ニューヨークには観光名所が沢山あります。美術館ひとつとってもいろんな種類の美術館があり、日本では博物館扱いになるものも、こちらではMuseumと呼ばれ、その数、種類は数え切れないほどです。例えばウォール街近くにThe New York City Police Museum というニューヨーク市警の美術館もあります。細長い小さな建物で、見た目には美術館には全く見えません。刑務所内部の鉄格子が展示されていたり、また911のテロで殉職された警察官の方々の遺品も展示されています。ニューヨーク市警察の美術館があれば、ニューヨーク市消防士の美術館、New York City Fire Museumもあります。また、金融に関しての美術館、高層ビルに関しての美術館、民芸品を扱う美術館….と書けばキリがないのでここらで止めて、本題のメトロポリタン美術館の話をすすめていきましょう。
入館料は値上がりもしますが今現在は(2012年3月時点)$25になっています。これは安いのではないでしょうか。この冬、Bunkamuraの「フェルメールからのラブレター展」に行ったのですが、3点のみのフェルメール作品展示(他にもフェルメール以外のたくさんの展示はありました)で入場料は1500円でした。私が日本の美術館や展示会事情に詳しくないだけなのかも知れませんが、1500円は高いなぁ…と思ってしまいましたが、それだけ外国から作品を招致するのにはお金がかかると思うしかなかったです。
実はこのメトロポリタン美術館は$25、耳を揃えて出さなくても入館できるのをご存知でしょうか?これは私の文章でなくアメリカの About.com New York City Travelから抜粋してみましょう。<因みにニューヨークの美術館でこの任意の支払い可能は複数あります>
In order to make museums affordable for all, these museums have “suggested” admissions. That means you can pay the amount of admission that you can afford and still enjoy access to the museum.
太字で書かれたところを訳しますと「あなたがお支払いできる金額で入館可能」とあり、これが”suggested “の任意に繋がるのです。要するに任意の金額で構わないということだから、$1札一枚差し出しても入館できるということなのです。でも、1ドルで入ることはお薦めしたくないんですけどね。
とりあえず$25、或いは任意の額でメトロポロタン美術館に足を踏み入れると巨大すぎるので、時間制限のある方は美術館入り口に置いてある無料の地図、しかも日本語を選んでその地図を頼りに自分の見たい部門に行かれるとよいでしょう。
世界に36作品しかないと言われているフェルメール作品が、メトロポリタン美術館には5点も展示されています。ゴッホがモネがマネがセザンヌが数限りなく展示されているように見えます、勿論限りはあるんですけどね…… そして、日本人が好むミレーは残念ながら隅の方の小部屋に展示されています。こちらのヨーロッパ絵画部門は2階にあります。同じく2階にはアジア芸術部門、楽器部門までありますし、特に中世芸術部門は美術館の力を誇るように数多く、また展示物もかけるだけでなく透明のケースに納められ凝視するには心置きなく見つめられます。
1階には現代美術部門があり、もうここだけでも十分美術館とし独立してもよさそうな程の規模です。エドワード・ホッパー、モディリアーニ、ジョージア・オキーフ、シャガール、ルネ・マグリット、マティスが複数、そしてノーマン・ロックウェルの小さな作品が一点ありますが、私個人としてはその爽やかな印象を受ける男性の絵が好きです。
またこちらには日本人を奥様にしたバルテュスの作品が1階には6点ほどあります、また2階にも大きな作品が1点展示されています。1階の現代美術部門のバルテュスの少女を描いた大きな作品はエロティックで、淫靡のプリンセスの称号を与えたいほど。因みに近代美術館(The Museum of Modern Art)にも現在、大きなバルテュスの作品が展示されています。普通にみれば普通の絵なのですが、やっぱり淫靡が隠されています。
話をメトロポリタン美術館に戻して、この美術館は絵画、彫刻、家具や楽器等、300万点の美術品を所蔵しているのです、300万点。規模としては世界最大級。さき頃までBunkamuraで開催されていた「フェルメールからのラブレター展」に行った際は会場に限りがありすぎて30分もいなかったのですが、メトロポリタン美術館は違います。開館時間は季節によって違いますが、今現在は朝9時半に開館し、火曜から木曜、そして日曜日は午後5時半閉館、金曜、土曜は夜の9時に閉館です。月曜日は基本的にお休みですが、祝日にかかると開館しています。
ねっ、これなら一日中過ごせませすよね。いえ、これらの芸術作品に敬意を込めて丸一日を捧げるに値する美術館なのです。
画像:frickr from YAHOO!
http://www.flickr.com/photos/karinc/5721116638/sizes/m/in/photostream/