数年前、ビヨンセが来日した際に食べたいものは?に「モスバーガー」と答えたことがあった。ビヨンセはテキサス州の出身、こちらは肉食が多い州で差し詰めビヨンセは日本と違った意味での”肉食女子”。スーパースターで舌の肥えたビヨンセに言わせた「モスバーガー」は確かに旨い。
モスバーガーのホームページに行くと海外展開はしていた。主にアジア中心で、アジア以外はオーストラリアにあった。海外店舗の展開が実に堅実でフードコート内に出店しているものが多いように見える。なぜアメリカにないのだろう?と思った。
そこで私はモスバーガーにアメリカ出店を促すメールを、モスバーガーのホームページの『ご意見・お問い合わせ』に書き送信した。流石にモスバーガーは迅速な対応で返信メールが来た。アメリカへの出店計画はないとのことだった。
ニューヨークの中心地にグランド・セントラルと言う大きな駅がある。地下鉄やメトロノースと言う郊外とマンハッタンを繋ぐ列車の始発駅でもある。その駅の地下にはフードコートがあり、そこに出店すればよいと素人ながらでアイデアを出してみた。この大きな駅近くには大手商社のニューヨーク支店がいくつもある。何も日本人対象にしなくても十分アメリカ人顧客で勝負できる味である。しかし、モスバーガーはアメリカへの出店計画はなし、それは数年前の話。
アメリカのハンバーガー・チェーン店のマクドナルドやバーガーキングなどは、セットメニューで結構いい値段をとる。その割りにサービスは酷いものだし、出されるハンバーガーにも当たりはずれがある。一度チーズバーガーを頼んでチーズは入っていたけどハンバーガーが入っていなくて笑いそうになったけど、そんな失敗も珍しくはないかもしれない、ここアメリカでは。
日本食はアメリカでは人気だ。寿司、てんぷら、そば、うどん、だいたいどんなものでも特にニューヨークでは食べられる。一風堂のラーメンだって人気だし、たこ焼き屋もある。アニメ人気もあるし、日本の文化や日本食を好む人は大勢いる。
そこでビヨンセの好きなモスバーガーなら、味に太鼓判を押されたも同然。新しくニューヨークに支社を構えるのは時間も経費もかかるし、失敗するリスクは高いかもしれない。しかし、飲食産業は意外に簡単に始められるはずだ。ましてや大きな駅のフード・コートなら客足は耐えないはずなのだ。その証拠にあまり美味しくなさそうな中華の店舗の店員も忙しそうにしている。
モスバーガーはニューヨークに賭けてみてもいいのではないだろうか。モスバーガーほどのしっかりした企業であれば、初めの一歩の出店はそう大きな賭けではないかも知れない。
アメリカは確かに不景気ではあるが、ハンバーガーくらいには人は財布の紐を緩める。ユニクロもニューヨーク進出で発展を遂げている。モスバーガーは停滞するニューヨークの日系企業に喝を入れるように、ど~ん!とマンハッタンの中心地、グランド・セントラル駅内フードコートに出店してみてはいかがだろうか。
画像:frickr from YAHOO!
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