ロシア語で「真実」や「正義」を意味する『プラウダ』と言えば、旧ソ連の共産党機関紙のことです。中国の共産党機関紙『人民日報』みたいなものと言えばわかりやすいでしょうか。アニメ『ガールズ&パンツァー』に登場するソ連と関係の深いプラウダ高校を連想する人も多いかもしれません。
5月23日に、起業家のイーロン・マスク氏(以下、同氏)が「『プラウダ(Pravda)』という名称のサイトを立ち上げる」とツイートし、話題になっています。
Going to create a site where the public can rate the core truth of any article & track the credibility score over time of each journalist, editor & publication. Thinking of calling it Pravda …
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年5月23日
https://twitter.com/elonmusk/status/999367582271422464
同氏は、「一般人がジャーナリスト、編集者、出版物の信頼性を点数で評価し、時系列で信頼性評価を追跡できるサイトを作る」としています。
Create a media credibility rating site (that also flags propaganda botnets)
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年5月23日
https://twitter.com/elonmusk/status/999374720368689153
同氏の提唱するサイトが必要か否かを『Twitter』で問うと、回答数は68万以上となり、その88%が『プラウダ』のようなサイトが必要と言う結果に。
Problem solved, was able to buy https://t.co/ivSUwPqsDT! Game on …
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年5月25日
https://twitter.com/elonmusk/status/1000080833678528512
“Pravda.com”というドメインもゲットしたようです。
Musk continues his slow transformation into a media-baiting Trump figure screaming irrationally about fake news. Hope it works out for you dude! https://t.co/CtHkOip747
— Andrew J. Hawkins 🚂🚇🚀 (@andyjayhawk) 2018年5月23日
https://twitter.com/andyjayhawk/status/999356301644791808
同氏が『プラウダ』設立を表明するツイートに至ったのは、『The Verge』というテック系メディアのアンドリュー・ホーキンス記者の「マスクは徐々にフェイクニュース、フェイクニュースと見境なく叫ぶトランプのようになりつつある」というツイートがそもそものきっかけのようです。
Thought you’d say that. Anytime anyone criticizes the media, the media shrieks “You’re just like Trump!” Why do you think he got elected in the first place? Because no ones believes you any more. You lost your credibility a long time ago.
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年5月23日
https://twitter.com/elonmusk/status/999357298861486080
ホーキンス記者のツイートに対し、同氏は「そう言うと思ってた。いつでも誰かがメディアを批判すると、メディアは“トランプみたいだ!”と騒ぐ。そもそもなぜ彼が当選したと思う? 誰もメディアを信用していないからだ。大昔にメディアは信頼性を失ったんだ」と返しています。
Problem is journos are under constant pressure to get max clicks & earn advertising dollars or get fired. Tricky situation, as Tesla doesn’t advertise, but fossil fuel companies & gas/diesel car companies are among world’s biggest advertisers.
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年5月23日
https://twitter.com/elonmusk/status/999364333674024960
同氏は続けて、「ジャーナリストの問題は、クリック数を最大化して広告収入を得るか、クビになるかのプレッシャーに常にさらされていることだ」と指摘しています。メディアのジレンマですが、本質を突いてますね。
デマだったり、フェイクニュースであったり、偏向報道だったりは日本でも良く見かけます。最近だと日大アメフト部の一連の騒動がいい例かもしれません。どこまでが事実でどれが真実かが非常にわかりにくいニュースだと思います。こうした報道は伝える側の取材力も関係してくると思うので、同氏が提唱する『プラウダ』のような評価サイトがあれば、確かに記事を書く側の正当な評価にもつながるでしょうね。
〇〇新聞の〇〇という記者の書く記事は取材力が弱いとか、〇〇というサイトのニュース記事は取材をしないで書いた記事だとか、記者の信頼性や記事の信憑性が数値によって可視化されるのは非常に民主主義的ではないでしょうか。記事を読む側にとっても、まっとうなメディアはどれかを判別するためのサポートツールという、これまでになかったメリットを享受出来るようになる気がします。
新たに“メディアを評価する点数を操作”しようとする問題も出てきそうではありますが。
※画像:『Twitter』より引用
https://twitter.com/elonmusk/status/999367582271422464