早朝テレビをつけ各局のニュースをチェックしようとしたら、どのニュースもBreaking Newとして夜の背景の若者をインタビューしていた。何事かと思いインターネットで詳細をチェックしたら、コロラド州の映画館(Century 16)にて金曜深夜『バッドマン』上映中に殺戮事件は起きた….とある。以下は7月20日付けCNNニュースの記事からの抜粋である。
■CNN) コロラド州オーロラにて、金曜早朝、最新作『バットマン』を上映中に男が銃を発砲し14人が死亡、50人が負傷したと警察官のチーフであるダン・オーツが発表した。混みあう映画館で銃を発砲した容疑者は既に拘束され取調べ中である。防弾チョッキを着用し重装備をしていた容疑者は映画館の駐車場で警察官によって拘束された。容疑者の詳細は今のところ公表されていない。■■
しかし、アメリカはこの銃によりいくつもの殺戮事件を繰り返すのであろう。銃により無差別殺人のやりきれない事件が起きるたびにテレビではそのニュースばかりを取り上げ、主要キャスターが現地に飛び入念な取材をして現場から中継する。しかし、程なくその恐ろしい大量殺人事件は風化されるように、また新しい事件は怒涛のように押し寄せ、人々の関心は次第に薄れていくのが常である。
銃などが比較的簡単に手にはいるアメリカでは、どれだけの殺人事件が銃により起きているのだろうか。銃の目的は人殺しに作られたものであろう、そんなものを州ごとに規制は違うが入手しやすいアメリカは異常であると言える。事実、朝のニュース番組でこの14人が深夜の映画館で無差別に殺されたニュースを緊張した眼差しで伝えていた男性キャスターは、今、エプロンをつけて料理のコーナーでプロのシェフについて料理をして見せている。あの緊張の面持ちのニュースを伝えていたのがウソのようだ。この切り替えも日本人の私には異常にうつる。
コロラド州といえば1994年にコロンバイン高校で無差別殺人事件が起こり、2人の高校生の銃により12名の生徒と1人の教師が殺された。2007年にはバージニア工科大学乱射事件により学生28名、教師5名が射殺された。犯人の在米韓国人の異常性にアメリカ人の中にはアジア系の若い男性を毛嫌いする現象も起きた。これらの無差別殺人事件の犯人達は犯行後自殺した。
今回のコロラド州オーロラの映画館で起きた催涙ガスを投げ14人を殺し、50人を負傷させている容疑者がどのような人物なのであるかは未だ発表されていないが、この容疑者は犯行後自殺をしていない。過去の2件の殺戮事件では犯人の3人は自殺した。裁かれる前に自ら命を絶った。
アメリカは州により死刑制度の有無があり、コロラド州は死刑制度有りである。現在死刑囚員4名。1977年以降死刑執行をしたのは1997年だけの死刑囚1名のみである。
14人の命を奪い、50人もの負傷者を出し、この容疑者は死刑執行実施州であるコロラド州では死刑は免れないであろうが、銃などを持たない国であれば、大量無差別殺人も避けられただろうし、容疑者も死刑囚として収監されることはなかったかもしれない。
アメリカの政治家は失業率を下げること、経済を上向きにすることなどを声高に叫ぶが、それよりも銃規制を叫んだ方が国家にとり大切なことではないのではないだろうか。アメリカのニュースで伝えられるのはやはり殺人事件が多く、それも銃を使った事件が圧倒的に多い。自由を誇る国であれば、この不自由な治安を解決するために、これ以上やるせない銃による殺戮事件をなくすために立ち上がるべきなのだ。
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