男根を追い求める奇祭“かなまら祭り”

  by 川邉絢一郎  Tags :  

4月1日、老若男女が男根を追い求める奇祭“かなまら祭り”が、神奈川県川崎市の金山神社で行われました。かなまら祭りは、毎年4月の第1日曜日に行われる金山神社(若宮八幡宮の摂末社)のお祭りです。一言でお祭りの内容を要約すると、“老若男女が男根を担いだり、追いかけたり、またがったり、舐めたりする”ということになります。

まずは“男根を担いでいる”様子から見てみましょう。

サーモンピンクの巨根をかついでいる人たちがいます。担いでいる方々は遠目から見ると女性なのですが、近くで見ると“漢”です(一部、女性もいらっしゃいました)。
野太い声で「カーナーマラッ! デッカイマーラ!」と掛け声をかけておりました。

次に“男根を追いかけている”様子です。

誰もがカメラを片手に男根を追いかけていて、まるで朝夕の通勤ラッシュのような状態でした。これだけ多くの人間が男性器を追いかけている場所は、金山神社しかないでしょう。

続いて“男根にまたがっている”様子です。

真っ白なコートをまとったお姉さんが男根にまたがっていました。周りで写真を撮っていたオジサンたちのテンションも自ずと高まっています。後ほどお姉さんにまたがった感想を聞いてみると、「硬くて大きかったです!」と笑顔で答えてくれました。
ちなみに、外国人の方は男女問わず嬉々としてまたがっていたのですが、日本人がまたがることは少なかったです。

最後に“男根をなめている”様子です。

こればっかりは、「なめているところを撮らせてください!」とも言いづらかったので、購入した飴をご紹介します。割り箸の持ち手に、棒の部分の白色の飴、先っぽの部分の白色の飴が付いています。先っぽにはきちんと裂け目が入っていたり、微妙に上向きに反っていたりと、かなりリアルです。
境内では若く綺麗な女性がこの飴をなめたり、頬張ったりしておりました。たまりませんね。
もちろん、男性も口にしていました。たまりませんね……。

 

さて、このようにかなり奇妙な“かなまら祭り”ですが、一体何のためのお祭りなのでしょうか?
当日配布されていたチラシによれば、「江戸時代に川崎宿の飯盛女達の願掛け」に端を発するものだそうです。
“飯盛女”と言われてしまうと「中居さん?」と思われるかもしれませんが、簡単に言えば私営の娼婦です。現代で言うところの水商売の方ですね。現在でもその信仰は根付いているようで、境内には水商売の方の書いた絵馬などもありました。また、金山神社の御神体は、子孫繁栄・安産・縁結びなどの男女の縁に関係したご利益があると言われているそうです。

 

非常に珍しいお祭りであるため“かなまら祭り”は、かなり多くの人を集めています。特に外国人の観光客の方の姿が目立ち、正確なことは言えませんが、1割から2割は外国人だったように思います。
たしかにこれだけ大々的に男根を祀るお祭りが行われるのは珍しいのですが、男根の形をしたものを神様として祀ることはそう珍しいことではありません。たとえば恋愛成就で有名な東京都新宿区の花園神社内にある威徳稲荷神社にも男根が祀られています。その他、道の神や旅人の神とされている道祖神のなかにも、男性器や女性器をかたどったものがあるそうです。

毎年行われている“かなまら祭り”ですが、昨年は、お祭り自体は行われたものの神輿の巡行は自粛されていたようです。今年の祭りでも、「被災地の復興」という言葉がたびたび聞こえてきました。男女の関係による新たな生命の誕生や商売の繁盛など、新たなるものを創り出す力を秘めた神さまですから、この祭りに参加して被災地の復興を祈るのもあながち間違いでもないかもしれません。

“かなまら祭り”は年に一度ですが、男根の御神体はいつでも見ることができます。子宝に恵まれたい方、珍しい物が見たい方、男根大好きという方は、一度訪れてみてはいかがでしょうか?

研究者のたまご。専門は日本民俗学、研究対象は観光。 フリーウェブライター兼アルバイター兼大学院生。 道の駅に駐車した白い軽自動車のなかで、 寝ている人がいたら僕かもしれません。

Twitter: kawabekenichiro