【全員目隠し、名前は「・」】・・・・・・・・・(←グループ名です)が作る新しいアイドルのルール【卒業のないアイドル】

  by 大坪ケムタ  Tags :  

アイドルとは何?というと無限の解釈があり、エンドレスの禅問答が続く気がしますが、解釈のひとつに「女の子が自分の『個性』を全力で出すところ」というのがある気がします。歌とダンスという手段で「自分しかないわたし」「他の人と違うわたし」を表現し、見つけてもらう場。グループ全員で同じ歌をうたってもそれは“合唱”ではない。「わたしの歌」の重なりである。わたしの顔、わたしの名前を見つけてよ、と叫ぶ場と言えます。

今回紹介するアイドルグループは、そんなアイドル解釈とは真逆。メンバーの名前は全部同じ顔は目を隠されていて極めて判別しづらい。そもそもグループ名すら何と呼んでいいかわからない。そんな個性を放棄したゆえに、極端に個性的なアイドルグループ。それが「・・・・・・・・・」

デビュー当初から「呼び方は自由」と公式からはアナウンスされ、メンバーの名前は全員「・」。もちろんこれも呼び方は自由。しかしファンもそれでは会話すら成り立たないので、とりあえずグループを「ドッツ」「ドッツトーキョー」、メンバーを「てんちゃん」と呼ぶ事が多いようです。

正直「顔が見えない、名前もないアイドルにどう感情移入して、応援しろというのか?」と思う人も多いでしょう。しかし、昨年の9月にデビューして以来そう言われながらもライブを重ねてきた彼女たちのパフォーマンスは時にたくましく、時にしなやかで目を見張るものがあります。そんな・・・・・・・・・の世界を支えるのが、シューゲイザーやポストパンク、エレクトロニカ、ノイズ要素の強い楽曲たち。カバー曲のチョイスもにせんねんもんだいやMassacreとひと味違う。

パフォーマンス動画
https://youtu.be/6PBCPxgj1yE

ガジェット通信YouTubeチャンネル

とはいえ今やメジャーグループでもパンクやメタル、エレクトロなどを普通に取り入れることはアイドル界では決して珍しくはない。しかし「表情が見えない」ことで、ダンスの躍動感や女の子らしい柔らかさがより伝わってくる。ダンスの肉体性がより際立つ。今の彼女たちのライブを見ると、顔がない・名前がないというのが「縛り」ではなく、「ルール」として面白さを与えているのに気付かされます。ラグビーに比べてサッカーは「手が使えない分不自由」ですが、そのルールがサッカーにしかない楽しさを与えているように。

そして先に「表情が見えない」と書いたけれど、目以外の顔、そして躍動する身体できちんとその子たちの表情は伝わる。「目は口ほどに物を言う」というけれど、無いなら無いで感じとるのが人間、もしくはアイドルオタクという生き物なのです。

8月には初の全国流通盤のCDがリリース、そして9月には新進アイドルやバンドの登竜門といえるライブハウス・渋谷WWWでワンマンを行う・・・・・・・・・。その立ち上がりから現在までについて小林さん(プロデューサー・テクノロジー担当)、古村さん(コンセプト担当)、みきれちゃん(楽曲担当)の3人に話をうかがいました。

--・・・・・・・・・を見て思うのが、最初からこういう匿名的なグループをやろうと思って始めたのか、最初は普通にアイドルやるつもりだったのか、なんですよね。実際はどっちなんでしょう?

小林 もともとはとにかくアイドルやろう、てのが先ですね。でも古村の中には今のイメージは最初からあったと思います。

小村 そうですね……匿名ぽくしたい、とかそういうニュアンスは最初からイメージしてましたね。ただ最初は長くて三ヶ月くらいかな、くらいのテンションだったんですけど(笑)。

--顔を出さないアイドルというと仮面女子なんかもありますけど、ここまで徹底して匿名性を貫いてるところはないですよね。ゴーサインに迷いはなかったですか?

古村 迷いはなかったですね。やろうと思った理由は何点かあって、ひとつには今の地下アイドル界隈がテレビの世界と差異化する形でSNSと現場がベースになったことで、女の子との距離が近くなりすぎて、界隈化というかムラ化しちゃったと思うんです。ガチ恋的な人にはいいのかもしれないけど。そんな現状を見て「もっとアイドルって普遍的な存在だったよね、みんなのものだったよね」っていうのがあるんです。そこで一旦顔を保留にすることで、1対1のガチ恋モードというか恋愛ベースじゃないモードに寄せたいっていう思いがあるんですね。

--顔を見せないことでお客とアイドルの距離を適正にすると。

古村 あと女の子を顔以外の要素、たとえば人格とかパフォーマンスで選ぶ体験って面白いんじゃないかと思ったんです。

--アイドルという普通は顔で優劣つけるところであえて、ということですね。

小村 3つ目がこれは哲学・思想の文脈なんですけど、いちばんの目標としては東京自体をアイドル化、街をアイドル化したかったんですね。

--「グループコンセプトは都市」、とは最初から言われてますよね。

古村 ・・・・・・・・・には都市計画のイメージがあって、東京に住む10代20代の女の子って100万人とかいるらしいんですけど、・・・・・・・・・は10万人の女の子をひとりずつのメンバーが象徴しているイメージなんです。ひとつの・につき10万人の顔が重なってる。それはもう目隠ししないと表現できないんですね。よく「目を見せなくすることで個性を消してる」って言われますけど、「10万人の個性を重ねてるから表現できなくなってる」ってイメージです。このニュアンスを保ちたくて、運営がグループ紹介をするときは「目を隠している」ではなく「目が隠れている」「これが素顔です」と表現したりしています。ちょっとしたこだわりです(笑)

--そういう意味だったんですね。でも実際のところグループの匿名性っていうのは受け入れられるという自信はありました?

古村 「時代の流れはこっちだ」みたいな感覚はあったんですよね。何かのきっかけでバズったらこれはいくだろうな、こっそり3ヶ月くらいでいけるんじゃないかと思ってたけど、それは難しかったですね(笑)。まだきっかけはわかってないです。

--でも女の子を募集する時点では、目隠しとかのイメージは伝えてなかったんですよね?

小林 そうですね。募集の時は「女の子の東京をつくろう!!」プロジェクトという形で、最初は原宿っぽいイメージで。

--公式サイトの写真も表参道ヒルズでしたもんね。「初観測会」(デビューライブ)も原宿でしたし。

みきれちゃん それは最初から決め打ちでしたね。ライブしてるのはほぼ渋谷か新宿なんですけど(笑)。

--音楽担当のみきれちゃんはどのタイミングで参加したんですか?

みきれちゃん このふたり(小林・古村)がアイドル始めようぜってタイミングで、「曲作れるやつがいるらしい」って感じで飲み会に誘われたんですよ。それでぼくも次アイドル出て来るなら原宿がキーワードになるだろうなって思ってたんで、原宿だよねってこの人(古村)と意気投合したのもあって、そこからはがっつり加わるようになって。オーディションとかまで。
--楽曲も最初からシューゲイザーやポストパンクなどのイメージ?

みきれちゃん それはありました。原宿とシューゲイザーだと個人的に思ってたんで

--お二人もシューゲイザーとかだな、と思って頼んだんですか?

古村 正直ぼくらは音楽詳しくないので、ジャンルが何がいいのかわからなかったんですよ(笑)。

--でもベタなアイドルポップスでもいいわけじゃないですか。実際「原宿系」と言われてるところはもっと直球なアイドル感ですし。

古村 原宿っていう「ザ・女の子」的なものと、楽曲派っていう「ザ・おっさん」的なものをむりやりくっつけるのは面白いと思ったんです。それまでシューゲイザー聴いたことなかったんですけど、「楽曲派のワードだな、だからいい!」と思ったんですよ(笑)。
 
コンセプトは「街」。顔が「見えない」ではなく「重なりすぎて表現できない」、だからこそのこの目隠し。ライブでは見えない・・・・・・・・・の芯が感じ取れたと思いますが、ではメンバーは・・・・・・・・・として誕生した時にどう思ったのだろう。そしてこの目隠しについては?

以下、取材当日5名のメンバーインタビューになりますが、全員の名前が「・」なので、多少わかりづらいのはご容赦ください。それが・・・・・・・・・なのです。ただ理解の一助になればと、今回インタビューに出てくれたメンバーによる自己紹介動画を撮ってみました。

自己紹介動画
https://youtu.be/0O3zQIzdooY

--皆さんはオーディションで集まったと思うんですけど、募集の時点でこういう目隠しして、みたいな話は聞いてたんですか?

・ まったく……。

・ ぜんぜん。

--アイドルになりたいって気持ちはあったわけですよね?

(全員うなずく)

--じゃあ好きなアイドルを言ってもらっていいですか?

・ BiSHが好きです。

・ 橋本環奈さんが好きです。

・ きゃりーぱみゅぱみゅさん。

・ 渡辺美優紀さんが好き。

・ ゆるめるモ! のようなぴさん。

--そんなアイドルを好きでありつつ、・・・・・・・・・を応募した理由は何なんでしょう。

・ なんか「原宿を拠点に」って書いてあって、わたしが原宿のかわいい感じのアイドル好きなんですよ。そういうのをやりたいなと思って応募しました。

・ わたしもそういう感じ。

・ わたしも……それでこういう感じに(笑)。

--きゃりーとか神宿とかそういう感じかなと思ったら目隠しだった。

・ 私は原宿しか街を知らなかったから……田舎者だったんで(笑)。

・ ホームページに「他のグループとは違う、いろんなことをする」ってのを書いてあったんで、それが気になって応募しました。

--たしかに他と違うことしてますよね(笑)。

--それで実際「この目隠しつけていくから」って言われた時はどう思いました?

・ 最初は猫かぶってたんで「あ~、いい~!」みたいに言ってたんですよ。

・ アハハハハ!

・ 「おもしろ~い」って。だけど1ヶ月か2ヶ月くらいの時は、街中でこれかけて歩いてるのめっちゃ恥ずかしくて。すれ違いざまに「今ヤバいとか言われた!」って感じで。でも今は普通に歩いてますね。サイゼリヤとか普通にいます。

--さっき皆さんがファミレスから出てくるの見かけましたよ。

全員 えー!! 

--渋谷だとそんな違和感ないなあと思ってました(笑)。・さんはどうですか?

・ 特に。受け入れた。

・ いちばん抵抗感ないメンバーだよね(笑)。

--実際に困ることってあります?

・ 通行人に「え?」って顔で見られること。慣れてはきたけど……。

・ ちょっと傷つく。若い女の子、同世代くらいの子に「待って~、ヤバくない?」って言われるのつらい。

・ 隠し撮りみたいなのありますね。ヤバいやついる、みたいな感じの。

・ 外人さんとか撮る人いますね。

--渋谷とか原宿ならそんな驚かないけど、上野とか鶯谷にはいないタイプですよね。

・ 上野でおばあさんたちがすごい見てました(笑)。

・ 心臓に悪い!

・ ごめんなさい! みたいな。

--正直「これを外したい!」ってのはないですか。

・ 外すデメリットもあるよね。いまさら外したくなくなってきた(笑)。

・ ライブ中とか写真撮られるじゃないですか。そういう時に白目剥いてても大丈夫、ってのがいいよね。

・ チェキも困らない。

・ 実は助けられてる部分あるんだろうな、って。

--慣れてくるといい部分も多いぞ、と。

・ 逆にこれなしでやってる普通のアイドルさんってすごいなって最近思います(笑)。

最初は運営チームも三ヶ月くらいで目隠しは外すことも考えていたという。それだけに、まだ外さないのを決めた時はメンバーからも相当ブーイングが飛んだとか。「あの時はヤバかったですね(笑)。でも今はお客さんも増えてきてるし、お客さんもメンバーからも目隠しが受け入れてもらえるようになってきてて、いい循環が起きてる。それに『苦し紛れに顔出したんでしょ』みたいなのだけは格好悪いと思ってるんです。しかるべきタイミングで、何か演出があるのなら外すのも…もちろん彼女たちは今も素顔なのですが(笑)、ひとつの選択肢かなとは思ってます」(古村)

ちなみに先に書いたとおりメンバーの名前は全員「・」ですが、ライブ後の物販などでは呼びやすいように名前がつけられています。しかしその名前は「四文字熟語」「花」「食べ物」などで、しかも定期的にジャンルを変えられるので固定された名前はありません。客はただただ覚えるしかない。そうしたことが“面倒”というよりもゲーム的な感覚として感じられるのが・・・・・・・・・なのです。

--これだけ匿名的な要素を入れてみて、意外なことってありました?

古村 そうですね、普通に目が隠れててもオタクの人って好きになってくれるんだなってのはありましたね(笑)。そうでなきゃ困るんですけど。

--大丈夫かな、って心配は当然しますよね。これでお客さんは来るのか?と。

古村 ただの色モノで終わるのはいやだったので、普通のアイドルとしてお客さんとコミュニケーション出来てるのは嬉しかったですね。

--ひとりは10万人の都市の代表、というコンセプトではあるんですけど、オタクがその個人として情報を見出すってのが面白いですよね。いい意味で裏切られたというか。

みきれちゃん すごいですよオタさんって。うちのツイッターの公式アカウントって、メンバーも書き込むんですけど、どの書き込みが誰かはわからないんです。でもある・ちゃんのオタさんは、ピンポイントで推しのツイートだけふぁぼるんですよ(笑)。文字列だけでも判断出来るんですよね。
 
当然グループに対して「いつまで目隠ししてんだ」「推しが出来そうな気がしない」などの言われ方もされるけれど、それは実際見てない人の意見。女の子がいればそこから魅力を読み取って盛り上がる。それがアイドルオタクという人種ならではのポジティブさ。ただ、それもアイドルグループとしての魅力があってのこと。「4月の沖縄のライブをきっかけに変わりましたね。他のグループのファンの方が見て、次から来ていただけるようになったり、『いいね』って声に出して言ってくれる人が増えてきました。初見で見ても『おっ』と思われるものが出来るようになりました」(小林)

また、もうひとつ・・・・・・・・・のライブで外せない要素が「テクノロジー」。デビューライブでメンバーの鼓動を視覚的・感覚的に感じ取れるアプリ「HeartSync」と連動したり、写真だけでなく匂いや音声まで残される「五感チェキ」、ライブ中押してる間だけ爆音ノイズが流れる「 ・ちゃんスイッチ」、最近では定期公演を上野のライブハウスでやると思いきや外に出て上野公園一帯を巡るスマホを使った謎解きRPGを行ったりと、歌とダンス以外の要素を隙あらば詰め込んできます。




小林 そういうテクノロジーの要素は入れていきたいとは思ってました。HeartSyncは特に現場と在宅の関係をひっくり返したい、あるいはアイドルの偽れない生体情報そのものをファンに直でつなげるみたいな新しい試みですね。

古村 今までやったテクノロジー系でいちばんくだらないと思ったのは、沖縄に行った時の・ちゃんたちの睡眠データをグラフ化して、それを3Dモデリングして3Dプリンタで出力して、頭からかぶれるようにして武道館で披露したんですよね。まったく意味がわからない(笑)。


◆詳しくはこちら。「アイドルの睡眠データを3Dプリンタでオブジェ化して日本武道館で展示する」http://qiita.com/a-r-i/items/908fbe2ced42734335f3
 
--意味はわからないけどすげえ!感ありますね。

古村 情報とモノの境目をあいまいにしたい、というのがあるんです。たとえばHeartSyncは・ちゃんの心臓を持ってる感じになるんですよね。常時接続してるっていうか、実際には情報を受け取ってるだけなのに、モノを受け取ってる感覚。それは大事にしたいですね。

--その使い方も想像を越えてくる感じですよね。メンバーも毎回驚いてるって言ってます。

古村 もうひとつテクノロジー系でやりたいのは、街がテーマなので地理的なものと絡めたいなってのはあります。人と人の関係を超えて、・ちゃんのことを好いていたらそれを通り越していつのまにか東京での生活を好きになっていた、みたいなのが望むべく方向です。・ちゃんが人と都市の間の存在だからできること。
 
もともと・・・・・・・・・はその・の数で想像がつくとおり、メンバーは9名。しかし都内で行われているライブでは全員がステージに上がっているわけではない。
 
--最初に取った・・・・・・・・・は9名ですよね。今ステージで見るのは5人前後が多いイメージですけど、最初にいた9人ってまだ全員在籍してるんですか?

古村 正確にいえば9個の・、それぞれの・は都市の作用を表してるので、グループを辞める辞めないというのはないんです。

--アイドルという前に都市の構成としての9個の・があるわけですね。たしかにいなくなっても困る。

古村 その・は音とか光とか振動とかいろんな形を取るんですけど、たまたま人間の形をとることがあるんですよ。それが今のメンバーであると。

--なるほど、・のひとりひとりはそういう存在なんですね。

古村 その女の子がステージに上がらなくなったとしても、・は消えないので卒業っていうものがない。というのを前提で話すと、いまステージをあがって人間の形をとっているのは6人ですね。

--この前の定期公演には、普段ステージには上がってないけどツイッター上で更新してるメンバーもMCで入ってましたもんね。じゃあ「卒業」というのはないと。では・が増える可能性は?

古村 ないと思います。今の9人、9個の反応でひとつの都市なので………。

--ということは誰もステージに上らなくなったら・・・・・・・・・のライブ活動は終了。

古村 そういう可能性はありますね。ステージには上がらないけどネット上にはいる。そういう存在として続くかもしれませんし。

--ネットアイドル的なものとして継続するかもしれないし、しないかもしれないということですね。

今後・・・・・・・・・は、8月に初の全国流通盤CDを発売。そのタイトルは『CD』。収録曲はライブで披露している3曲に、・・・・・・・・・と共演歴もあるアンビエント・ドローンアーティストhakobuneがノイズやアンビエントミュージックを織り交ぜて作り上げた1トラック72分。さらに9月4日には渋谷WWWでの1周年ワンマンが待っている。ここではこの1年、・・・・・・・・・のメンバーとスタッフが作り上げてきたことの集大成が見れるはず。

--では・・・・・・・・・メンバーの皆さんから、あらためてこの夏のCDリリースからワンマン、さらにその先・・・・・・・・・をどうしていきたい?

・ 最近ライブのお客さんも増えてきて盛り上がるようにはなったんですけど、もっとお客さんを巻き込んで盛り上がるライブにしていきたい。

・ 大きな失敗もなく平和に楽しかったと思えるライブが出来たらいいなと思います。

・ なんか今小さいハコとかだと振り付けは大きく見えるけど、ワンマンのWWWとか立つと動きが小さいとか見えそうな気するんですね。皆の性格的にもちょっとひっこんじゃう感じになっちゃうので(笑)、もっとダイナミックなパフォーマンスをして、オタクの人にも「こんなにできたんだ!」って思われたい。感動を越えるヤバさみたいな。出来るグループになりたいです。

・ えっと、・・・・・・・・・は曲はいいんだけど、まだ私たちのパフォーマンスが追いつかないところがまだあって、自分の中で今までで一番よかったなって思えるライブをどんどん更新していければ、もっといいなって思ってます。

・ なんか今考えてたんですけど、言葉で説明できる感じじゃないから、大丈夫です。

--いいんですか(笑)。

・ 思ってるものは頭にあるけど、具体的にこうしたいとかじゃなくて。想像するより頑張ってるし、何が伸びるかわからない。私たちダンスが伸びるかもしれないし、歌かもしれないし、こうなりたいってより……よくわかんない。

--先のことより今の成長してる感を感じます!

・ 昔はもっと人前に立つと、腹痛がヤバイいくらいだったんです。本当に人前でだめで。でも今はオタクを弄ったりする力がついて

--オタク弄りで自分の実力がついたなと。

・ 今まで初対面の人とかに猫かぶっちゃう、いい子ぶっちゃう自分がいたんです。でも今は汗だくになって汚くなってもそれを見せていい、それを許される場所って気がしてます。

--ではスタッフの皆さんからワンマンのその先、・・・・・・・・・はどんな存在でありたいですか?

古村 やっぱり外に出ていきたいですね。アイドル界隈に閉じない存在でありたい。おじいちゃんおばあちゃんカップル家族子供、あらゆる層に届くようなやり方を今後やっていきたいです。地下アイドルが現場主義になったことで、アイドル文化は現場に行ける若年男性のものに閉じちゃった部分が少なからずあると思うし。そこがメインターゲットではあるんですけど、例えば現場にいけない寝たきりの人も楽しめるものにしたい。テレビアイドルってそこに届いてたじゃないですか。SNSや現場の時代に、テレビアイドルみたいな部分を備えたアイドルでありたいですね。

--ライブだけでなくYouTubeも毎日更新してますもんね。あれは地味に凄いと思います。

古村 実はあれはアイドルネッサンスさんが毎日動画を公式で更新してるののリスペクトだったりします(笑)あと、ステージ立たないけどひたすら動画更新する・ちゃんとかいてもいいんじゃないかと思いますしね。

みきれちゃん ぼくはそれとは別に、マイナーなものと出逢う場にしたいってのもありますね。・・・・・・・・・の現場に行くと、今まで見れないものを見れたり体験できる。対バンとかテクノロジーの部分もそうですし、この先どんな形であろうとも経験の場であり続けたい。それは大事にしたいですね。
 
ここまでのインタビューやテキストを読んでもわかるとおり、過剰な情報が多い・・・・・・・・・は「今一番日本で面倒なアイドル」といえます。ただ、日本で最も売れてるアイドルであるAKB48ですら、歴史やシステムといった部分にそれなりの“解釈”と“文脈”を読み取るスキルがないと初見の人には「面倒の壁」があったりする。
 
たしかに・・・・・・・・・は一見するとわかりにくい要素が多い。しかし、・・・・・・・・・がメンバーに課している縛りやルールはどれも「アイドルを面白くするためのもの」。彼女らのライブを見るのは、新しいオープンワールド系のオンラインゲームを始めたようなワクワク感があるのです。
 
 
◆・・・・・・・・・公式サイト:http://dots.tokyo/
◆・・・・・・・・・公式twitter:https://twitter.com/dotstokyo

◆初の全国流通音源となるシングル「CD」は8月16日にTRASH-UP!! RECORDSより発売。

◆2017年9月4日に渋谷WWWでの一周年ワンマンライヴ「Tokyo in www」を開催。前売発売中。http://tokyo-in-www.peatix.com/

大坪ケムタ

1972年佐賀県生まれ。アイドル・芸能・アダルト・食・プロレスなど、主に黒いTシャツを着た太った中年が好きそうなジャンルをよろず請け負うフリーライター。著作にゆるめるモ!田家大知Pとの共著「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コア新書)、「SKE48裏ヒストリー ファン公式教本」(白夜書房)など。最近は渋谷ロフト9等のトークイベント丁稚も。

ウェブサイト: http://otb.hatenablog.jp/

Twitter: kemta