民主主義の基本は1人1票の原則です。国連が民主主義になったとしたら。逆説的に民主主義ではなくなるでしょう。なぜなら世界の人口比率を見ればわかります。国内で民主主義を選択しない国が国連を主導することになり、少なくとも純民主主義的な統治ではなくなるでしょう。逆説的ですが、国連に民主主義を導入すれば国連は民主主義ではなくなり、そして現在、国連は民主主義を導入していないのです。
フランスやアメリカの事例など民主主義とはどういうものかを考える機会が多くなりました。民主主義を教条的に受け入れることなく、民主主義の限界を知りながら民主主義を選択するということが今の私の考えです。
現代はグローバルに人や資本が行き交っています。では、グローバルな統治と関係のある国際連合は民主主義的かというと否です。世界中のことを60億人の住人に委ねたらどうなるか。今とは大きく異なる社会になるでしょう。ここのことは象徴的に民主主義の限界を示しています。
ではなぜ多くの国は民主主義を選択しているのか。それは民主主義がうまく機能するにはある程度の価値観の共有を前提としていて、それが国内に有ると仮定しているからです。根本的にいうならば、愛国心がある程度あるか否かということでしょう。
現代、多くの国で直面するのは、愛国心を、少しも持たない人が国内にいるのではないか、また将来も愛国心を持ってくれないのではないのか、様々な理由で同化できない状況にあるのではないか。などの懸念とその懸念の根拠のない増幅によるものではないでしょうか。
私は現実的には大量の移民の受け入れは愛国心の共有への懸念や懸念の無根拠な増幅を招く可能性があり反対です。
民主主義が機能すること前提があることを認識する必要があるのです。
【画像】自主撮影