これ、地味に怖い話。
きのう洗濯物がよく乾かず、お気に入りTシャツから、あの雑巾のようなニオイを発しはじめた。
これ、菌の仕業ということは知っているけど、この菌よりもはるかに身近で危ない菌の話が出てきた。
それは、食中毒レベルの菌。意外と身近に潜んでいることがわかり、怖い―――。
食中毒レベルの菌でも、見た目やニオイでわからない!?
これら画像は、菌が付着した包丁・まな板を使い、加熱調理した鶏肉を切り分けてタッパーに入れて冷蔵庫で保管したときのもの。
最初の画像2枚が、その2日め。次の2枚が7日め。食中毒を引き起こすレベルの菌が付着した包丁・まな板を使うと、2日めにすでに180万個/グラムもの菌が繁殖し、7日めにも190万個/グラムもの菌が存在し続ける。
ここで驚くのは、加熱処理してる鶏肉は、「見た目もニオイも変化を感じない」という点。
目と鼻で確かめて、「だいじょうぶじゃん」といって口へ運んでしまうと、食中毒に……。
こうした調査を実施したのは、ジョンソン。衛生微生物研究センター 李新一主席研究員が監修し、一般家庭内での「つくりおき」シーンを想定し、つくりおき料理中の菌繁殖を検証したという。
この検証のなかで、「食中毒リスクがあるレベルの菌量が長期間付着していても、料理の見た目には変化が見られない」という点が、怖い。
働く主婦1000人に聞くと、思わぬ見落としが
厚生労働省が食中毒対策として「調理器具の消毒」を推奨するなか、主婦たちの認識に思わぬ見落としがあるのも、深刻。
20代~40代の働く主婦1000人にアンケート調査したところ、梅雨時期のつくりおき時の食中毒対策として、「まな板・包丁・タッパー等の調理器具を除菌・殺菌する」という人は、10%を切っていた、と。
そして、菌が付着した調理器具は、アルコール除菌剤をスプレーした場合、煮沸消毒した場合とも、菌が99%以上、減少したこともわかった。
乾いた状態でアルコール除菌だ!
こうした実情に対し、衛生微生物研究センター 李新一主席研究員は、こうアドバイスする。ポイントは「乾いた状態でアルコール除菌」だ。
「調理器具の使用後から次の調理までの時間が空く場合、意図しないかたちで調理器具に菌が付着する場合もある。だから、使用直前にアルコール除菌で除菌を行うとより効果的」
「濡れた状態でアルコール除菌剤を使用すると、アルコールが水分で薄まる可能性があり、除菌効果が低くなる恐れがある」
「アルコール除菌剤は、乾いた状態で吹きかけることで、アルコール濃度の高い状態が保たれ、より除菌効果を発揮する」
―――見た目もニオイも、変化を感じない冷蔵保存品。そのまわりには、見えない菌がブワーッと潜んでいることを、忘れずに……。