータシステムを活用して、事件・事故の処理を管轄する警察署や現場付近を走行しているパトカーに無線で“臨場指令”を行うのが、仕事内容だ。

クレーマーまで電話をかけてくる有様

ずっと受理台の前に座り、通報者たちの話に耳を傾けるのも精神力がいる。電話の受答えと対応に遅れが出たりすると事件によっては重大な事態につながるからだ。正確な場所(町名番地、目標物等)を聞き出し、事件や事故の発生場所を特定するのに苦労もする。

時には、「早く来い!」だとか「電話の応対が悪い、責任者を出せ!」などのクレームもある。

通信畑で約10年。市民のために日夜努力しなければならない立場ではあるが、怒り心頭の相手を何とか宥(なだ)めたりとモンスターペアレントでもあるまいし、クレームまで押しつけられるとたまったもんじゃない。

そして、通信司令室のメンバーたちが最近一番頭を悩ませているのが、不可解で道徳はずれの非常識電話だ。実際、モラルに欠けた通報が重なった結果、警察官の現場到着が遅れるなど影響も出ており、警視庁では週に1度は30秒以上、110番回線がふさがる事態が起きている。

こんな電話内容が増えはじめたのが、ここ10数年ほど前からだ。

身の上相談を受ける日々

8年前の通報で、困った電話の内容をオレは初めて受けた。

「はい、110番です!」

「お、おい! トイレが詰まったから警察やったらなんとかしてくれ!

は、はぁ?

「水が溢れかえってる! ティッシュが詰まったんや!! パトカー急行させてくれ!!

おいおい、どういうことやねん……。呆気にとられ、二の句を告げない通報。

しかし同僚の話では、同様の困った電話を受ける者が多数いるというのだ。通信指令室では、110番通報を受理すると、通報者と通話している受理台勤務員以外にも、指令台勤務員や受理監督台勤務員など、複数の勤務員が同時に110番通報内容を聞く。

先輩の斉藤の受理台に入った電話の会話が聞こえてきた。

嫁が私のことを邪魔者にするのよ! お願いです、刑事さん、話聞いて!

悲壮感たっぷりの70代くらいのしわがれた女性の声。

「あぁ……そうですか……。あのう、こちらの電話は緊急用ですので。あの……、相談事はちょっと……

「そう、そうやって嫁も私のことをないがしろにして、話も聞いてくれない!」

「は、はぁ……」

孫のことや見て見ぬフリの息子のことを涙ながらに話し、まるまる2時間後、満足したように彼女は一方的に電話を切った。

言葉の意味の問い合わせから雨の日のお迎えまで

この他、実際に通信司令室に入った信じられない電話の内容では…、

【部長がムカつく、なんとかならないか?】

【辞書で見つからない言葉の意味を教えてくれ!】

【114番はお金がかかるから、〇〇さんの家の電話番号を教えて】

【雨が降ってきたので、パトカーで家に送って欲しい】

【新しく購入した携帯電話の電源が入らない、どうしたいいか?】

【公園のトイレに入ったら紙がなかった、持ってきて!】

どれもこれも私的な要求ばかりだ。最近あった通報でド肝を抜かれたのは、コレ。

興奮してきた、何とかしろ!

「はい、110番です!」

い、今……路上で男と女が!

切羽詰った電話の主。なにがあったんや!

「落ち着いて! そ、それで、どないしました!!

キスしてる! まさぐり合ってる! 興奮してきた!

「は、はぁ?」

「オレにはなんで女がいーへんのや! なんとかしてくれ!!

なんやコイツ、ホンマ信じられへん……、何考えとるんや!

全国の警察本部では、神奈川、石川、広島など、ほとんどの都道府県の警察本部が、事件事故と無関係の通報・相談の実態を確認しました。

なんでもないことでの通報、ましてやいたずらでの110番通報は犯罪です。
緊急な事件・事故の対応に支障をきたすので、絶対にしないでほしいと思います。緊急ではない相談・要望等については、警察相談電話《#9110》や最寄りの警察署・交番へ。

どうか今一度、110番にかけるべき通報かどうか良識を持って判断してほしいと思います。

(C)写真AC

丸野裕行

丸野裕行(まるのひろゆき) 1976年京都生まれ。 小説家、脚本家、フリーライター、映画プロデューサー、株式会社オトコノアジト代表取締役。 作家として様々な書籍や雑誌に寄稿。発禁処分の著書『木屋町DARUMA』を遠藤憲一主演で映画化。 『丸野裕行の裏ネタJournal』や『初めての不動産投資マガジン』などのポータルサイト編集長、文化人タレントとして、BSスカパー『ダラケseason14』、TBS『サンデージャポン』、テレビ朝日『EXD44』、テレビ東京『じっくり聞いタロウ』、ABC『雨上がりのAさんの話』、AbemaTV『スピードワゴンのThe Night』、東京MX『5時に夢中!』などのテレビ・ラジオなどで活動。地元京都のコラム掲載誌『京都夜本』配布中! 執筆・テレビ出演・お仕事のご依頼は、丸野裕行公式サイト『裏ネタJournal』から↓ ↓ ↓

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