メトロポリタン美術館で開催されている comme des garçons展に行ってきた

  by あおぞら  Tags :  

メトロポリタン美術館は、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、エジプト、イスラム、オセアニア等の世界の絵画や工芸品、また、彫刻・写真・楽器・スケッチ・武器・鎧等々が、広大な美術館内に、膨大な量で展示されている。

その美術館色の強いメトロポリタン美術館には衣装研究所(Costume Institute)がある。

この衣装研究所が毎年恒例のMETガラと呼ばれる著名人を大勢集めた祭典を開催する。正式名称は『コスチューム・インスティチュート・ガラ』で、運営資金集めのために行うパーティーで、美術館入り口の普通の階段がその時だけはゴージャスなカーペットが敷かれ、両脇の階段手すり向こうのカメラマンたちもタキシードでパシャパシャと連写している。

その模様はニュースで、ファッション誌で、芸能雑誌でポーズを決める著名人の姿が写し出させる。グレードの高い催し物で参加できるのは一流の証しである。

メトロポリタン美術館の衣装研究所のこの大掛かりなガラパーティーは、その年の展覧会のオープニングイベントとして開催されるのだが、今年の展覧会は『コムデギャルソン』の創設者、川久保玲がテーマである。

ガラパーティーが行われたのは5月1日、そして翌日メトロポリタン美術館を訪れると前日の名残のように、階段を囲うように張られたテントの骨組みが残っていた。一日前にはこの階段を今をときめく有名人が歩き、歓声を浴び、ポーズをとっていたことを思うと、その宴の一ミクロンの華やかさが残されたテントの骨組みから味わえた気がした。

さて、コムデギャルソンの展示会には既に数回足を運んでいるが、この会場は見るからにファッション業界の人が多く、一瞬映画のセットにいるのか?と思うような錯覚に陥る。やはり華やかなのだ。衣装も展示会にいる一般人でさえオーラを感じるほどに。

川久保玲は黒づくめのイメージがあったのだが、随分華やかなデザインも、また鮮やかな色使いの作品に驚いたのと同時に、流石川久保玲!と思ったのは、普通は照明は白熱灯の自然光のような照明を使う場合が多いのだが、この展示会はなんと蛍光灯使用なのだ。寿司屋で蛍光灯の店を見たことがないのと同じく、ファッションの展示会で蛍光灯を照明に使っているのを初めてみた。

日本ではよく『世界の〇〇』と形容されることがあるが、意外にその”世界”のと形容された人物は、それほど世界的に知名度はないような気がする。いちいち『世界の』をつけなくても、オノヨーコは誰でも知っているし、指揮者の小澤征爾も言うに及ばず。彼らと同様、川久保玲も世界のと言わなくても世界レベルで知られている立派な日本人。

因みにニューヨークタイム紙によると、METガラで開催された時に生存していたデザイナーは川久保玲含めたった二人だけだそうだ。もう一人は1983年に開催された展示会テーマはイヴ・サンローランとのこと。

この華やかな世界に到達するために華やかの裏面をきちんと対処しきった強さが作品に感じ取られる。喝采を浴びても一線をひた走る孤独を感じ取られる今年のメトロポリタン美術館の展覧会は『Rei Kawakubo/Comme des Garçons Art of In-Between』。

コムデギャルソンはフランス語で『少年のように』を意味するそうだが、今回検索してみると実質は『少年の持つ冒険心(Avoir un sens de l’aventure comme des garçons,)』を意味する』をみつけた。

第一線で世界レベルで活躍する日本人の芯の強さが感じられる展示会である。開催は2017年の9月4日まで。

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